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未知の国・コロンビアからの便り (58)

読者の皆さん、こんにちは。

首都ボゴタの空港へ日中到着する際、最終着陸態勢に入る頃になると眼下に多くのビニールハウスを見る事が出来ます。私は日頃から「この中を一度見てみたい」と思いながらそのチャンスがありませんでしたが、この度JETRO(日本貿易振興機構)ボゴタ事務所様のご厚意により、ついにその機会が実現しました。
これは、JETRO在外事務所発信の「通商弘報」(リンク情報ページ参照)取材時に同行を許可された為です。
この場をお借りして、ボゴタ事務所長氏に対し失礼なお願いをしました事、心より謝意を申し上げます。

コロンビアの特産品と聞いて「コーヒー」と思い浮かべる人は通常ですが、「切花」と即答できる方はあまりいらっ
しゃらないのではないかと思います。コロンビアはオランダに次ぐ世界第二位の切花生産国、その中でもカーネーションは世界一を誇ります。ニューヨークやロンドンの街角で花に囲まれながらカフェを楽しむ、そこにコロンビアが関わっている事に気がつく人は少ないのでは。
対日輸出も昨年は全体で2,000万ドル以上の売上があったと報道され、今後の成長が期待されます。

今回訪問したのは、業界では中堅に属するLa Gaitana Farms社です。およそ60haの敷地面積を持ち、約350人
(うち80%が女性)の従業員を雇用しカーネーション・バラ・アストロメディア・Hipericumなどを生産し、日本の他に
北米・欧州などへ輸出しています。日本向けはその殆どがカーネーションです

La Gaitana Farms社のビニールハウス群の一区画

私自身は以前にメデジン市郊外のSanta Helenaというこれも切花の一大生産地で巨大なビニールハウスを訪問
させて頂きましたが、ここまで大きな「産業」になると一部企業秘密が絡んでくる為限られた範囲でしか撮影できませんでしたが、こちらでは自由に撮影をする事が出来ました。
La Gaitana Farms社では、コロンビア切花協会(Asocolflores)が推奨する「FLORVERDE」と呼ばれる、環境に配慮
した生産体制を遵守しており、莫大な消費を要する水は雨水を貯めて使用したり、散布する農薬の検討や有機
農法を徹底、ゴミの分別などにも心掛けています。

"もみ殻"を使った土壌での作付け風景

手作業での球根の植え付け

本来は"企業秘密"なのかもしれませんが、撮影許可が出ていますので皆さんにご紹介します。
画像左が"もみ殻"による土壌です。もみ殻を使う事により、通常の土壌に比して害虫や有害菌の発生が抑えられるとの事。画像右側は手作業での球根の植え付け風景です。ビニールハウスの中は、低温サウナに近いような
ムッとする暖気に包まれていました。

そしてこちらが出荷を控えた"カーネーション"達です。ひょっとすると巨大なビニールハウスにはこれらの花々が"咲き乱れている"と思われた方々もいらっしゃると思いますが、実際には殆ど「つぼみから少々開花した程度」のまま出荷される事が常です。ですので、ここで満開の花々に出会う事は期待できません。

詳しいご案内は後日改めて致しますが、仕向け先により出荷する際の花の開花状態は重要な要素となります。これは1-5段階まであり、例えば最も遠い日本ですと時間もかかる事から、つぼみから僅かに開く感じの1-2。欧州
向けですとこれが更にちょっとだけ開いた2-3、アメリカ向けは短時間で到着する事から更に開花が進んだ3-4の
段階で出荷します。
いずれの仕向け先においても、切花が到着して暫くして商品として一番見栄えするように、逆算して出荷する必要があるのです。
この為、後にご案内する「集荷場」にはこれらの基準を絵にして大きなパネルで掲げられていました。

意外なお話を伺ったのが「ロシア向け」。
ロシアは実は花の一大消費国だそうで、とにかく普段の生活に花は欠かさない事情から、「質より量」を重視する
らしく、その為ロシア向けの切花だけは"満開"のものがボゴタから輸出されるのです。
輸送途中で「格落ち」してしまう筈ですがそんな事は気にしないらしく、最後に出荷場を見学させて頂いた際もロシア向けだけは独立した一角があり、そこだけが"満開の切花"に包まれていました。

ちなみに、当地コロンビアから日本向けに出荷される切花の殆どがカーネーションですが、話によると日本で出回
っているカーネーションの80%程度がコロンビア産らしいです。上記画像はいずれも日本向け対応種だそうです。
日本の場合、原色よりも"曖昧色"つまり何となく色付いている方が人気があるらしいです。

そのような事で、これより数回「花の国・コロンビア」から満を持しての報告をします。結構熱が入るかも。

 次回につづく

Copyright (C): Kenichi Arai

世界の街角へ、コロンビアの切花−1−