次ページへ

バックナンバートップページへ

前ページへ

未知の国・コロンビアからの便り (41)

コロンビアに和楽の音

コンサートのパンフレット

読者の皆さん、こんにちは。
先日、在コロンビア日本大使館(国際交流基金)、コロンビア文化省主催による「日本伝統音楽コンサート」が催されました。

直前に皆さんもご存知の悲しい事件があり、私自身は或いは中止ではないかと思いましたが「日・コ両国間の文化交流の灯は消さない」という意向があったと思います。
在留邦人でも下層に位置する私は何を言える立場でもありませんが、この場をお借りして謹んで哀悼の意を申し
上げます。

コロン劇場(Teatro de Cristobal Colo'n)内部の荘厳な造り

この日はあいにくの雨にたたられましたが、日本から遠く離れた南米の地で聞く伝統音楽に興味があり、私も鑑賞させて頂きました。

会場となった「コロン劇場」は市内中心部・カンデラリア地区にあり、以前ご紹介した事がありますが、100年以上の歴史を持つ重厚な造りです。
私自身、内部に入る機会など滅多にないので、この時とばかり係員の許可を得て内部を撮影する事ができました。フラッシュ撮影は建築物に影響を及ぼすので禁止との指示がありました為、画像がブレているかもしれません。

劇場内後方部と場内を照らす豪華な照明

コロン劇場はその昔であれば上流階級の人々のみが入れる「社交の場」であったと思われますが、現在では各種催し物の開催に際して、入場料さえ払えば誰もが一時の栄華を味わうことができます。
ちなみに、日本政府は在コロンビア日本大使館を通じて劇場内の音響設備を寄贈しています。

さてコンサートの本題に入ります。
この日は当地及びイラクで起きた日本及びコロンビア人の同胞への悲劇に対し黙祷を捧げた後、まず「三味線」の音が劇場に響き渡りました。
日本から遥か彼方の南米で聞く三味線の音は、遠方の地に住む我々の奥底にある「日本人の本質」を呼び起こすような気がしました。

次いで「和太鼓」
今では日本国内でもその力強い音を聞く事は少なくなったように思います。二人の男性が奏でる太鼓の音は確実に劇場内を揺るがせていました。足元から体中に響き渡った太鼓の音は、日本の伝統を感じさせると共に何か
「日本の底力」を見せつけたように思います。

そして「民謡」
二人の女性の奏でる高音の歌声により、「会津磐梯山」「刈干切唄」「木曾節」その他多くの、これぞまさに日本の伝統曲といえる数々の名曲を披露されました。

正直な所、私は民謡世代ではありませんが、それでも南米の地で聞く日本の伝統・民謡の唄にグッと来るものが
ありました。

コンサートを終えて。左より和太鼓・三味線・民謡・三味線・民謡の奏者

演奏中の画像の撮影は気が引けました為、最後の場面のみ撮影してみました。
この日の日本伝統音楽コンサートは劇場内のコロンビア人の方々にとってどのような印象をもたらしたのか、聞く事はありませんでしたが、4,000万人の人口を持つこの国に在住する、ほんの一握りである我々「日本人」の文化を少しでも知ってもらう良い機会ではなかったかと思います。

また別の視点ですが、この国で奮闘努力している我々在留邦人に一時の安らぎの場を与えて頂いたと思います。念の為誤解を招かないよう、このコンサートは広く一般に鑑賞機会があった事を補足します。

コロンビアで聞く和楽の音。
地道ではありますが、文化交流はコロンビアに日本という国をアピールする良い機会ではないかと思います。

 次回につづく

Copyright (C): Kenichi Arai