
東京都中央区日本橋人形町3-9-9
TEL 03-3661-3867
OPEN 10:00〜23:00 土日祝休
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(下)スプーンのためのくぼみがあるカップ&ソーサー

(下)越路のシンボルマークは帽子の人物像

この情報は2004年11月現在のものです。
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昭和31年創業。当時の面影を残す喫茶店。
地下鉄人形町駅すぐそばの細い路地に、ロートレックのポスターをモティーフにしたコーヒーショップの看板が出ています。それが近く創業50年を迎えようとする喫茶店「越路」の目印。
「この喫茶店は先々代が開業したもの。先々代は私の叔父にあたります」とおっしゃるのはオーナーの熊谷さん。8年前に越路を引き継ぎました。
「ロートレック風の絵は越路のシンボル。描かれているのはアリスティド・ブリュアンという人物で、19世紀初頭の詩人、シャンソン歌手。酒場も経営していてロートレックの良きパトロン的存在でした。叔父はこの人物に憧れを抱いていたらしいのです」
50年の間に変化したもの、変化しないもの
店内に入ると、その思いがけない広さと、創業当時から先々代が収集していたというデルフト焼きなどの美術品のコレクションに驚かされます。いわく言いがたい落ち着きとやすらぎに包まれるのは、古くからさまざまなお客さまを迎え入れてきた喫茶店の懐の深さゆえでしょうか。
30年以上使われているというオリジナルのコーヒーカップにはブリュアンの横顔が描かれ、ソーサーにはなんとミルクピッチャーを置くためのくぼみと、スプーンを置くためのくぼみがついていました。同じものを作るのは不可能だからうっかり割れないんですよ、と熊谷さん。
昭和40年代にはこの界隈に力道山の事務所や寄席「末広亭」があり、越路の店内はプロレスラーや芸人さんたちでにぎわったといいます。バブル期には兜町の証券会社の関係者が取引をする舞台にも。この時期、越路は都内に7店舗を出店しましたが、熊谷さんの父親の時代に経営が破綻、人形町の1店舗のみが残りました。
店内には支店のひとつ「カフェ・ド・ブリュアン」を飾っていたガラスのレリーフをはじめ、各支店で使われていた"遺品"が集められています。
さまざまなお客さまたち
どの席もそれぞれに居心地が良く、ひとりでもグループでも幅広い用途に使えるのが越路の魅力のひとつ。充実した食事が楽しめるのでランチタイムは常に界隈の働く人々で満席です。正午をまわると会社の制服を来た若い女性客でいっぱい。ここは古さだけが取り得になってしまった仮死状態のレトロ喫茶ではなくて、いきいきと現在を生き続けている喫茶店なのです。
ランチ以外の時間帯には、原稿を書く書斎として利用する人や会社の応接室がわりに使う人々も。L字型の店内の奥を1日貸し切りにしたお客さまのもとには商談の相手が入れかわり立ちかわり現れたり、かと思えば新入社員採用試験の面接室として利用し、30分おきにかしこまったスーツ姿の人が訪れたり。そんなふうにしてここで時間を過ごすお客さまは言うのだそうです。
「会社の名刺に、越路の電話番号を入れてもいい?」
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