お金とは?
根源からお金を問う

100kgの小麦を一年間腐らせずに保持しようとする人よりも、小麦100kg相当の価値を、お金で持っている人の方が圧倒的に有利。なので、お金を持つ人は、自分のお金を貸し付ける時に、小麦100kgの一年間保持するのにかかる費用分を、利子/1年として請求出来ると考える。また借り手は、それを受け入れざるを得ない。お金に力が発生する、お金を持つ人が力を持つというのは、すべてこのお金が持つ「貯蔵コストの低さ」と「流動性の高さ」にその源があると考える。これが、ゲゼルという人の理論です。
それまでは、マルクスの資本論の考え、資本家(お金を持つ人)が生産過程において搾取により利潤を生みだせるので、そこに利子が発生するという考えが優勢でしたが、同時代人で、商人でもあったゲゼルは、自分の経験から、お金そのものが持つ性格に気づかなければならないと、マルクスの考えは、根本的なところで間違えていると批判したのです。そこで彼(ゲゼル)は、お金も小麦と同じように腐らせなければならないとして、減価する貨幣というものを、「自然的経済秩序」という著作の中で提案しました。
そして
●価値の下がる通貨:今から約七〇年前、折しも世界大恐慌に見舞われる中、オーストリアの地方都市ヴェルグルという町の町長が、そのゲゼルの理論を支持し、お金の最大の利点でもある『貯蔵コストゼロ』に持ち越し費用をかけ、長く持ち続けると逆に価値が下がるマイナス利子の通貨をつくり発行したのです。


これがヴェルグルの「労働証明書」スタンプ貨幣、現在の地域通貨の歴史の第一歩となりました。

私たちの知っているトランプゲームに、7並べ’と、ババ抜き’というものがあります。この2つのトランプゲームでは、共にジョーカーという札が重要な役を担っています。七並べで、この札は、なんの代わりにもなる、万能の札になります。それは通常の貨幣が持っているのと同じ力を持っているともいえます。それでなんでも買えたり、なんの代わりにもなるということがそれを示しています。ところが、もう一つのババ抜きでは、ジョーカーは万能であるどころか、とても惨めです。だれからも嫌われ、手元にあれば早く相手に渡るよう願う札です。つまりババ抜きではジョーカーという札はゲームに参加した人の輪を最も速くグルグルと回る札になります。このように「貨幣」をババ抜きの「ババ」にすること、それがゲゼルの狙いでした。ゲゼルは20歳ほど年下のアルバート・アインシュタインと大の仲良しで、週に一度、トランプの遊びに興じていたそうです。果たしてどんなゲームをしていたのでしょう・・・

そして現在、お金とは何かについて
経済学者によれば、4〜5つの定義を与えてこれを説明するのですが、B・リエターによれば、
Agreement(同意)と Community(共同体)の2語で説明できるものとなっています。

リエターは、お金についてゲゼルの考えから多くのものを得ています。つまり、お金が実体から
離れていることが問題であり、だからお金をもう一度、実体に則して捉え直さなければならない。
それに必要なのは、ただただ一つ

「お金とは何か?=コミュニティの同意」

なのだということです。

※B・リエター:欧州ユーロ通貨創設時の責任者の一人。地域通貨を含め将来4つの貨幣システムが必要と現在世界を舞台に活躍中