未知の国・コロンビアからの便り(157)

首都ボゴタを走る観光列車

読者の皆さん、こんにちは。
今回は首都ボゴタを走る観光列車と駅の周辺についてご案内します。

閑静な住宅街と巨大ビルが共存しているあたり

首都ボゴタを駆け抜ける観光列車は市内中心部に近い"Estacion de la Sabana"(Sabanaは英語のサバンナに近い)という大きな鉄道駅を出発した後、市内北部にある"Usaquen(ウサケン)という駅に停車します。
Usaquen駅周辺は閑静な高級住宅街が多くあります。今回はこのUsaquen駅を起点に周辺も含めてご紹介します。

ボゴタ市内の最高級ホテル・Radisson Royalが入居しているテレポートセンタービルとその周辺

Usaquen駅のすぐ目の前には、市内で最高級に位置付けられているRadisson Royal Hotelが入居しているテレポートセンタービルディングがあります。ラディソンホテルは左画像ですと右半分の建物になります。
昨今このあたりは大きなビルの建設ラッシュとなっており、近い将来には首都ボゴタの経済の要所となるかもしれま
せん。今後名だたる国際企業がこのビル群に入居してくる事でしょう。

フランス系の大手スーパー"Carrefour"が入居しているSanta Anaショッピングセンター

また、鉄道駅の目の前、テレポートセンタービルの隣にはフランス系の世界的な大手スーパー"Carrefour"が入居
しているSanta Anaショッピングセンターもあり、週末ともなると多くの買物客で賑わっています。この周辺は高級住宅街地区という地理的条件もあり、はた目で見ると客層がそれなりの人が多いように思います。実際、この中でテレビに映る機会が多い芸能人が買物をしている姿を見かける事もあります。

とてもかわいらしいUsaquen鉄道駅

そしてこちらがUsaquen鉄道駅です。どうです、とてもかわいい駅でしょう。近年再塗装を施した事もあり、お洒落な感じがします。この駅は観光列車が運行する土・日・祝日のみ内部が開けられ、普段はひっそりとしています。

観光列車の運行日のみ開かれる駅舎内のカフェテリア(左)と、現役のSL機関車の雄姿

駅舎内のカフェテリアもやはり観光列車の運行日のみの営業です。壁には現役のSL機関車の雄姿を撮影したものが多数飾られています。

ところで、現在は観光列車として首都ボゴタ近郊を走るのみとなっていますが、数十年前はここからカリブ海沿いの
サンタマルタまでなどかなりの長距離区間を運行していました。その名残がボゴタから北へ延びている街道沿いに
朽ち果てた駅舎が所々見られます。

首都ボゴタは現在完全な車社会となっており、地下鉄の導入計画も以前から話題にはなっているのですが、出ては
消えと未だに実現していません。その理由の一つが軟弱な地盤にあります。ボゴタはその昔湿地帯だった事もあり、現在でも地下に莫大な水が溜まっており、数百メートルも掘り進めないと岩盤に行き着かないと言われています。その為地下鉄を作るのが非常に困難で、それが故におよそ700万人という大都会ながら鉄道網が全く整備できないようです。

Usaquen鉄道駅敷地にて。記念写真には格好の被写体です。

観光列車の到着。客車を引っ張るのはディーゼル機関車

そして主役の登場です。観光列車は最近路線が増え、ボゴタ市の郊外にある"Parque Jaime Duque(ハイメ・ドゥケ公園)"へ向かう列車と、巨大な岩塩鉱脈が地下にあり、掘り尽くした後の坑道を教会に仕立てた"Catedral de Sal(塩の大聖堂)"があるZipaquira(シパキラ)と革製品・そして絨毯の町として知られているCajica(カヒカ)行きの二つのルートがあります。

上記画像のディーゼル機関車を主体とした列車はJaime Duque行きのものです。この日はなぜかシパキラ行きになっていました。たぶんSL機関車がメンテナンス中だった為でしょう。動画も別途ご紹介します。

☆南米コロンビア・首都ボゴタを走る観光列車
☆南米コロンビア・首都ボゴタを走る観光列車2

いよいよ登場!本物のSLが引っ張る観光列車です

そしていよいよSLが煙を上げながらUsaquen駅へ到着しました。この画像を撮るまでに都合3回もこの駅へ足を運んだ甲斐がありました。1回目は「運休」、2回目は「車両編成変更」、そして3回目にしてようやくお目当ての光景が見られました。こちらが前述のZipaquira,Cajica行きの編成です。

日本でも昨今SL列車が復活運行しているようですね。コロンビアのSL観光列車ですが、この画像は後年貴重なものになるかもしれません。取材したこの日は乾期の真っ只中で晴れ渡った良い天気の中でした。
昨年のこの時期にSL観光列車に乗車した事があります。その際にはSLの上に乗務員が立ち、途中に森の中を抜けるのですがその際に給水車からホースを使って線路脇の木々に放水していました。こうしないとSLが吐く煙によって
発火する恐れがある為です。中には"ユーカリの木々"が多数ある場所も通過し、ユーカリの木は特に発火し易いので乾期の運行は注意を要するようです。

SL観光列車の方も動画をアップしました。下記をご覧下さい。

☆南米コロンビア・首都ボゴタを走る観光列車3
☆南米コロンビア・首都ボゴタを走る観光列車4

11両編成の客車は車体全面にスポンサー好みの塗装を施したド派手なもの

そして客車ですが、11両編成の車体全面にスポンサーである"Nestle"の企業広告が施されたド派手なものです。元々は前述のディーゼル機関車に引かれているような赤色を主体としたシンプルな塗装でした。数年前からNestle社がスポンサーに付いた事でカラフル・ド派手な車両になりました。

ちなみに編成中には食堂車兼カフェテリアの車両もあります。それが中画像にある"Cafe"と書かれた車両です。車両自体は年季が入ったもので、トイレも一応ありますが全て「垂れ流し式」です。日本でも昔の客車はそうでしたね。

Usaquen駅で列車の到着を待つ乗客(左)列車が到着すると車内に乗り込んでいる楽団が外で演奏を始めた(右)

それにしてもSL機関車一台だけで11両もの客車を引っ張る訳ですから、速度の遅さは相当なものです。かなり無理をしているような気がします(笑)何しろディーゼル機関車よりも多くの車両を受け持っているのですから。よく見たらディーゼル機関車ですら出発時には前輪が一瞬空回りしてましたから。あの光景はちょっと笑えました。

SL観光列車とディーゼル観光列車の時刻表と料金一覧

コロンビアの首都ボゴタで観光列車・それもSL観光列車というのもピンと来ないかもしれませんが、話の種に一度体験されてみてはいかがでしょうか。速さを競う時代の流れに逆らうようなゆっくりとしたスピードと、左右に振られるような大きな揺れと共にボゴタ周辺の緑を満喫するのも良いかもしれません。観光列車の案内は下記にてご覧頂けます。

☆Turistren

(2008年2月10日)

 次回につづく

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