「ばってん映画論」
発行・有限会社ごまめ書房
発行者・関田孝正
著者・久保嘉之
定価・2000円+税
松村清志
本書の発行元、ごまめ書房の関田孝正氏は、かって同人誌時代の「MOVIE ON」をお買い求め頂いた人であった。どうもありがとう
ございます。
さて本書は、やはり同人誌(?)らしい「シネマ気球」という小冊子に発表された文章をまとめたもので、著者の久保嘉之(くぼ・
よしゆき)氏の初の著作、娯楽映画評論集である。久保氏は長崎県出身、当年とって53歳、とくに思い入れの深い007シリーズに
ついて、1章をさいて論述しているのだが、文章の中にところどころ長崎弁を交えて書き進めているところから、「ばってん映画論」
のタイトルがつけられている。
そんなわけで、娯楽として映画を楽しんだ後、ワイワイガヤガヤと仲間と感想を語り合っているような気分で楽しく読める本である。
007シリーズの他に、職人監督ジョン・バダムについても1章をさいている他、「リーサル・ウエポン」「ペイバック」「48時間」
「プロジェクトA」など、小難しい理屈は抜きで楽しめる作品を中心に書かれており、それらの作品をほとんど同時代的に観ている僕
(007はリバイバルも含むが)は、本書で上出来の娯楽映画を観た後のような、充実感に浸ることが出来た。
どちらかといえば男性路線の映画が中心だが、「グロリア」の新旧比較や「エイリアン2」についての文章は、ぜひ女性にも読んで
欲しいし、「デアデビル」に対する高評価には、共感出来る人も多いのではないか。
ともかく、同じように同人誌を発行していた方たちが、こうして頑張っているのに僕(達)もとても勇気づけられる。継続は力なり、
である。続刊も期待したい。今後ともよろしくです。