未知の国・コロンビアからの便り(168)

シパキラの町を一望。素晴らしい風景です

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クンディナマルカ県・シパキラ(Zipaquira)

読者の皆さん、こんにちは。
今回は首都ボゴタからおよそ50kmほどの場所にある町・シパキラ(Zipaquira)をご紹介します。

クンディナマルカ県・シパキラ町と首都ボゴタとの間は車でおよそ1時間弱、路線バスが頻繁に行き来しています。途中、ChiaやCajicaといった町を通過して行く為に路線バス利用者が多く、首都からの「通勤圏内」でもあります。また、土・日・祝日には観光SL列車も運行され、多くの観光客で賑わう場所です。

画像はシパキラ町のバスターミナルです。大型バスの乗り入れはなく、いずれも小・中型バスばかりです。首都ボゴタの北にある"Portal Norte"からの路線バス料金は片道3,400コロンビアペソ(2009年1月現在・およそ150円程度)でした。

バスターミナルから町の中心部までは徒歩で移動が可能な距離です。数百メートルといった感じです。
シパキラは1,600年に設立されて以来、400年以上の歴史があります。中心部には大きな広場があり、コロニアル様式の建物が広場を囲むように建ち並んでいます。

左画像が町で一番高い建物・カテドラルです。外壁は全てレンガ造りで、内部に入ると空間の広さに圧倒されます。
そして中画像に見える緑と白の建物がシパキラ町役場です。とてもお洒落な造りです。比較的最近再塗装を施したように見えます。

シパキラと言えば後述する"塩の教会"が有名で、SL観光列車でもシパキラ駅発の「オプショナルツアー」を別料金で組んでいますが、大抵の観光客は塩の教会観光を終えると町の中心部を見ずに去ってしまいます。風情のある古い町並みが現在も残っている中心部は是非とも足を止めて見て頂きたい場所です。

広場の片隅に古い建物がそのままカフェテリアになっている一角があります。ショーケースにあるのは普通のクッキーや甘いお菓子、そしてコーヒーなどですが、壁には数十年前の広場の様子を収めた写真が何枚も飾ってあり、内部もレトロな雰囲気に満ちています。ここでちょっと一息・コーヒーブレークなんて良いと思いますよ。

町の中心部にある広場からバスターミナルと反対の方向へゆっくりと5分ほど歩くと、そこはもう「町外れ」です。シパキラの中心部はそれほど小さい一角です。そこからはいよいよ地下に莫大な岩塩の鉱脈が眠る小高い丘です。ここには立派な門があり、そこから先は公園となっています。入口には立て看板があり、門のすぐ隣には考古学博物館と
レストランが並んでいます。ここも小さな広場となっており、立ち止まって撮影するには格好の場所です。

まるで古いお城の中に入るような立派な門の周辺にはおよそ5軒の焼肉主体のレストランがあります。その中でも画像のレストランの店構えが一番立派に見えました。いずれも空き地を使って焼く様々な肉を提供しています。大草原風と称してでっかい肉の塊を炭火であぶっているのですから美味しそうに見えます。

左画像に見られる焼肉レストランは、メニュー自体はその他のレストランと同じで大した内容はありませんが、ちょっと違っていたのはワインリストの「赤」に、何と「国産ワイン」の表示があった事です。コロンビア国産ワインと言えば国内南部・Valle県産のものです。あとはお馴染みのチリ産ワインですが、コロンビア国産ワインを出す店という事だけでもちょっとポイントが高かったです。とは言え、コロンビアワインの味自体はそう大したものではありませんが。

そしてこちらが岩塩坑道入口手前にある広場です。左画像白い屋根の下には入場券売場とちょっとした売店があり
ます。昨年以前にここを訪れた事がある方は、当時白い屋根がなかったのがお分かりでしょう。これはつい最近完成したものです。その上に白っぽい建物が見えますでしょうか。昔、ここはレストラン兼宿泊施設(?)で、私はここでお客様を食事に案内していました。現在では廃墟となってしまいました。

中央画像左は何と子供用の遊び場になっています。これも昨年以前にはなかったものです。画像中央下は岩塩坑道博物館になっています。そして右画像が移設された入場券売場です。

左画像が広場の中心にある「坑夫の像」です。昔、素掘りで岩塩を掘り出していた姿です。
そして中央画像は塩を有する岩石を加工した小物を扱う売店です。そして右画像が前述の坑道博物館内にある塩を有する岩です。今回坑道内部の説明は割愛しますが、坑道内ではそれは見事な「花崗岩」の層が見られます。また、真っ黒な石炭質の岩もあります。これらをちょっと舐めてみると、やはり塩辛いのが分かります。坑道を入り始めて
数十メートル程進むと、ごく僅かながら硫黄の匂い(硫化水素)を感じます。昨年には一時坑道内で蒸気ガスが噴出
して入場者が火傷を負ったニュースもあったので、地下には火山帯があるのかもしれません。

広場の端にはこのようなトンネルがあり、その先がいよいよ「塩の教会」に通じる岩塩坑道入口です。右画像がそれ
です。この画像では見えませんか、山の中腹にあるこの入口付近は黒っぽい色の岩が剥き出しています。近づいてみた事がないのですが、どうも石炭のような色をしています。

このシパキラの他にもすぐ近くに"Nemocon"という町があり、ここにも岩塩鉱脈があります。その北にあるボヤカ県には巨大な石炭鉱脈があり、更には世界市場の90%前後を占める「ムソー」「チボール」といった巨大なエメラルド鉱脈もあります。加えてビジャ・デ・レイバ近郊には化石層もあり、この一帯は鉱物資源に満ちた場所です。現在まで大規模な調査は行われていないようですが、この一帯をくまなく地質調査したらかなり高い確率で鉱物大鉱脈にぶつかる事でしょう。

そしてこの画像ですが、これは最初に公開された「岩塩坑道跡」です。この場所は現在公開されている坑道から斜めおよそ50mほど上にあり、現在では入口が封鎖されています。10年以上前に「塩の教会」を訪れた事のある方でしたら、この場所を懐かしく思われる事でしょう。右の建物が当時の入場券売場や売店だった場所でしょう。

岩塩坑道はまずこの場所から掘り進められてその後に一般公開されたのですが、一部崩落の危険性が出て来た為1992年に閉鎖され、ここの斜め下から掘り進められた「第二次坑道跡」を利用し、3年という歳月をかけて芸術家などを総動員して大規模な「改修」を施し、1995年に「新たな塩の教会」を含め、一般公開が開始されました。

昔の岩塩坑道入口跡を訪れる観光客の姿は全くなく、この日も私以外誰もいませんでした。この廃墟の前が実は
「寂れた展望スポット」になっているのですが、皆その存在すら気が付いていないのかも知れません。

そこで私は上記画像に見られる素晴らしい景色を「独り占め」する事が出来ました。本当に他に誰もいなかったのです。ここからは眼下にシパキラの旧市街地が一望でき、更には「ボゴタ大高原」とよばれる素晴らしい風景が一望の下に見渡せます。前述の岩塩坑道手前にある公園からですと、一面に茂る木々に遮られてシパキラの町が全く見えないのですが、ここからでしたら障害物は全くありません。それは素晴らしい風景でした。

というシパキラの町の紹介でした。殆どの方は岩塩坑道をサッと見てさっさと帰路についてしまいますが、歴史あるシパキラの古い町並みを散歩するのもお勧めです。首都ボゴタからすぐ近くにありますので、余裕で日帰り散策が可能な「小さな旅」に適した町です。
(2009年1月24日)

 次回につづく

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