東京カフェマニア


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東京カフェマニア旧サイト

「東京カフェマニア」は1999年末に
スタートした個人サイトです。
川口葉子 プロフィール

 喫茶時間を愛するライター、エッセイスト。
 東京在住。23区内と伊豆大島を往復する【半島半都】生活中。

 2000年春、東京では空前と言われるカフェの流行が加熱しつつありました。
 当時、始めたばかりの「東京カフェマニア」に綴った以下の文章が、
 現在でも私がとらえるカフェの姿の基本となっています。



カフェは街の猫のようなもの

 カフェは街の猫のようなもの。
 ある日急に思いがけない路地に現れて、散策者を誘います。
 愛嬌たっぷりの猫。つれない猫。気持ちの通いあう猫。身繕いに余念のない猫。
 誘われるままに腰をおろして、猫と一緒に街を眺めると、
 歩行するだけでは見えない風景が見えてきます。

 けれども、猫はいつか必ずふっと姿を消してしまいます。
 私たちは彼らが消えたことを知らないまま生活を続けていきます。
 別れたことに気づかずに、永遠に別れてしまったものたち。


幸福の無数の断片

 2000年。東京には新しいスタイルのカフェが生まれています。
 長命か短命かわからないたくさんの猫たち。
 いつも行くあのカフェも、1ヶ月後にはなくなっているかもしれません。
 だから言葉で、カメラで、今ここにしかないカフェの空気を切りとっておきたいのです。
 懐かしむためではなく、ただ「あのとき、東京にはこんな風景があった」と言うために。


22世紀のカフェ考古学者にあてた手紙

 22世紀になってもまだカフェは生き続けているでしょうか? 100年後の首都は東京?
 私はひそかに、100年後に誰かがふと
 「21世紀はじめのカフェにはどんな空気が流れていたのだろう?」と思って、
 幻の東京カフェ調査に乗り出す日を夢想します。
 私の大いなる野望は、その誰かが、インターネットの海底深くにひっそりと眠る
 このページにたどりついて、
 21世紀のはじめに確かに東京に存在した風景を発掘してくれることなのです。

     [ 2000年4月、カフェマニア宣言と題した文章。
      のちに書籍『東京カフェマニア』(情報センター出版局)に収録]