<中坊公平先生の講演会に思うこと>

            演題「現代日本を考える −私の現場から− 」
        2003年9月5日(金)15:30 浜松アクトシティー大ホール


    きょう初めて中坊公平さんを間近に見て、そのお話を伺う事ができて幸せでした。印象覚めやらぬう
  ちに、私がなにを思ったかを整理しておきたいと無性に思うようになった。いつかまた読み返してみ
  たい。


1.自分の歴史を知ること

  今回の講演1時間半の半分ほどが、中坊公平さんの「自分史」であった。でもそれは何故だろうか?
  おそらくそれは、いま私たちが自立することを求められていて、そのためには自分の「座標軸」を自
  分が知らなければならないということから来ているのではないだろうか。

  中坊さんが「わが国の現状」について、混迷・閉塞・耐性に欠ける・考えることなし・観客民主主義
  ものまね上手・森林文化と砂漠文化などなど挙げられたが、このような現代に漂流しないで自立する
  には、まず「おのれ」が何者で、どのようにして今日にまで至ったか、を自らが知る必要があるとい
  うことだろうか。


2.何故か?と考えること

  残念ながら私たちは過去の経験や自分の歴史からなかなか離れられない。でももしいま自立や意識の
  改革が必要なのだとしたら、それは常に「何故か?」「何故か?」と考え、物事の本質・核心を掴む
  ことから始まるのだ。自分の頭で考え「理念先行型」の行動をとることで、自立や意識を変えること
  が出来るのではないだろうか。「着手先行型」では物事の変革は出来ない。理念・志(こころざし)
  の高さが人の意識と行動を変えるということだろうか。


3.感性と堪を働かせること
  
  堪は現場の体験から生まれる、したがって「現場主義」に徹することによって堪は養われる。現場に
  徹することにより生きてゆくための知恵が生まれ、しかもこの現場主義は五感(感性)で体得するし
  かない。だから感性が大事になってくる。


4.ヒントは「歴史とことわざ」である

  中坊さんが、ヒントは「歴史とことわざ」であると言われたが、よく分らない。「歴史と先人の知恵」
  ということだろうか?

  以下印象に残った言葉を記します。またいつか見直してみようと思う。
  @マイナス情報こそプラス情報
  A能力は自分で創る
  Bしあわせの枠は心の中でどのようにも自分でつくれる
  C知足最富
  D一燈照隅、万燈照国
  E現場主義は副作用の無い万能薬
  F説得は迫力と連想
  G堪は地下水として沈殿し、そして噴水する  


5.中坊さんの涙

  御歳74歳(1929年生まれ)の中坊さんが自分史を語る中で、母親が「金ではなく、鉄である自
  分」に対してどこまでもやさしかった事の話になった時、やや言葉がつまり鼻声になった。今は亡き
  母に対する思いが胸に込み上げたのだと私は感じた。
  中坊さんほど結果を出している方が、お話のなかで、最近「諸行無常」と思う事がある・・・とふと
  寂しげに言われたことを何故か想い出した。


  きょうの話は「現代日本を考える」というテーマであったが、私には人生の大半を過ごしてきた中坊
  さんが、ご自分で自身の人生を総括して、何が大切なのかを私たちに教えてくれたように思われた。
  中坊さんの言葉のひとことひとことが、私の琴線に触れ、穏やかに共鳴したように思う。心地よかっ
  た。不遜にも、こういう方のもとで仕事を一緒にやってみたかったなあ、などと思う。
  

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