☆柳田邦男さんへ (2007.08.04) 柳田邦男さんはノンフィクション作家だ、ぐらいの知識しか 私にはなかった。 いつもそうだけれど、やはり求めていたから出会えたのだろ う。「犠牲」と「『犠牲』への手紙」の2冊をアマゾンで購 入して、きょう「犠牲」を半分ほど読んだ。 なんとなく予感はしていたが、あるいは正直に言うと期待も していたが、その通りになった。 私にはとても出来ないけれど、柳田邦男だからここまで書け たのだ。息子さんへの、そして自分自身への「鎮魂歌」だと 勝手に私は推測している。 あまりに優しすぎて生きていけなかった、洋二郎君の25歳 の人生は、鈍感な父と世間との「犠牲」になってしまった。 この無念さと、慙愧に耐えない気持ち、あるいは罪の意識を 父は一生抱えて生きていかなければならない。 息子の存在をトレースすることで、改めて自分のこころに彼 を刻みつけ、父の生きている限り、息子は父の心の中で生き 続けることが出来るのだ。 そう思わなければ、父は生きていけない。