未知の国・コロンビアからの便り(153)
首都ボゴタの博物館・名所・旧跡−3−


"ボゴタの顔"とも言える代表的な一コマ。右画像はボリーバル広場とカテドラル、右画像は国会議事堂
読者の皆さん、こんにちは。今回も引き続き首都ボゴタの博物館・名所・旧跡等をご案内します。
上の画像は「コロンビアのへその部分」とも言える、ボリーバル広場を中心とした二つの光景です。左画像に見えるのが1811年に完成した「カテドラル」、そして背後に見える小高い山が「モンセラーテの丘」です。特に左画像に見られるボリーバル広場&カテドラルというショットは「歴史ある首都ボゴタ」を象徴する光景として紹介されています。
右画像に見られるのが「国会議事堂」です。こちらも原形は1800年代に造られたものです。堂々とした構えですね。

こちらは大統領府周辺を警備する兵士です。この大統領府周辺に配備されている兵士の服装だけは何故か昔風のままです。とは言え、観光客相手のパフォーマンスと言うに言えないのが、先年大統領府に反政府組織が撃ったロケット弾が命中した事もあり、常に警戒は厳重で所持している自動小銃も紛れもない本物です。しかしこの日は大統領が国外へ出張していた為どことなくのんびりした雰囲気があり、この兵士も気軽に撮影に応じてくれました。
尚、大統領官邸を撮影する事は禁じられており、最悪の場合カメラを没収されますのでご注意下さい。
◇7月20日博物館 (Museo 20 de Julio)
7月20日博物館の外観と、こじんまりとした中庭(パティオ)
こちらはカテドラルの隣にひっそりとたたずむ「7月20日博物館」です。1810年7月20日に時の独立派がスペインに対して独立を宣言した事を記念して造られた博物館です。しかし実際にスペインからの完全独立を果たしたのはそれから9年後の1819年であり、またこの場所で独立宣言(一方的)が行われた訳ではないのですが・・・
建物の外は多くの人々が行き交う喧騒の場ですが、館内はまるで別世界でとても落ち着いた雰囲気に包まれています。館内には独立の英雄達の肖像画や当時の調度品、そしてコロンビア初代大統領となったシモン・ボリーバルと副大統領のサンタンデールに関する部屋もあります。コロンビアがスペイン本国から独立して"僅か"200年に満たないのですが、この館内を巡っているとそれが数百年前の事のように感じられます。
そしてこれが独立当時の「サンタフェ・デ・ボゴタ」の市内地図です。左側が"北"右が"南"上が"東"そして下が"西"という位置付けです。左側に見られる道路の端が、現在のCalle
13(Avenida Jimenez)に相当する場所です。現在のボゴタは北へ向かってどんどん開発が進んでいますが、Calle
72や100のビジネス街、そしてその先の高級住宅街などは当時「ボゴタ郊外」として地図にも記載されていませんでした。ボゴタ在住の方には興味深い「一枚の地図」と言えそうです。
◇7月20日博物館の開館時間と料金 (Calle 11 No.6-94 Tel 334-4150)
火〜金曜日は9:00AM〜5:00PM、土〜日曜日は10:00AM〜4:00PM、月曜休館
料金は大人$3,000、学生$2,000、60歳以上は無料
(館内の撮影はフラッシュを使わない事を条件に可)
◇国立博物館 (Museo Nacional)







国立博物館の建物はその昔刑務所だっただけあり、外から見ると強固な要塞といった感じ
国立博物館がある場所は、これまでご紹介した見どころや各博物館とは異なる所にあります。昔で言えば「サンタフェ・デ・ボゴタ郊外」だったのでしょう。格式ではボゴタ市内でトップの「クラウンプラザ・テケンダマホテル」から程近い所にあります。国立博物館はその昔刑務所だった事もあり、外から見ると高い塀に阻まれた「強固な要塞」といった感があります。


元監獄だった名残か、館内は重々しい雰囲気に包まれている。右画像はスペイン侵攻軍を乗せた船の模型
館内は十字の形をしており、元監獄だった名残からか、重々しい雰囲気が漂います。1階部分は石器時代からスペイン侵攻軍がこの地に到着するまでの、先住民の遺物などを展示しています。国内には複数の遺跡が点在しており、有名な所では国内南部にある石造遺跡、サン・アグスティンが挙げられます。実はその他にも国内南東部の洞窟の中に「壁画」があるらしいのですが、そこは原野の中で道というものがなく、また国内有数の危険地帯がすぐ近くにある為、我々は半永久的に近づけないでしょう。
1階の十字型の中央部には、国内に落下した「隕石」も展示されています。大きさはさほどでもないのですが、その割にはかなり重いようです。うっかりして重量を記録するのを忘れました。


二階部分には植民地時代から独立直後までの関係品が展示されている。
二階に上がると展示物は一転し、植民地時代から独立にかけての絵や調度品が展示されています。スペイン軍との
独立戦争の様子を描いた絵画や、ボリーバル・サンタンデール等の独立に寄与した人物の肖像画などがあり、別の部屋は全く趣が異なるキリスト教関係の絵画や調度品などが展示されています。
また、別の部屋はサンタンデール将軍の軍服や遺品などが展示されており、サンタンデール将軍の最期を看取った側近達の様子を描いた絵画が掲げられています。


そして三階部分には「現代絵画」が多数展示されています。ここにはコロンビアを代表する現代絵画の巨匠、フェルナンド・ボテロやアレハンドロ・オブレゴンなどの作品が飾られています。そして部屋の奥にはボテロ画伯の「オレンジ」の巨大な絵画が展示されおり、ひと際目立っています。よく見ると、中央右側から「いも虫」が一匹ニュッと出ているのが見えますでしょうか。
ボテロ画伯の作風は、昨今いずれも丸々と太った描写で世界的に有名となっています。いわゆる「現代絵画の巨匠」と言われる方ですが、評価ははっきりと分かれるのではないかと思います。私自身の感想としては、太った描写というのは独自性があり、それ自体は評価できると思います。あとはこのオレンジに見られるような「ちょっとした小細工」を施すのが残念ですね。それが良いのか悪いのかは分かりませんが。
三回の現代絵画の部屋。最奥にはフェルナンド・ボテロ画伯の「オレンジ」(Naranja)の巨大な絵画がある


そして再び一階部分です。中庭は長い年月を経てとても落ち着いた雰囲気です。博物館の正面はCarrera
7という大通りになっており、日中は多くの車が行き交う喧騒の場ですが、この中には別世界です。一階部分にはカフェテリア兼レストランや売店などもあります。そして右画像は入口付近です。一階部分には博物館とは別に特別展示場があり、期間限定で様々な催しがあります。反対側は会議やイベントが出来る広いスペースがあります。
ここで行われたイベントに参加した事がありますが、会場内はとても素晴らしいものでした。
◇国立博物館の開館時間と料金 (Carrera 7No.28-66 Tel 334-8366)
火〜土曜日は10:00AM〜6:00PM、日曜日は10:00AM〜5:00PM、月曜休館
料金は大人$3,000、学生$2,000
(館内の撮影はフラッシュを使わない事を条件に可)
◇闘牛場 (Plaza de Toros de Santamaria)

そして最後にご紹介するのが、国立博物館からおよそ150mほどの場所にある闘牛場・Plaza de Toros de Santamariaです。コロンビア国内では毎年12月〜2月位までが「闘牛シーズン」です。スペイン本国ほどの熱狂はありませんが、
それでもスペイン本国でも有名なコロンビア人闘牛士が複数おり、"Cesar Rincon"などはコロンビア人闘牛士の中で最も有名な方です。
画像の左側一階には「闘牛博物館」があり、小さなスペースの中に闘牛に関する資料が展示されています。それにしてもビックリしてしまうのが闘牛の入場料です。いつか料金を調べた事がありますが、確か最低でも10万コロンビアペソ、日本円にすると5,000円以上で、最高の席は30万コロンビアペソですから2万円程度もします。この国の普通のサラリーマンが気軽に入れる料金ではないですね。
その中で「最高の場所」というのは、画像に見られる闘牛場に面した高層のアパートからの観覧ではないでしょうか。
今はどうか知りませんが、その昔は闘牛場を囲む高層アパートは市内でも最高級の一つに挙げられたと思います。
ボゴタの博物館・名所・旧跡を三回に分けてご紹介しました。もしもコロンビア・そしてボゴタをご存知ない方でしたら、歴史ある首都・ボゴタのイメージが変わったのではないでしょうか。
(2007年12月1日)
次回につづく
Copyright (C): Kenichi Arai