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当地ボゴタに来られて告別式の場面に出くわしたならば、見事な花輪をくくり付けた車列を容易に見かける事ができるでしょう。時にはアクシデントでくくり付けた花輪が落ちてしまい、道の真ん中にそれは綺麗なバラの花びらが舞い散っている光景すら見かけます。
告別式を「見学」するというのも気が引けますが、コロンビア・ボゴタならではの「花々しい別れ」は私にとり「異文化の象徴」の一つでもあります。

 次回につづく

Copyright (C): Kenichi Arai

私はそれ故にタイトルに当て字を用い、「花々しい」と記述しましたが、基本的には故人との別れは世界中どこでも
悲しいものに変わりないと思います。ただ、それを「悲しみに包む」か、「賛辞を持って華々しく送り出す」かの違いで
しょう。

ちなみに、コロンビア国内でもボゴタ以外の都市で同様に大輪の花輪をくくり付けた車列に出くわすかどうかは存じ
ません。私が思うに、見事な花輪をもって送り出せるのは、当地ボゴタが冷涼性で湿気を伴うムッとした暑さがなく、花輪自体も数時間どころか数日耐えられるだけの気候帯という好条件が重なっている為とも感じます。

以前ガイドとしてお相手をした事があるアマゾン地帯・マナウス(ブラジル)日系企業駐在員の方のお話では、現地で切花を購入してもその命はほんの数時間で、一日経つと萎れてしまうそうです。
切花はそれだけデリケートなもので、高温多湿の地域ではその寿命が短く、これら大事な儀式には使えないのではと思います。

私は当初、これは結婚式かと思いましたが、よく見ると「霊柩車」が駐車しており、話を聞いたところこの後に郊外に
ある墓地へ向かい、棺にこれらの見事な花輪を添えて別れを告げるとの事でした。なるほど、世界的な切花生産国
だからこそ有り得る話だと納得しました。

ちなみに、これはコロンビアだけではないと思いますが、当地では告別式の終了時や棺の埋葬時に参列者が"鳴り
止まぬ拍手"で最後の別れをします。
別れの理由は、天寿を全うしたケース、そしてテロその他で不慮の最期を遂げられたケースなど様々ですが、彩りも鮮やかな花々をもって生前の功績を称え、大きな拍手をもって天に送り出すこの国の習慣は、日本では絶対に有り得ない素晴らしいものだと常々感じます。

読者の皆さん、こんにちは。

以前にコロンビアの切花生産事情をご案内しましたが覚えていますでしょうか。
コロンビアは世界第二位の切花生産国。そんな事もあって、街中では各種切花がとても安価で手に入ります。
当地では様々な場面で花が欠かせません。結婚式・葬儀、そして普段自宅にお客様を招くごくささやかなシーンでも花は重要なものです。

そんな中、私がいつも「これはコロンビアらしい」と思うのが、告別式に多用されるとても華やかな花輪です
日本では悲しい場面では必ず「白系」の花と決められていると聞き及んでいますが、当地の事情は全く異なります。

そもそも、日本では「死を悲しむ」という事が前提になる為、派手な飾付け、赤や黄色などの派手な花々はご法度とも言えますが、こちらでは「生前の功績を称える」という事が概念にあるのかもしれません。
客先訪問の為に歩いていると途中に教会があり、そこには一日に数回の割合で告別式が執り行われますが、目の前に駐車している車にくくり付けられた花輪は、それは見事です。

未知の国・コロンビアからの便り(78)

花々しい別れ

参列者用のバス前面に据え付けられた花輪(Corona)。直径およそ1メートル、全て本物の花を使用しています。

花輪の相場は千数百円程度から各種