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未知の国・コロンビアからの便り (48)

読者の皆さん、こんにちは。

コロンビアの話題から大分長い事離れてしまっています。引き続きパナマの話題となりますが、短い休暇旅行記は今回がラストです。

滞在三日目、パナマシティから車でおよそ2時間ほどの距離にある「Valle de Anton」という近郊の町に向かいました。

早朝のバルボア港

今回の滞在期間中、パナマは地元の人でさえ「暑い」と嘆くほど日差しが照りつけていました。事件性の少ないパナマの新聞紙で報じられていたトップニュースが「暑い!全土で5人の死者」というタイトルだった程ですから。
そんな中、このバジェという町は「避暑地」として名高い・・・とガイドブックに書いてあった為、それではこの暑さから逃れる事が出来るであろうと期待を込めて向かった次第です。

よく整備されたパン・アメリカンハイウェイを進むと、途中にはパナマのビーチリゾート地として知られている「Playa Blanca」を遠めに見る距離まで近づき、その後我々は内陸部へと右に曲がって行きました。

眠るインディオ女性を象徴する山肌

2時間のドライブを終えてようやくバジェの町へ到着しましたが・・・やはり暑かった!これならボゴタの方が涼しいと愕然とした程です。いや、しかし私は避暑の為にこの町を観光しに来たのではありません。

まずガイドから説明があったのが、一見するとただの山ですが通称「India dormida」と呼ばれるものです。画像をよく見ると「アッ」と気がつくと思います。こげ茶色に変色した部分が女性の体に見えませんか?画像右側が顔で、中央から下に伸びる部分が左腕です。説明では、その昔この地に侵攻してきたスペイン人に恋した原住民(インディヘナ)の女性がその恋叶わず永遠の眠りについたのが起源との事です。

パナマで有名な伝統工芸「モラ」と、現地出身の女性

上記画像がパナマの伝統工芸品で世界的に知られている「モラ」というものです。このモラですが、実はこの町という事ではなく、実際にはパナマ本土から離れたカリブ海に浮かぶ「サンブラス諸島」のモラ族の伝統工芸品です。
伝統工芸といっても歴史的にはここ100年以内という浅いものですが、今やパナマはともかく世界的にも知られる存在となり、小さな島で細々と受け継がれるという域を超えて、もはや商業主義に走っているようです。この為、昨今では絵柄に関して「肖像権訴訟」まで発展しているとの事です。

私も旅の記念にと買ってみましたが、正直な所作りは「アップリケ」そのものです。高いものはそれなりに凝っているようですが、それでも同じ中米のグアテマラで見た色彩豊かな「織物」とはレベルが違います。

原住民といえばコロンビアにも複数の民族が存在します。私はそれら民族を目にした事がありませんがそれは当然で、彼らの居住地は人里離れたアマゾン地帯や山間部にあり、とても我々一般人が気軽に足を運べるような場所ではありません。その為、彼らは未だに自給自足の生活を主として町へ出る事など殆どありません。

話がそれましたが、この町を有名にしているものの一つに「温泉」があります。といっても日本のように湯けむり情緒溢れると言ったものではありません。
温泉の場所と言っても町に一つしかありませんが、そこへ行くと全身に泥を塗った人達に出くわしました。ミネラル分豊富な泥を体の悪いところへ塗りつけ、しばらくした後に画像にある「温泉風呂」につかるというものです。
このエル・バジェという町は山と山の間にあり、火山帯の山の影響で温泉が湧き出るらしいです。私は別に温泉目当てに来た訳ではないので水着も何も持参しませんでしたが。

実はこのバジェ日帰り観光の最中にまたしても日本人の方とお会いする事になりました。偶然ですが、JICA(国際
協力機構)の「シニアボランティア」(通称SV)ご夫妻で、このご夫妻とお会いした事で後のパナマ市内観光もがらっと変わる事になった次第です。

今回のパナマ旅行では、既にリタイヤを決め込んで毎日優雅な日々を過ごされ自宅兼レストランを営まれているパナマ人と日本人のご夫妻、JICAシニアボランティアの方々、そして日本から「エコツアー」を目的としてパナマを旅行中のグループなど、多数の日本人の方々にお会いする機会がありました。コロンビア国内で日本人を見かけることは滅多にありません。大都会ボゴタでさえもそうなのですから、まして地方都市で偶然ばったり出くわす事など稀です。

シニアボランティアのお一人はパナマにおいて「自然に優しいホテルの格付け」を職務として派遣されているらしく、アメリカからの束縛から解かれたパナマが今後どのような道を歩むかという方向付けにも関与しているようです。
コロンビアにおける最大の課題は「治安問題」であり、それが故に国外から観光客が来ることなどまずありませんが、パナマは全てがこれからで、まだ地盤が整備されておらず、市内をちょっと離れると湿地帯にはワニがいたり
猛獣類に出くわす事もあるようです。

わずか4日間のパナマ滞在でしたが、隣国なのにこれだけ国情が変わる事に新鮮さを感じました。

  次回につづく

Copyright (C): Kenichi Arai

中米の至宝・パナマ4