「10ミニッツ・オールダー〔公式読本〕」

発行・エスクアイア マガジン ジャパン
 編集・遠山純生
 
定価・1600円+税

松村清志

 


 世界の1線監督15人が10分間の上映時間という制限の元に競作し、現在好評上映中のコンピレーションフィルムの〔公式読本〕である。
 15本のショート・フィルムは「人生のメビウス」「イデアの森」という2つのパートに分けて上映されているが、本書では「人生の
メビウス」は“トランペット篇”、「イデアの森」は“チェロ篇”と題されており、篇中の映画音楽に使用される楽器の違いによるもの
だが、それぞれを聞き比べるのも1興であろう。
 本書では各作家と作品、音楽担当ミュージシャンらの詳細な解説の他、本企画の発想源となり企画自体が捧げられてもいる3人のシネ
アスト、ヘルツ・フランク、ユリス・ボドニェクス、クリス・マルケルという作家と作品の解説、そしてプロデューサーや、
ヴェンダースとヘルツォークへのインタビューも収録されていて、「10ミニッツ・オールダー」をより深く楽しむ為に、わかりやすく
まとめられた好ガイド・ブックとなっている。
 「人生のメビウス」「イデアの森」どちらのパートも1見の価値アリだが、どちらかといえばまたもや10年ぶりの新作となるヴィクトル
・エリセや、ジャームッシュ、スパイク・リーなどの佳作揃いの「人生のメビウス」の方が抜きん出ている、とはいえようか。
 「イデアの森」では意外にも凡才マイケル・ラドフォードによるSF仕立ての「星に魅せられて」を最も興味深く見る事が出来た。


 「人生のメビウス」は恵比寿ガーデン・シネマ
 「イデアの森」は日比谷シャンテ・シネにて上映中

 www.10minutesolder.com

 


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