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福岡のカフェ:珈琲美美 |
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e,pi:cafeの近く、「国体通り」に面して、この小さな名店は1977年から静かに佇んでいます。(余談ですが、最初の一日は間違って「団体通り」と読んでいました)気温35度の眩暈がするような屋外から、黒光りする木枠のドアを開けて店内に入ると、聖なる香りがたちこめる別世界です。青山の大坊珈琲店と同じ、濃く深い珈琲豆の匂いと、なぜかしら森の中にいるような気配。珈琲好きが恍惚として目を細める香り。 そんな香りを存分に吸い込めるよう、店内は禁煙になっています。ありがたい。 モーツァルトが流れる店内は、5人がゆったり並んで座れるカウンターとテーブル席、合わせてわずか13席。カウンターでは年配の男性客と青年が、それぞれ1人で文庫本をひろげていました。 カウンターの中で珈琲をドリップしている男性が、おそらくは店主の森光氏なのでしょう。入口近くで焙煎した珈琲豆を量り売りしていた男性がご子息でしょうか。 |
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店主は中近東の民族衣装のような白いシャツをお召しになっていて、こちらが思わず居ずまいを正すような真剣さで、ネルを使って丹念にドリップしていらっしゃいました。木片を表紙にしたメニューには、濃味・中味・淡味など濃さの選べるブレンドや、各種ストレートコーヒー、イブラヒム・モカやハラール・モカ、ゴールデン・ハラールなどが並んでいます。 モカ系に食指が動いたけれど、初めてのときはブレンドが基本、と「濃味(\550)」を注文。ひとくち飲んで、噂にたがわぬ味に大きくうなずいたのでした。 シンプルでおいしいものに出会ったとき、それが器ごとうっすらと光って見えるような気がするのですけれど、美美の珈琲も静かに光を放っているようでした。 驚いたのは、マザグランという冷たい珈琲の注文が入ったとき。木枠の桶に大きな氷の塊をのせ、その上にシェーカー(カクテルを作るシェーカーね)を横に寝かせてすばやく何度も回転させるのです。シェーカーの中にはあたたかい珈琲。こうして急激に冷やしたものをカクテルグラスに注ぎ、表面にクリームを張って完成です。一連の作業に見とれました。 |
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珈琲美美のサイトには、「モカに始まり…」という店主の一文があります。吉祥寺の「もか」で5年間、珈琲の基本を学んだのちに今泉に開店。当時は薄いアメリカンコーヒーが全盛だったため、深煎りの美美は待っても待ってもお客さまの来ない日が続いたそうです。それでも頑固に自分が信じる美味の追求を重ねてきた姿勢には敬服します。 モカのルーツ、イエメンを訪ねたページには、「コーヒーは何ゆえに、人間に安らぎと活力を与えうるのであろうか?」という言葉が掲げられていました。それはまさに私が日頃不思議に思っていることでもありました。 ●次のカフェへ(cafe galleria) |
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| 追記:豆の販売をしていらしたのは、ご子息ではなく店員さんだそうです。森光氏からメールでご指摘をいただきました。たいへん失礼いたしました。あわせて、おいしい珈琲の作り方についての私の単純な質問に答えてくださった森光氏のお言葉が、重みのある素晴らしいものだったのでご紹介させていただきます。 「自分の体験した感動に素直に頭をたれたいです。そう、自分が感動した珈琲でしかひとに感動をあたえることはないと思いこんでいるわけです」 |
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| カフェマニア度:★★★★★ (今回の「ベスト珈琲」) | |||
| 2000-2003 Yohko Kawaguchi as Samantha All Rights reserved. | ■旅先で出会ったカフェたち ■東京カフェマニア | ||