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トイレの蔵書

 

最近はブログの方が頻繁に更新しています。こちらのページよりどうぞ。
「お散歩日記」は
こちらです。 ● ●

「書斎の読書」というコンセプトがキライなわたし。逆に、読書は常に移動と意外性とともにあると信じています。ゴダール映画の登場人物たちが本を読んでいる、あの疾走感がたまらずに好き。
ところで、昔、音楽一家に育った友人が言いました。彼のお父さんは毎朝トイレで小林秀雄の「モーツアルト」を読んでいる、それがお父さんの長年にわたる朝の日課であると。トイレが長いわけでもないわたしが、トイレの蔵書に目覚めた瞬間でした。

 

■Essential Guide to Singlish■

仕事で生まれて初めてシンガポールに行った。ゴハンはおいしいし、夜は眠らないし、南国の良い都市であった。深夜のホテルに到着したとき、アジェンダの書類といっしょに出迎えてくれたのが、この楽しげな「シングリッシュ」のガイドブック。
間延びしたトーンで発音される「オ〜ケ〜ラ〜」はなんとなく知っていたが、それは一角に過ぎず、英語が土地の人々の気質や風土や文化や高い気温、湿度の作用を受けて独特に成長を遂げた変化の体系がここにあるのだ。時にはもはや英語とは言いがたいほどの変貌も遂げているようである。(だから英語じゃなくてSinglishなんだけど!)トイレで時々眺めながら次回のシンガポール行きに備えようと(次回は仕事ではなく)思って、トイレの蔵書に加えよう。 _April2006

 

 

再読希望!

本棚も人生ももう一度読みたい本で満ちている。「ドン・キホーテ」「薔薇の名前」「やし酒飲み」などなどなど。

あな楽し哉、博物学

ロバや野うさぎを素朴なフランス語で描写したルナールの「博物誌」も博物学なら、マルコ・ポーロの「東方見聞録」も博物学の産物なのだ。

装丁買い!

美しい装丁の魅力には抗いがたい。ちょっと抗ってはみるけれど、無駄な抵抗である。かくして、今日も衝動買いはとまらない・・・。

ヨーロッパはまだまだおくが深い

遅刻のイェッタトーレってなに?ドイツ人の夏休みが2ヶ月もあるって知ってた?などなど。まだまだ追加していきます・・・。

わたしの好きな本屋さん

南阿佐ヶ谷の書原、国立・銀杏書房、京都・三月書房、バルセロナのあの本屋、マドリッドのこの本屋・・。

怖い本

江戸川乱歩、エドガー・アラン・ポー、夢野久作、ラブクラフトから「ぼっけえきょうてえ」やドストエフスキー、カフカまで。

 

■話題のベストセラー・・「Little Black Sambo」■

復刊が話題を呼んで、ちびくろさんぼはベストセラー入りする勢いだ。でも、こちらは絶版騒ぎになるずっと前からトイレの蔵書として大切にしている1冊。もうひとりの男の子Quibbaの版だってあるもんね。(ちょっと自慢)
復刻版は作者ヘレン・バナーマンの挿絵ではなく、フランク・ドビアスという人のもの。たぶん日本の読者にはこちらの挿絵の方がなじみが深いのだろう。かく言うわたしも子供の頃は岩波の絵本で親しんだ。でも、今ではだんぜんこちらの絵が好み。特にBlack Mumboママの笑顔が最高なんですけど。
誰かがレビューで、「昔読んだ版ではホットケーキはもっとおいしそうだった」と書いていたけど、おとなになって想像力が乏しくなったのでは、と思う。_June2005

 

 

■発掘!・・「愛と同じくらい孤独」フランソワーズ・サガン■

最近(2004年11月)トイレの本棚を買い換えて本を移動した。そのときに発見した何冊かの1冊。思えばわたしのフランス好きは、中学生の頃まとめて読んだサガンに端を発する。「悲しみよこんにちは」を皮切りに「ブラームスはお好き」「優しい関係」「熱い恋」など当時新潮文庫から出ていたシリーズを軒並み読んだ。この本は当時はまだ出版されていなくて、おとなになってから読んだ。翻訳者も定番だった朝吹登美子さんではなく、朝吹由紀子さんという人である。(娘?)これは数多いサガンへのインタビュー集を本人のチェックを交えて1冊にまとめたもので、原題はあっさりReponses。「愛と同じくらい・・」は翻訳者の力量だろう。フランス好きにはこたえられないフランスの香りがプンプンするタイトルである。「世界の中心で愛を叫んで」いるような子供文化が占拠している国とは相容れないセンスである。

 

■発掘!・・「青い絵具の匂い(松本竣介と私」中野淳■

こちらも棚を置き換えた際に発見した1冊。文庫本だ。著者については何も知らないが、松本竣介は昔からわりと好きな画家のひとり。このあたり(下落合)にアトリエを持っていたらしいので、親近感も抱いている。画家をその人らしいカラーで表現する試みは楽しい。松本竣介はやっぱり青だろう。あのくぐもったような独特の青だ。同じ青でもイブ・クラインの青はまた全然違う。ウルトラマリンブルーと呼んだらよいのだろうか。そのほかゴッホは黄色、ゴーギャンはあの土っぽいオレンジ、マティスは赤、ルドンは水色、マネは黒、クリムトはゴールド、というように・・。

 

■発掘!・・「ラディカルな意志のスタイル」スーザン・ソンタグ■

こちらも棚を置き換えた際に発見した1冊。(カバーがしてあって長らく忘れられていた。)最近「ブックストア」を読んで、80年代に抱いていたスーザン・ソンタグへの憧れが復活。次回のタイミングで何冊か購入しようと思って、この本もamazonのカートにいれてあったところだった。
なんたってタイトルがカッコイイ。でも、過去の私もどうも読了はしていないようである。さて、いつ読もうか。(会社辞めて本読みたい!)

 

■発掘!・・「オイスターブック」M.F.Kフィッシャー■

発掘第4弾は牡蠣をめぐる愛すべき随筆集。
実はわたしは牡蠣がニガテである。酒飲みとして恥ずべきこととは思うけど、苦手なんだからしかたない。だけど、はなっから受け付けないのではなく、香りは素晴らしいと思っているし、おいしいんだろうな、きっとわたし損してるよな、という思いもある複雑なきらいかたである。こちらは一冊全てが牡蠣をめぐるテクストとレシピで展開される牡蠣尽くし。そもそもひとつの食材にとことんこだわった文学の試みというものがわたしは大好きである。味覚の表現は文学の大きな(そしてわくわくする)試みのひとつ。おいしい食事は味覚で楽しむばかりではなく、読書の楽しみとしても成立するものなんである。
ところで、このフィッシャーという人は米国では著明な食文学作家なんだそう。彼女のほかの著作では、How to Cook a Wolfというタイトルがいたく気に入り過去に購入している。どういう意味が込められているのか興味シンシンだったが、どうも戦時中、苦しい時代にいかに食卓をにぎわすか、という知恵をまとめた本なのだそうだ。

 

■現在我が家の冒険指南書・・「レストランをめぐる冒険」小石原はるか■

かえるさんの指令を受けて急遽amazonで購入。安くておいしくて、その上量がたっぷりなことで有名な高田馬場のフレンチ「ラミティエ」を教えてくれた人が、この本をすすめてくれたそう。わたし達はまずはラミティエを攻略。1ヶ月くらい前に予約を入れて、その後は店で次回の予約を入れる、という流儀にのっとり、数回通ってお店の人とも仲良くなった。最近のかえるさんはおトイレにこもって次に攻略する店を検討中の日々。

 

■この一言に酔いました・・「ギムレットには早すぎる−レイモンド・チャンドラー名言集」郷原宏編集■

前からトイレの蔵書だったんだけど、あらたに取り上げてみる。I suppose it's a bit too early for a gimlet・・・あまりに有名な「長いお別れ」の名場面。フィリップ・マーロウや彼を取り巻く人々の、かっこいいとしか言いようのないセリフの数々は、今夜の一杯の絶妙なアクセントになるでしょう。文学や映画の、現実に使ったら歯が浮くような名セリフ(そしてその名訳ぶり!)は、引用されることによって、会話ばかりか人生を多重に、複雑にしてくれます。チャンドラーに多いのは、やっぱりお酒にまつわる名セリフ。お酒ってお酒とそれにまつわる全てなんですよね。だから止められません。

 

■マクルーハン三たび現る・・「マクルーハン」W・テレンス・ゴードン■

マクルーハンはかっこいい。マクルーハンは難しそう。メディア社会の熱烈サポーター(たぶん)・マクルーハンはわたしが知っているだけで3回流行しているが、どのタイミングにも乗り遅れ、とうとうこんなビギナー向け解説本まで買ってしまったが、結局読んではいない。でも、エキスを吸うだけでも、ま、いいか。

 

■「犬の記憶」 森山大道■

最近流行りのご様子な森山大道。「犬の記憶」はわたしの好きな作品集だ。先日青山ブックセンターでトークショーに申し込んだけど、行かれなかった。川崎市民ミュージアムでも今個展をやっていて、出来れば行きたいと思っているのだが。

 

■日本男児の意地と愛嬌・・「面白半分」 宮武外骨■

内容そのものの面白さもあるけれど、時代を感じる文体や表記(特にカタカナの使い方)が新鮮。挿絵もスコブルよろしい。今、これを書くために外骨のプロフィールを読んでびっくり。歴史上の人物のように思っていたが、明治維新の前年に生まれ、1955年まで生きていた人なんだ。戦後も体験したのですね。権力揶揄による入獄4回、罰金、発禁などは29回に及ぶ、とのこと。いいですね〜!

 

■巨匠が対談・・「音楽」 小沢征爾VS武満徹■
これはかえるさんお気に入りの1冊。ときどき思い出したように読んでいます。その昔、今はなき情報誌“シティーロード”(Fanでした)のプレゼントで当たった文庫本。でも、わたしより、かえるさんが熱心に読んでいる。

 

■骨太な料理本 ・・「1080 RECETAS DE COCINA」 Simone Ortega■

この本はスペイン家庭料理本の大御所・ロングセラー。スペインでは母から娘に引き継がれ語り継がれる永遠のロングセラーだ。米、ブタ肉、アーティチョーク、などのように食材から引ける索引がとても便利。手順を示すような写真もなく、あまりに大雑把なイラストが描かれているだけの、いたって骨太・実直な実用書。

 

■いつ見ても楽しい・・「ブリューゲル−さかさまの世界 」■
ボッシュやブリューゲルの作品は、眺めれば眺めるほど新しい発見があるので、この本はこうしてもう長いこと、ここにいます。

■「ユリイカ」の田中小実昌特集号■
どこにでもバスで出かけてしまう田中小実昌さんがおかしい。課題そのX: いつの日かダブリンに行き、彼が辿った路線バスに乗って、彼が立ち寄ったパブで飲みたい。

■マニアだっていいじゃないか・・「古本とジャズ」植草甚一 ■
カッコイイじいさん、のひと言に尽きる植草甚一さん。
といっても今の若い人も知っているんだろうか。

 

■今夜のワインに合わせるチーズは・・「QUESOS ESPANOLES」再びSimone Ortega ■

スペインにおける料理本の老舗的存在Simone Ortegaによる、こちらはチーズの本。やっぱりトイレの愛読書には断然レシピもの、料理本が多い。今晩の献立を考えたり、今晩飲むワインについて考えるにもちょうど良いスペースだ。ほかにも「20分で出来るおいしい晩ごはん」(村上祥子)「ひとり分のおかず」「粗食のすすめ」他。

 

■チェコ万歳・・「ビールと古本のプラハ」千野栄一 ■
チェコといえばカレル・チャペック、チェコといえばヤン・シュワンクマイエル、そしてチェコといえば、なにを置いてもまずカフカ!・・・プラハといえば古本、プラハといえばアニメ、そしてプラハといえばビール!
チェコスロバキアという国がまだひとつの国で、遠い存在だったときから、わたしにとってその文化は憧れだった。しかし、プラハを訪れた1988年(壁崩壊の前夜)、歩けど歩けどビールはなかった。ガイドブックに載っていた老舗のビヤホールはたしかにあったけど(老舗も老舗、1400年代の創業の世界遺産的ビヤホールだったと思う)、生活になじんだ普通のビール屋さん、というものにお目にかかれなかった。壁崩壊後書かれた本書によれば、今や雨後のたけのこのようにあちこちにビヤホールがあるとのこと。古書も日本でも目にするようになってきた。筆者はチェコ文学では有名なこの方。あれこれの翻訳書でお世話になっています。

 
■「メロンのじかん」 まどみちお ■
いわゆる詩はあんまり読まないわたし。でも、まどみちおは好きです。好きになったきっかけは「するめ」という詩。昔、湘南の友人の家に遊びに行ったとき、わたし達は海岸を散歩して、するめやその他の焼き魚のニオイが漂ってくるのを酔い心地で嗅ぎわけながら、さて今夜の酒のさかなはなんにしよう、と物色していたときでした。「こんな姿になっても、まだ海をなつかしがっている」っていうまどみちおのするめの詩知ってる?と彼女が言いました。「それっていいね!」とわたしは答えたのでした。
メロンは彼の飼い犬です。何年か前は存命を確認していたまどみちおさん、今はどうしているのだろう。そして、メロンは?
 

■一茶句集■

詩はニガテ。でも、俳句や和歌は大の大好き。ことこの分野に限っては、一茶、蕪村、芭蕉、山東火、そして西行はたまた石川啄木など、思いっきりメインストリーム好みです。あ、寺山修二の和歌もいいな。
俳句や和歌の英訳というものがあるけれど、この感性、リズム感を日本語を母国語としない人に伝えるのはむなしい試みだと思う。冬の訪れを感じるこの季節になると必ず心を去来するのは、蕪村の「葱買うて・・」という句。最近小林一茶もとても好き。一茶の味は中年になるまで気がつかなかった。

 

■「うだつ〜その発生と終焉」中西徹■

読もう読もうと背表紙を楽しみに眺める日々。こういう本は持っている、と自覚するだけで楽しい。二階堂出版とかいう大阪の出版社が出しているのだが、もう絶版なのでは、と思われる掘り出し物風一冊。阿佐ヶ谷のとある古書店で他のいくつかの本といっしょに購入した。レジで店主に「これはいい本ですよ。いい買い物しましたよ。」と言われた。Amazonはカスタマーサービスはなかなか鋭いけれど、そしてそれに乗せられてさらに買い物してしまうことも多いけれど、でもAmazonでの買い物にはこういう会話の楽しみがないんだよな。ところで、うだつとは一時期の日本家屋にあったある部分のことです。知らなかった!

 

■「インドの神々」■

キリスト教の一神教のきびしさには相容れないものを感じている。多神教のファジーさがなじんで好き。やおろずの神様を頼んできた日本人ですものね。
トイレにインドの神様が宿っている、と(カン違いでも)考えるのが楽しい。インドにもたくさんの神様がいるゆえ、トイレの蔵書にぴったりなのです。ちなみにわたしの現在のお気に入りはハヌマーン。孫悟空のモデルにもなった、サルの神様です。

 

■博物学的興味■

「博物学」って今も生きている学問なんだろうか。きっと情報も学問も細分化されている現代、博物学は文学や考古学の一部門みたいにになっているんだろう。
ルナールの「博物誌」は、言葉によるスケッチといった試みで、そのうち原作を読みたいと思っている一冊。食虫植物も興味のあるテーマ。
よろしければ、「あな楽し哉、博物学」もお読みください。

 

■「山の上ホテル物語」常盤新平■

いつかは泊まってみたい山の上ホテル。特にたたみの部屋に風情があるようです。小さなバーもとてもすてきですね。眺めていればそのうち宿泊のチャンスもあるかな、と。

 

■Che Guevara■

Jean Cormierとかいう人が書いた「革命の友、チェ・ゲバラ」というゲバラ入門書のスペイン語版。行き当たりばったりのページを開いて、たまにつまみ読みする。
生誕何周年とかんで、しばらく前からゲバラは日本でもプチブーム。この間偶然書店のゲバラコーナーの前にたたずんでいたら、後ろを通りかかった若いカップルの会話が耳に入った。
男の子「こういう風にゲバラをファッションにしてしまうのって良くないよなあ」
女の子「誰それ」

 
  ■かえる読書
  ■かえるキッチン