未知の国・コロンビアからの便り (51)
読者の皆さん、こんにちは。
昨年も当地を訪れた日本の某大学教授ご夫妻が竹建築視察の為今年も当地を訪問され、私がガイドとして本場・マニサレスへご案内の為出張しました。今回から数回、文教都市・マニサレスをご案内します。


マニサレス空港ターミナル。空港前広場にはバナナの木が。
マニサレス空港は首都ボゴタからプロペラ機でおよそ50分。山中にある為度々霧に覆われ、その際には閉鎖するという小さなものです。最近、ボゴタ以外にメデジンへも空路が開かれました。
首都ボゴタとの標高差はおよそ500メートル。空港に降り立った途端、心地良い暑さを感じる地です。


山間に広がるマニサレス市の中心部
空港から市内まではタクシーでおよそ20分。空港から乗車する場合には市内の中心部であれば一律7,000コロンビアペソ(およそ310円)に統一されているようです。マニサレスのタクシーは、悪質で有名なボゴタと違って大抵のケースでどのドライバーと料金交渉をしてもほぼ同様の金額を言ってくる為、ぼったくりはあまりないように思われます。
我々は今回近郊へは出ませんでしたが、マニサレス市街地から離れると、そこは国内有数のコーヒー生産地帯です。コーヒーが産出される条件としては、適度な湿度と寒暖のブレが少ない事、そして心地良い気候帯である事が重要な要素ですが、マニサレスはまさに快適な地と言えます。
これはあくまでも私だけの俗説ですが、コーヒー地帯にはなぜかヨーロッパ系の顔立ちをした美人が多いように思われます。下心などなしで客観的に見ても、マニサレスのような山間の小さな町に何故これだけ美しい顔立ちをした女性が多いのか、とても不思議に思います。町の場末のカフェテリアや普通の商店などで一瞬目を見張るような若い女性に遭遇する事も少なくありません。私の個人的意見だけを述べると、寒冷地帯のボゴタ女性は土着民族系の顔が多く、逆に温暖なコーヒー地帯の女性の顔は上品に見えます。

急勾配の道に並ぶ民家
マニサレスは「坂の多い町」として、国内ではよく知られています。実際に車で町を移動すると、その急勾配の角度に驚かされます。坂を下る時などはまるでジェットコースター並みの急角度です。下る時はまだ楽ですが、これを徒歩で上るとなるとそれはもう大変です。何しろ車でさえ難儀する位ですから。


カルダス州及びマニサレス市の中心、カテドラルと州庁舎
人口およそ30万人超のマニサレス市の政治的中心が「ボリーバル広場」であり、その周囲を「カテドラル」(大聖堂)とつい最近修復をほぼ完了した州庁舎が向かい合う位置で建っています。
日中は何をするでもない人達がこの広場を行き交い、雑談にふける光景が目に付きます。周囲には銀行その他のオフィスビルが立ち並ぶカルダス州経済の中心とも言えそうです。午後6時に大聖堂の前を通り過ぎたところ、スピーカーから大音響で州歌もしくは市歌と思われる音楽が一帯に響き渡りました。その音たるやすさまじいものです。


当時の状況に復元されたロープウエイと木製のケーブル塔
市内のメインストリート、Carrera23を市の中心部から外れに向かうと、Calle65のあたりで木造の駅舎らしきものが目につきます。これはその昔、1920年代から40年代まで実際に旅客運行していた「ロープウェイ」の跡地です。通称カブレ(Cable)と呼ばれています。
道路を横切るように、ロープウェイに乗った人間の像があります。運行に使われていたのはまさに「スキー場のリフト」そのものです。といってもその運行距離たるや半端ではありません。何と!総全長73kmにも及んだそうです。
これは英国人技術者によって完成したもので、当時は「石炭」を燃料に蒸気の圧力を動力としていたそうです。これはまさしく「蒸気機関車」の原理です。ガイドさんの説明が今ひとつ曖昧だったので確実な話ではありませんが、マニサレスから「マリキータ」(Mariquita)までおよそ18の「駅」によって結ばれていたそうです。
もちろん、そんなとてつもない距離は一台の動力機ではカバーできませんから、途中の駅ごとに動力室がいくつも
あったそうです。それでも途中で止まってしまったり、果ては乗客が落下する事故が相次いだ事から、1940年には旅客輸送を禁止し、もっぱら荷物運搬用になったそうです。
右の画像は1984年に現在の場所へ移設された高さおよそ53mにもなる「木製の塔」(Torre
Herveo)です。
何本の木で組んでいるのか聞いた説明を忘却してしまいましたが、基礎部分以外は全て木材で出来ている珍しい塔です。塔の上には当時そのままにロープ中継部がかかっています。この塔が山間部にいくつも設置され、総距離73kmにもなった次第です。工学部教授氏のマニサレス訪問目的の一つが、この木製の塔を視察する事でした。
次回につづく
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マニサレス−1−