未知の国・コロンビアからの便り(167)
荒涼とした一帯にあるワイン用のブドウ畑
これは幻?南米コロンビアでワイナリーを訪問

読者の皆さん、こんにちは。
"南米コロンビア"といえば何と言っても高品質の「コーヒー」をイメージされる方が殆どかと思います。私自身、既に
何度もコーヒーの実が鈴なりとなっている畑を見ています。真っ赤なコーヒーの実は「コーヒーチェリー」と呼ばれて
いるほどで、それは美しいものです。
そんな中、ふとしたきっかけで「南米コロンビア産ワイン」の存在を知りました。10年以上に及ぶ当地での生活で、それまで恥ずかしながらコロンビアでワインが生産されている事すら知りませんでした。そこで向学を兼ねて現地視察
しました。そこで現地事情を含め皆さんにご紹介します。


今回訪問したのは"Marques(マルケス) de Villa de Leyva"のブランド名を冠した"Aim
Karim"ワイナリー(スペイン語でVin~edo)です。ここは歴史ある街並みと石畳で有名な町"ビジャ・デ・レイバ"から車でおよそ15分、10km程の場所にあります。ビジャ・デ・レイバの町を離れると、周囲は荒涼とした光景が広がります。遠くに見える山々には木々の姿が殆ど見られず、道路沿いには無数のサボテンや岩肌が目出ちます。この一帯は年間を通じて降雨量が極端に少ないのでしょう。このような地形が首都ボゴタから車で3時間・170km程という近い距離にあるのですから驚きです。
ワイナリーへ向かう街道の途中には"El Fosil(化石)"の名で知られる場所があります。この一帯では太古の昔に海底下だった事を示すアンモナイトの化石その他がたくさん発掘されており、今からおよそ一億年以上前に生存していた恐竜の「全身化石」が発掘された場所がそのまま博物館となっています。
このEl Fosilへは、話によると近郊の町・Santa Sofiaへ向かう"Buseta"と呼ばれるミニバスのルート上にあるらしいのですが、詳しい情報はありません。やはりタクシーを利用して料金交渉するのが適当です。


ワイナリー自体はビジャ・デ・レイバと"Sutamarchan"という小さな町の間の街道をそれた後、800m程度行った先にあります。街道の途中に左画像に見られる看板があり、ここから脇道にそれて砂利道をガタゴトと奥へ入って行きます。
このワイナリーへ向かう場合も、やはりSutamarchanへ向かうミニバスを利用する方法があるようですが、便数は多くないようで、しかも街道からワイナリーへの砂利道をかなり歩くので、ツアーや自家用車ではない場合はやはりタクシーを手配した方が良さそうです。私はその方法でたどり着きました。ちなみに左画像の看板は目印として分かり易いですがうっかり見逃す事もありますので注意が必要です。
砂利道の途中にはいくつかのビニールハウスがあり、チラッと見えたのは「トマト畑」でした。トマトは極めて少ない水で生産が可能で、吸収する水分が少ないほど甘みが増すので降雨量が少ないこの地に極めて適した作物だとすぐに判りました。そしてワイナリーの入口にあったのが上記右画像の看板です。



左画像がワイナリー入口の門、中画像は門の右側にあるワイナリーの開館時間を表示した銘版です。ここから更に100m程行くと小さなワイナリーがあります。



こちらがブドウ畑です。この後ワイナリーで簡単な説明を聞きましたが、私が訪問したこの1月は枯れたような木々があっただけで、次の収穫期はおよそ5〜6月頃なのだそうです。いくつかの枝の先には若い葉が若干見えた程度でした。それにしても、赤道付近で四季がない南米コロンビアで、まさか「ワイン用のブドウ畑」を目にするとは思いませんでした。今でも"幻"を見たような気分です。寒暖の差がなく、四季がないコロンビアでのワイン生産は適さないと思い込んでいましたから。
こちらのホームページによると、赤ワイン用のブドウ種"カベルネ・ソーヴィニヨン"と、白ワイン用のブドウ種"ソーヴィニオン・ブラン"の苗木はフランスから輸入し、同じ白ワイン用のブドウ種"シャルドネ"の苗木は米・カリフォルニアの「ナパ・バレー」から輸入したものだそうです。ブドウ畑の作付面積はおよそ20haとの事です。


そしてこちらがワイナリー内部です。この日は年始の休暇期間中だった事もあってか、ひっきりなしに観光客が来訪して結構な賑わいを見せていました。その為売店の女性がガイド役を兼務し、グループごとに簡単な説明(スペイン語のみ)をしてくれました。それによるとこのワイナリーでの生産量はボトル換算で年間およそ25,000本相当との事です。
説明は本当かな?と思うくらい小規模なワイナリーで、ブドウの実がないこの時期はもちろん生産もなく、空のタンクが並ぶのみでした。


説明を受けた際にうっかりして聞き忘れてしまったのが、生産されたワインの「流通先」です。Marques
de Villa de Leyvaブランドのこのワインは、少なくとも国内の大手スーパーでは全く目にしません。それが故にタイトルに"幻?"と付けた程です。近隣の町ビジャ・デ・レイバでのレストランでもこのワインはついに見かけませんでした。
それとは別に、視察前に首都ボゴタのオフィスに問い合わせの電話を入れた所、責任者の方が何と実名を挙げて
「日本の○○社と販売交渉をした事がある」と回答したのには驚きました。○○社と言えば首都ボゴタに支社を持つ大手総合商社です。○○社が実際にこのワインを日本へ輸出しているかまでは聞きませんでしたが。それにしては
年間生産数25,000本では商売の規模としては少ないように思います。
地下に「ワイン蔵」があり、そこも見学対象となっています。ここでおよそ1〜2年ほど木樽で熟成させています。内部はフラッシュ禁止の条件と、元々真っ暗に近いのでどうやっても画像が撮れませんでした。木樽の数は目測でおよそ20本程度。やはり小ワイナリーです。


ワイナリーを入ると正面ではワイン直売カウンターがあり、女性係員が一人で応対していました。来訪者が少ない時でしたらそれでも良いかもしれませんが、この日は多数の家族来訪者やら外国人観光客で賑わっていた為、ワインを販売し、レジを売ってガイドもするなど大変そうでした。そして壁には自社ワインの料金表が掲げられていました。結構な値段です。同価格帯でチリやアルゼンチン産の著名なワインが買えます。ちなみに「ソーヴィニオン・ブラン」が20,000コロンビアペソ(2009年1月現在・およそ900円)と書いてあります。
私は試飲の意味で3,500ペソの"グラスワイン"(およそ160円)の白ワインのみ味見しました。扉の奥にある冷蔵庫から仰々しく取り出したワインはよく冷えていました。味は・・・「超辛口」と言った感じです。というかとてもライトな感覚です。ワインが持つ芳香と熟成を経た重みに欠けているような・・・それが正直な感想です。




こちらが実際に販売していたワインボトルです。左上画像がカルベネ・ソーヴィニオン(左)とソーヴィニオン・ブラン(右)、右上画像がソーヴィニオン・ブラン、そして右下がシャルドネです。
南米コロンビア産ワインの試飲体験・・・変わったというか貴重な体験でした。南米コロンビア産のワインは日本では殆ど・若しくは全く出回っていないであろうと思います。ちなみに私がわざわざ「"南米"コロンビアワイン」と付けているのは、単に"コロンビアワイン"で検索すると、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のワインがヒットしてしまう為です。
付近にはビジャ・デ・レイバやラキラといった観光地があるこのワイナリー、お酒が好きな方でしたら「話の種に」案内しても良さそうな場所です。
(2009年1月10日)
次回につづく
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