Millennium CentreはCardiff Bayに2004年11月末にオープンした、Welsh National Operaの本拠地。さっそく2004年12月13日に行ってみる。
チケットをWebで購入しようとしたが、何度やってもどういうわけかエラーになる。(カーディフのインターネット経由のチケット販売はこういうのが多い)。なので直接窓口へ行ってみる。チケット売り場へ6時に着いて今日のチケットがあるか聞いたら残っているという。この日やっていたのはこの一ヶ月ほぼ毎日やるプログラムですし、そんなに人気があるという内容でもないと思うので平日月曜日の晩に満員ということはないだろうという予想の通り。この日のチケット料金はパンフレットによれば5〜35ポンドのはずだが、どこがいいとも聞かれず10ポンドだという。当日券はどの席も一律10ポンドなのでしょうか?安くてお得だけど未確認。ついでに翌年の2月以降のオペラの席も買おうと思ったら、どれも5ポンドの立見席のみしか残っていないという。5月にやるVerdiのRigolettoが少し余っているというのでそれを購入。端の席しかないと言われたが、端末をたたくと比較的いいところの25ポンドの席があったのでそれを購入。一人だったからでしょうか?残りのプログラムも、1月以降にキャンセルがたぶん出るだろうから、そうしたらそこを販売するという。口ぶりからすると、予約後に料金を払わない客が多いと予想しているのか。また1月に行ってみよう。
見たのはDonald Gordon Theatreという名前のオペラもやる1900席のホール。ほかに250席のホールなどがあるそうだ。15年前に何度も通ったウィーンの国立歌劇場に比べてはいけないですが、小ぶりの劇場です。ただ、内装は木目調でなかなかおちついたデザイン。親方はキンキラキンのデザインは好きではない。席は一番前から8列目のほぼ正面。10ポンドの当日券とは思えないいい席です。5月のオペラの席が同じ列の端に近いほうで25ポンドですからお得でした。客の入りは前のほうは9割ほどか。見たのは、"Cirque Eloize"というグループの"Rain"という演目。単なるサーカスではなく、劇の要素や音楽も入れたパフォーマンスというべきでしょうか?7時半開演で約25分の幕間をはさんで終わりは9時40分。歩いてのんびり帰ると、途中で市の中心方向へ向かうバス6番とCardiff Queen Street方面へ行く電車が見えたが、両方ほとんど空。来ている人の大多数は自家用車で来ているようでした。
Millennium Centreで気になったのがみっつ。ひとつは大多数の人がクロークを使わずにコートを席まで持ってきていること。親方の経験ではヨーロッパでは大概ちゃんとクロークを使うんですけどねえ。もうひとつは幕間にホールの中でアイスクリームを売っていてみんなで食べていること!普通は汚れるから嫌がるだろうに。最後は、親方の左側二人組、右側二人組とその向こうの二人組、この全員が実際に持っているチケットの席と少しずつ違うところに座っていたこと。わけがわかりません。席にちゃんと番号は書いてあるんですけど、見ないで空いているからここだろうって座っちゃっているみたいなんです・・・。
12月13日に買ったチケットでオペラを聞けたのは翌年5月23日。今日の演目はWales National Operaの演奏でオペラRigolettoリゴレット。ヴェルディ作曲の有名なオペラのひとつ。リゴレットの名前は知らなくても、中で歌われる「女心の歌」なら知っている人が多いだろう。カーディフのほかのクラシック系音楽は満員にはなかなかならないようだが、オペラだけは人気が高いので早めにチケットを購入しないとダメ。特にMillennium Centreのこけら落としシーズンだからかもしれないけど。もっともプログラムを見ると、このオペラはカーディフだけではなく、Swansea、Bristol、Llandudnoなどでもやるので、そちらで聞く方がチャンスが高いかも。席に行ってみると、なんと横の方とはいえ前から二列目。こんな前でオペラを聞くのは親方は初めて。25ポンドだった。12月のサーカスとは違い、オーケストラボックスのスペースがあるので同じ列だけど、前から二列目になる。プログラムは席への案内係が売っていたりするけど、ここでは階段を上がったところで売っていた。3.50ポンド。7:15開演と少し早めの開演。結構遅れた人が多く、一番初めはずいぶん空席があり、幕間に入れていた。オペラだし、スーツなどきちんとした格好の人が大多数だが、ジーンズの若い人やポロシャツの高齢者も少数だがいる。隣のおばさんもサンダルだった。ドレスまで着ている人は少数。結構服装はラフでもいいみたい。勧めませんけど。開演時間から少し遅れて会場の照明が落とされたと思ったら、指揮者が入ってこずに、舞台の袖から一人でてきた。いわく、メインの歌手の一人(Mantuaマントヴァ公爵役)が今朝胃痛で倒れ、急遽English National Operaの歌手が代役を引き受けてくれてロンドンからやってきたのだそうな。
それからようやく開演。英語でやるのかと思っていたが原語のイタリア語で、英語&ウェールズ語字幕つき。もっとも舞台の上に表示され字幕は、前方の親方の席からは見上げないと見えず、あまり快適とはいえない。もっと後ろならいいのだろうけど。親方はオペラの巧拙を評価できるほどの耳はないが、親方には十分楽しめた。どの歌手もよかった。終演後もずいぶんブラボーが飛んでいた。演出は三幕目の光と影をうまく使ったのはよかったが、服もセットもすべて現代風というのはいかがなものか?16世紀の話のはずなんだけどねえ。公爵のパーティーが皆ブラックスーツに蝶ネクタイってのもねえ。殺し屋が使うのはサイレンサー付の銃だし。意図はわかる。二幕目の執務室(本来は宮殿)には星条旗がかかっているし、三幕目の公爵は胸に星条旗のスタジャンだし、なんでも思い通りにならないと気に入らない某超大国の某大統領を好色で女たらしの公爵になぞらえて批判するのはいいと思う。それはわかるけど、やはりオペラははじめから虚構の世界であり、徹底的に虚構にするためにも中世のカツラや衣装、セットなどのかもし出す雰囲気がいいと思うのだが。この辺は個人的な趣味。もともとこのオペラの原作はヴィクトル・ユーゴーの反王朝的な本で、検閲にあって名前と舞台を変えてようやく上演できたという曰くつきオペラですからねえ。それと幕間が長いのが問題。三幕もので一幕目と二幕目のあとにそれぞれ休憩があるほか、一幕目の途中でも舞台場面を変えるために10分弱ほど中断。おかげで終演は10時半。

