

未知の国・コロンビアからの便り (49)
読者の皆さん、こんにちは。
しばらくコロンビアの話題から離れていました。首都ボゴタから日本の皆さん、そしてコロンビア国内在住の皆さんへ便りを送り続けて数年になり、正直な所ネタ探しが大変になってきました。
国内の治安情勢は現在でも決して安全とは言えませんが、それでも昨年あたりから町の様子が変わってきている気がします。いつどのような事態に巻き込まれるか分かりませんが、今の所「平穏な毎日」です。
という独り言絡みの余談はこの辺にしておき、2月最終週恒例の「コロンビア旅行博覧会」が市内の国際見本市
会場(CORFERIA)にて今年も開催され、旅行業関係者が多数詰め掛けました。

私も旅行業者の端くれですので、毎年この時期の博覧会を楽しみにしている身です。
この旅行博覧会の活況ぶりは、何と申しますか「好不況」をそのまま反映しているように思えてなりません。事実、先年のNYテロ事件後翌年の博覧会には通年単独でスペースを確保している「VISIT
USA」館は出展を取り止めましたし、コロンビア国内が不況の折には総出展ブース数も少なく閑散としていました。
そんな中、今年の博覧会の活況ぶりはと申しますと、もはや不況から脱したような盛況ぶりでした。


コロンビア国内観光振興の合言葉「VIVE COLOMBIA」と、観光振興局のブース
今年の博覧会には、国内各所の観光局を始め国内外の各航空会社や国外からはアルゼンチン・チリ・ブラジル・ベネズエラ・エクアドル・ペルー・ボリビアなどの南米各国、カリブ海諸国、そして中米諸国などがブースを開設し、近年では最大規模の出展数だったように思います。
もちろんVISIT USA館も米系航空会社やレンタカー・ホテルチェーンなどが集結し、活気に満ちていました。
真相の程は定かではありませんが、コロンビアはラテンアメリカの中でも「中産階級層」が一番多く、いわゆる一般サラリーマン人口が極めて多いと聞いた事があります。すなわち「起業」よりも「企業」を好む国柄らしいのですが、それはイコール、リストラに遭わない限りは毎月安定した収入が確保でき、法定で一定期間の休暇が得られる事から、コロンビア人の旅行需要は結構高いらしいのです。


メタ州とチョコ州のブース
残念ながらコロンビア国内の多くの部分は未だ治安状況が悪く、旅行業者たる私の立場をしても、国内を陸路移動したり都市部以外の町へ日本人旅行者の方々が安易に立ち入る事には一貫して反対の立場を取っている訳ですが、それとは別に毎年この博覧会に出展する国内各地のブースを見て回ると「こんな観光スポットがあるんだ」と驚かされます。
上記画像の左側・メタ州は首都ボゴタを擁するクンディナマルカ州の隣にありますが、ここは治安情勢からすると
陸路移動にはリスクを伴う地です。が、このメタ州は牧畜と農業の一大産地であり、女性がかぶるカウボーイハットがまさに合う「東方大平原(LLANOS
ORIENTAL)」を抱える広大な土地柄です。
また、先日のパナマ旅行記で「この地には原住民がいるのでは」と暴言を吐いてしまった国内北部の「チョコ州」
からも観光客招致のブースが開設されていました。といっても、縦に長くパナマ国境を抱えるこの州へは殆ど空路移動手段がないという悲惨な状況から改善しない限り、チョコ州の発展は難しいかもしれません。
5,000メートル級の雪山を抱える「カルダス州」と、世界遺産登録都市「カルタヘナ」
今年の博覧会出展ブースのうち、一番来館者が多かったのが「コロンビア国内館」だったように見受けました。
この場で全てをご案内できないのが残念ですが、小さな州の無名に近い町に実は素晴らしい観光スポットがあったり、国内外に知られている観光都市に関しても知らなかった事があったりと、この博覧会ではいつも新鮮な驚きの連続となります。しかし、国内の陸路移動や小さな町への立ち入りについて基本的に反対の立場を取る私が、旅行博覧会において国内各所について知識を得ようとしているのは矛盾しているではないかと、お叱りの声もあるかもしれません。
これは私の本音ですが、コロンビア国内には世に知られていない素晴らしい観光名所がまだまだ沢山あるのに、それを「治安情勢」という壁が阻害しているのが残念でなりません。
コロンビア国内を安心して陸路移動する事が可能になるのはいつの事か、それは誰にも分かりません。ただ、そのような情勢とは別に、コロンビアという国の中には隠れた観光名所がいくらでもある事をいつも再認識させられるこの旅行博覧会は、IDカードを発行された業界関係者のみが入場できる事を付け加えると共に、いつか我々旅行業者がコロンビアという国を大々的に宣伝する為の勉強の場とも言えそうです。
次回につづく
Copyright (C): Kenichi Arai
コロンビア旅行博2004