プレゼンス  

(Last. 2004/04/07)
(First. 2003/12/01)
 メーカー  CLOCK UP  発売日  2003/11/28
 原画家  しのづかあつと、騎士二千、
 たかぴこ
 シナリオライター  とんび、池かなた、ORU、
 巽ヒロヲ、朝凪軽、たけうちこうた
 桑原文彦、無頼寿あさむ、
 池堂めぐる、佳丸祐子
 OS:Win98/Me/2K/XP  メディア:CD-ROM2枚  ジャンル:ADV  定価:8800円
 画面:800*600 FullColor  HDD容量:約900MB  BGM再生方式:PCM  音声:女性のみ一部
 ディスクレス起動:×  バックログ:ホイール対応  既読スキップ:○  オートモード:○
 キャラ別音量調整:×  セーブ個数:100箇所  クイックセーブ/オートセーブ機能 : ×/1箇所
 推奨環境:PentiumV1GHz以上、メモリ256MB以上  プレイ時間 初回/2周目以降 : 8時間/4.5時間
 ボーカル曲:OP 「WIND OF CRONUS」 (Vo.真理絵)
 声優:武島あや、吉川華生、島香麗子、涼森ちさと、乃田あす実、北都南
 修正ファイル(最新:セットアッププログラムVer.1.01)
   ・『プレゼンス』 のセットアッププログラムが起動しない場合の補助ツール
 修正ファイル(最新:Ver.1.01)
   ・一部の環境下において、
     ○ゲーム起動直後にエラー終了してしまう。
     ○ムービー再生終了時にエラー終了してしまう。
     ○サウンドが正常に流れない。
     ○バックログで一部文章の表示が乱れてしまう。
   不具合を修正。

 あらすじ

    それでも君は、僕を忘れてしまうのか・・・

 平凡な町並みが続く、ごくありきたりの風景、日々平穏に続く毎日。
 主人公はそんな日常にうんざりしているごく普通の青年。

 非現実的な冒険を夢想する彼が、ある日見知らぬ少女との出会いをきっかけに
 絶え間ない「日常」が、抜け出せない「悪夢」となって襲い掛かる・・・。

 繰り返される「一週間」。
 ある日を境に、自分だけがその「刻」の中に取り残されてしまった。
 それは何の変哲も無い主人公を「刻の歪み」が捕らえたからだった。
 何気なく繰り返される毎日。モノトーンに染まった世界。
 自分だけが過ぎてゆく時の流れ。
 決して訪れることの無い8日目の朝。
 延々と繰り返される「毎日」に疲れ果てていく主人公。

 そんな時、彼の目の前にあの不思議な少女が現れ、
 淀んでいた「刻」に変化を与えるのだった・・・。

                                  (マニュアルより転載)


 シナリオ 85点

 まずは純愛ルートについて。
 基本的にこちらの攻略は簡単で、
 見たいシナリオのキャラクター寄りの選択肢を選んでいけば、問題無くEDまでたどり着けます。
 そしてこの
純愛ルートのシナリオが、予想外にも出来良かったです。
 キャラクターの性格づけに成功してますから、キャラクターが生きてるのは当然として、
 物語の“特性”を生かしたシナリオ構成が、さらにキャラクターを際立たせています。
 どういう意味かといいますと。
 繰り返される一週間において、
主人公だけは“主観時間”を維持できる世界設定ですので、
 
“前の一週間”で体験した事象に関する記憶や、それまでに抱いていた感情を“次の一週間”に持っていける。
 つまり、
次の一週間では“主人公が(プレイヤーだけでなく)”次に何がおきるのか予見出来るし望めば回避も出来る。
 さらに、
選んだヒロインに対する“これまでの一週間”での気持ちも“次”に持ち越せるということは。
 ループにはまった当初はなんとも思ってなかったヒロインに対して、ループ内で関わりを持つことによって、
 相手の“不幸”に触れ、苦悩し、奔走し、無力感を味わい、悲しみに暮れ、
 それでも奮起し、思考し、策を練り、時には“現象”をも利用して、解決してゆく。
 そしてその過程において変わってゆく、相手に対する主人公の気持ち、想い。
 この辺のシナリオ構成が、非常に巧みに表現されていました。。
 キャラクターにもよりますけど、
相手を好きになっていく過程っていうのかな?
 
それが丁寧に判り易く表現されており、互いの関係を無理なく感じ取ることが出来ました。
 この点が、おそらくこの作品の最大の魅力ではないかと。
 ただ、シナリオライター複数の弊害か、キャラクターのシナリオそのもののクオリティは流石にまちまちです。
 優ちゃんと星野さんのシナリオは、結構出来良いんですけどねぇ。
 他の人たちは…話だけなら普通かなぁってくらいの出来か…な。

 陵辱ルートにおいては、上記の利点がそのままマイナス方向へ利用されてます。
 相手の行動を予測し、罠を張り、脅迫し、陵辱し尽くす。
 さらに、一週間を繰り返す事によって次からの効率が上がり、更なる陵辱も楽しむことが可能になる。
 例えば、1週目で火曜日に弱みを握り、それを水曜日に活用することによって相手を堕とすとするならば。
 2週目の主人公は、その弱みを使えば相手が堕ちることが判ってる訳ですから。
 結果として、2週目では火曜日弱みを握ったその瞬間から、相手を手に入れる事も可能となる、とか。
 えちシーンそのものの評価は“エッチシーン”の項目に譲るとして。
 こちらのルートも、
“前回”と“今回”の概念がしっかり導入されてますので、
 場合によっては
エッチシーンそのもののバリエーションが違うし、
 そうでなくても
シナリオは“前の週”とは完全に別モノになる。
 純愛ルートもそうだけど、とにかくシナリオのバリエーションが多いのが陵辱ルートの魅力ですね。
 また、優希ちゃんなんかは陵辱ルートの最後も良く出来てますから、シナリオだけでも楽しめますね。

 ただ、
ナイナス面もあります。
 ひとつは
誤字・脱字の多さ
 脱字や助詞の間違いも多いのですが、それ以上に気になったのが漢字の変換ミス。
 ホントにデバッグしてんのか?って思うくらいの判りやすい変換ミスもあり、場面によっては興醒めします。
 次に
シナリオの整合性
 大筋では取れてるんですが…特に陵辱ルートでは、よくシナリオがちぐはぐになってたりしてます。
 “昨日の放課後”やった行為を次の日の放課後に"今日の昼間”といっていたりだとか…。
 もっと初歩的なものだと、通っていないルートの内容をキャラクターがさもあったように喋ってたりとか。
 そうでなくてもループもののシナリオではこういうのが多くなりがちですが、
 だからこそ、もう少し煮詰めてクオリティアップに励んで欲しかった。
 これは、“1週目の初日”とイベントCGのでてくるシーンしか用意されてないパートボイスの事も含めて、ね。


 グラフィック 80点

 これは…評価が別れるところかと。
 原画家が3人いるんですが、昨今のエロゲー業界にしては珍しく、
 
全くといって良いほどそれぞれの原画家のタッチが統一されていないので、最初は違和感の強いこと。
 それでもメインであるしのづかあつとさんと騎士二千さんの担当するキャラクターはまだマシなのですが。
 喫茶マスターや常連客といった、サブキャラクターを担当されてる刑さん(ゲスト参加)のは、

 もうワザととしか思えないくらい、世界観にミスマッチしたキャラデザやってくれちゃってます。

 それがシャレとして笑えるか、嫌悪感の対象にしかならないかで、評価ががらっと変わるかと。
 また、しのづかさんは判りませんが、騎士さんなんかはおそらく初原画作品ということもあり、
 何点か、キャラクターのバランスの取れてないCGがあるのも…。
 まぁ気にしたら、ってレベルだし、逆に星野さんがピアノを弾いてるシーンのCGなんかは出来良いですので、
 こっちはそんなに違和感あるほどのことではないかな。
 
CG枚数は……差分も別に登録されるので数としては膨大ですが、差分を含めれば大体100枚くらい
 キャラによっては結構陵辱ルートでCGの割合が占められていたりもしますので、
 
純愛ルート辿ってる時はちょっと少ないかなぁ…と感じます。
 まぁ塗りの方は標準以上だと思いますので、CGの出来そのものには不満無し。
 個人的には騎士二千さんのイラストのファンですから、点数に若干の贔屓目があるのはご容赦を。


 Hシーン 90点

 流石はえろに定評のあるCLOCK UPと言った所でしょうか。
 ことエッチシーンに関しては、ぬかりありません。
 陵辱ルートは当然として、純愛ルートの方でも、エッチシーンに関してはこだわりを感じますね。
 えっちそのものもそうですけど、
エッチまでのもっていき方が非常に巧い
 星野さんとのえっちとかは、エッチシーンまでの流れに、何の違和感も感じませんでしたからね。
 また、陵辱にこだわってきたブランドだからこそ、
 柚美花さんや優ちゃんのシナリオでは、えろを演出の一環として非常に巧みに活用しています。
 そして当然エッチシーンそのものも。非常にえろいです。
 特に
陵辱ルートでは主人公、やりたい放題になってますので、エッチシーンのバリエーションはとにかく多い
 手コキ、パイズリ、フェラ、素股と、前戯系だけでもバリエーション豊富ですが、
 基本的に
どのキャラにもそれぞれの行為が用意されているのが、またいい。
 勿論ノーマルなものだけでなく、輪姦や野外排泄等、アブノーマルなものも盛りだくさん。
 
卑語もばんばん喋ってくれますから、実用性は高いと思います。
 ただ、CGの項目でも若干触れましたが、CGの差し替え枚数が少なく、
 例えば徐々に衣服を脱がしていくシーンとかでも、ほとんどがすでに着衣が乱れている、とかそんなんです。
 純愛系でのエッチではこの辺の差し替えは用意されてるんですが…、
 陵辱系だと基本的に射精するシーンの差し替えのみってのが結構あります。
 その分、犯られてる時の
キャラの表情や涙・涎、精液等はかなり淫靡に描写されてますので、
 個人的にはそれほど差し替え枚数の少ないことに不満を感じることはありませんでしたが。
 特にこのゲームは純愛ルートが別に用意されてるくらいですので、
 純愛ルートをプレイしていれば、その分キャラクターに対する思い入れが強くなり、
 陵辱ルートで、“あのキャラがこんなことまで”って背徳感を感じられるのは大きなプラス点かと。


 サウンド 88点

 
BGM担当はLittle Wing。お陰でかなりクオリティ高いです。
 
曲数はボーカル曲入れて15と少ないですが、その分印象に残る曲が多いのも確か。
 基本的にはエレキやキーボードを使った電子的なBGMが多いですが、
 中にはピアノやアコギを使った“生音”っぽい曲もあり、
 後者の曲は掛かるシーンが重要なものばかりであることも相俟ってかなり印象にのこります。
 特に陵辱デモでも掛かっていた主旋律がピアノの“幼い日の約束”や、
 アコギで語りかけてくるような旋律の“刹那の切なさ”は絶賛の出来。
 残念なのは、発売前から気に入っていたボーカル曲 「WIND OF CRONUS」 のフルバージョンが入ってない事か。
 あと、劇中で星野さんが弾くピアノ曲はSE扱いになっているのか、BGMモードに登録されてません。
 これも、めちゃくちゃ短いながら良い旋律なんですが…。

 お気に入りの曲は。
 「WIND OF CRONUS」、「幼い日の約束」、「刹那の切なさ」、「the last cense」


 システム 70点

 う〜ん、
ほんとに必要最低限のものしか揃ってないって感じ。
 一応セーブは100個もあるし、既読スキップもある。
 音量調節もバーですから厳密に気に入るボリュームも決められるんですが…。
 結構“あったら便利”ってのが無いですねぇ。
 例えば履歴モードはあるし、ホイールにも対応してますが、履歴モード中での
音声リプレイは無し。
 オートセーブはありますが、システムからのロードは出来ず、タイトル画面からしか使用不可。
 しかもセーブ間隔がどうやら長いらしくほとんど活用できず、実際には無いのと同じ。
 やってりゃ判りますが全キャラルート踏破を目指すと100ではセーブ箇所が全然足りませんので、
 できればクイックセーブ機能の方を付けて欲しかったくらいです。
 プラス、セーブ関連といえば。
 
セーブデータに登録される情報の中に、現在時間が無いのにも困りました。
 サムネイルとゲーム時間、その場での台詞しか登録されませんので、
 データを100個使い果たし、バラバラに登録しだすと、再プレイ時にどれがどのデータか判別し難いこと甚だし。
 “最新”みたいな表記もありませんから…再プレイ時に何度か中断した時のデータ、探すハメになりましたよ(;^^)
 あと
スキップが異様に遅い。これにはまいった…。
 繰り返し遊ぶ事が前提のゲームだけに、スキップが遅いのにはほんとイライラしました。
 それと
CDチェックがある為CDレスでのプレイも不可。
 ヤりゲーでこれは結構嫌われますのでやはりこれもマイナス点っと。
 ……つーかコレ、噂の
Al○ha-ROMですので、人によっては起動すらせんかも知れんし。

 また、システムの話では無いのですが、回想モード。
 できれば各キャラクタごとに登録して欲しかった。
 ついでにシーン名もつけてくれれば言う事なかったんだけど…。
 つーかいくらサムネイルがあるったって、全キャラごちゃ混ぜで登録名も無しに無秩序に登録されても、
 CG使いまわしで台詞やシチュエーションが違うだけのヤツなんかどれがどれだかわかんなし、
 埋まってないシーンが誰のものなのかの当たりも、全然付けられないんだよね…。


 総評 85点

 
1週間の無間ループって世界観が巧く活かされてるソフト。
 例えば 『YU-NO』 の亜由美さんシナリオのラスト、アレで1本のソフトを作ったってのが一番的を射てるか。
 また、純愛ルートではループする時間の中で主人公自身の気持ちも確かなものになり、
 主人公にとっての“過去との訣別”がテーマのひとつとなっている点もポイント高し。
 それにキャラクターによっては、ループ以前から主人公に好意を寄せている女の子もいて、
 場合によってはループの最初から両想いにもなれる、ってのが新鮮で良いですね。
 …よもや陵辱に定評のあるメーカーの作品で、“萌え”を感じるシナリオを体感できるとは思いませんでしたし。
 ですから、
抜きゲーとしてだけでなく、普通の恋愛ゲームとしても、十分楽しめる出来ではありました。
 そして陵辱ルートの出来は言うに及ばずですから、
個人的には制作にもう1、2ヶ月掛けてでも、
 
シナリオで挙げた誤字脱字等のデバッグの徹底と、女の子だけでもフルボイス仕様にして欲しかったなぁと。
 特に喫茶店メンバーなんか“1週目の初日”にはほとんど出てこないんだからボイスが少なくて少なくて…(TT)