リスミン流 こんなときどうする?(2)
乳がんと診断されたらどうする? 受診して、医師から「乳がんです」と言われたら、とてもショックを受けると思います。でも、とにかく落ち着いて!
ここからが重要です。
手術の方法や術後の治療は、一つではありません。患者の希望やがんの性質、広がり具合によって、選択肢がいろいろあります。最終的にそれを選択するのは、患者自身です。もちろん、しこりがあるにもかかわらず「手術しない」という選択はかなり無謀ですが、乳がんは、手術とその後の適切な治療により治る確率が高いがんです。ショックで何も考えられなくなり、言われるままの方法で手術して後で後悔、なんてことにならないようにしましょう。ここが踏ん張り所ですヨ!
- 1 確実にがんなのかどうか、受けた検査を確認
- がんと診断されるまでに、どんな検査を受けましたか? 基本の検査は、視触診、マンモグラフィ(X線)、エコー(超音波)の三つです。触診だけで他の検査はしないなんてのは論外です。最終的にがんかそうでないかを決めるのは細胞を直接検査(生検や細胞診)することになります。
細胞を取って調べた場合、まったく正常な細胞だった場合はclassI、確実にがん細胞だった場合はclassV、あいまいな場合はその程度によってclassII、classIII、classIVと評価されます。 医師ががんと診断した根拠を聞きましょう。その説明に納得できたら、次のステップへ進みます。
- 2 がんの進行度はどの程度かを把握
- 乳がんの進行度(病期、stage)は、しこりの大きさ、リンパ節転移の状況(予測)、さらに身体のほかの部分(骨や肝臓など)に転移しているかどうかで何段階か(stage0〜IV)に分かれます。もちろん、手術前では正確なものではありませんので、自分の病気の状態を把握し、今後の治療を選択する参考程度に考えましょう。
しこりが大きいからといって悲観する必要はありません。例えしこりが大きくても、がんが乳房内にとどまっている限り、命をおびやかすことはありません。しかし、例えしこりが小さくても遠隔転移していないとは限らないのが、この病気のやっかいなところです。いずれにしても、付けられたレッテルによって病気が変化するわけではないので、あまり神経質にならない方がいいと思います。
- 3 どこで、どんな治療を受けるか決める
- 自分の病気の状態が把握できたら、次には最も重要な選択が待っています。
腫瘍は外科的手術によって切除するのが基本ですが、病巣があるほうの乳房を全部切除するか、あるいは一部だけ切除して乳房を残す温存療法にするのか? 腋窩リンパ節は郭清(全部切除)するのかどうか? 乳房を全部切除するとしたら、再建するのかしないのか? 再建するとしたら、一期的再建(同時再建)か二期的再建か? さらに、どの医師を主治医とし、どの病院で手術を受けるのか? ・・・選択肢はいろいろです。
そんなに一度に決められない!と思うかもしれませんが、迷えるのは今のうちだけです。(再建については術後でも可能な方法もありますし、手術後に主治医を変えることも不可能ではありませんが・・・) 手術が1週間や2週間延びたとしても、がんの進行度はそれほど変わらないはず。それよりも、あせって決めてしまって後で後悔するほうが問題です。
それぞれのメリットとデメリットをよく調べて理解し、何が自分にとって一番いい方法かを考えましょう。医師が勧める方法については、どういう理由でそれを勧めるのか、納得できるまで説明してもらいましょう。乳がん相談コーナーでは、my主治医がご相談にのりますし、一人で考えて行き詰まってしまったら、乳がん患者の開いているホームページにある掲示板(BBS)などで相談するのもいいかも。もちろん、ワタシにメールしてくださってもOKですヨ。
各手術の方法のメリット・デメリットについては、リスミンの超おススメ本4冊(『乳がんカウンセリング〜ここまでは患者に伝えたい基礎知識〜』『こわがらないで・乳がん−専門医21人が語る乳房温存療法』『自分でできる乳がん手術後のリハビリ』『胸のしこりが気になる人が読む本』)に、いろいろ書いてあります。リスミン流に簡単にまとめたものを こちら に載せてありますが、これはあくまでもワタシ個人の意見。参考の一つにしてください。病院・主治医の選び方については こちら を参考にどうぞ。
- 4 セカンド・オピニオンを得る
- 上記の決断をするに当たって、一人の医師の説明とその医師の方針だけでは決めてしまうのが不安に思ったら、他の医師の意見も聞いてみましょう。具体的には、はじめの病院で検査した結果をもらって(あるいは借りて)、別の病院に受診するのです。手間も時間もかかるし、最初の医師に悪いと思ってしまったりして、躊躇するかたも多いかもしれません。最初の医師が信頼できて、説明にも納得できれば、絶対にしなければいけないものではありませんが、ほとんど初対面に近い医師が本当に信頼できるかどうかなんて、なかなか分からないものです。手術を受けるのはアナタです。自分が納得できるまで、できるだけのことはしましょう。ただし、自分に都合のいい診断を求めて病院のハシゴにならないように、賢い患者になりましょう。
世の中に、乳がんになる人は必ずいます。それがたまたま自分に当たってしまったわけです。確かに不運だとは思いますが、じたばたしてもどうなるものではありません。乳がんになっても、自分は自分。人間性が否定されたわけでもなんでもありません。病気と上手に折り合いをつけて、今までどおり、あるいは今まで以上に人生を楽しみましょう。
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