「プロが教える現代映画ナビゲーター」 

発行・フイルムアート社
編者・鬼塚大輔+新田隆男
 定価・1500円+税
 
松村清志


 
 社名通り、アート系・インディペンデント系に分類される作家や作品に関する映画本を多数出版しているフイルムアート社の
出版物の中で、「マグナムアクション映画列伝」「ザ・ビーグル・ムービーズ」の2冊は、アメリカン・メジャーの
エンターテインメント映画をたっぷりと取り上げた面白本であったが、本書もその系列の、主に80年代以降のアメリカ映画の
エンターテインメント系の作家と作品を取り上げて、とても間口が広く読みやすく、それでいて奥深い、面白くてタメになる1冊で
ある。
 映画の中の<社会>、映画監督、脚本/物語、俳優/スター、映像技法、映画ジャンルという6つの章に分けて、それぞれその
“読み方”の手引書(ヒニナビゲーター)として編さんされている。
 編者はグレート・ティーチャー・オニヅカ、又は鬼が島の住人こと鬼塚大輔と、TV「エコエコアザラク」の脚本でデビューし、
Jホラーの先がけ(?)といってもいい映画「うずまき」の脚本やVシネマの脚本などを手がけている新田隆男という
エンターテインメント映画派の2人。
 特に、鬼塚大輔は今やアメリカのエンターテインメント映画の深い楽しみ方を判りやすく語らせると、ピカイチの人であろう。
いぜん映画興行では主流だが、映画批評で深く“読む”テキストではなくなってしまった感のあるアメリカ映画を、きちんと語り
続けているこうした人は貴重である。
 「映画鑑賞=スポーツ観戦」理論や、映画の弁護士でありたいという2人の基本姿勢も、僕の映画に対するそれと共通している。
そんなわけで僕は本書を大いに楽しみ、色々と学ばせてもらった。「カルチュラル・スタディーズ」「メディア・リテラシー」など
といわれると何やら難しそうだが、そんな事は全然ない。楽しみつついつのまにかお勉強できてしまえる本なのだ。ザッツ・
エディケーテイメント!!。


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