「最近見た映画 3月30日(火)〜4月6日(火)」
松村清志
まだまだ読みふけるジョン・ディクスン・カー(別名・カーター・ディクスン)、そのディクスン名儀の37年度作で日本では59年
にハヤカワ・ポケット・ミステリで出版されていらい絶版となっていた「パンチとジュディ」が新訳でハヤカワ・ミステリ文庫から
登場。カーの中では珍品・バカ作と評されていたものだが、読んでみると面白いじゃないの!!。<痛快ドタバタ怪奇冒険探偵小説>
なのである。新本格派作家、二階堂黎人(にかいどう・れいと)による、超ボリューム解説も気合が入っている。本書の前日譚と
いうべき「一角獣殺人事件」は単行本で国書刊行会から出ており、ほとんどどこの図書館にも置いてあるはずなので、そちらも1読を
オススメします。そちらの方の、翻訳家で英・米本格探偵小説研究家の森英俊による解説も気合が入ってます。みんな読め読め
ディクスン・カー、ちなみに二階堂黎人って元「手塚治虫ファン・クラブ」の会長でもあった人。カーは手塚治虫のように面白い、
といってしまおうか。
さて、最近見た映画です。
3月30日(火)
「アタック・ナンバーハーフ2」 東芝エンタテインメント試写室
話題となってヒットもした前作を僕はあまり楽しめなかったが、こちらは前作よりは楽しめた。特に、彼らの大学生時代にまで
さかのぼって描く、ビフォーのパートが面白かった。まっ、実際にはほとんどがストレートだという役者達のゲイ達者を楽しめば
よいのだ。
「ヴェロニカ・ゲリン」 ヴエナヴィスタ試写室
良きにつけ悪しきにつけ、製作ジェリー・ブラッカイマー、監督ジョエル・シューマッカーによる映画である。つまりは
ハリウッド映画。アイルランドの麻薬犯罪組織に記事で闘いを挑み、凶弾に倒れた女性記者の実話の映画化。実在の彼女が
同僚や母親や夫や息子たちから、すべからく支持されたはずはないし、きれい事の映画化といえなくもないだろうが、僕は割と
感動した。特に彼女の死からラストまで、情緒的に盛り上げるあたりで、恥ずかしながら泣いてしまった。ケイト・
ブランシェット主演、「フォーン・ブース」(03)のコリン・ファレルが特別出演。
4月1日(木)
「MAY−メイ−」 松竹試写室
“裏”アメリと評される青春スプラッターの秀作。元メンバーの皆川ちか嬢がプレスに書いてます。まっ、読んでやっておくんな
さいまし。少し、つっこみ入れさしてもらうと、彼女が書いているほどヒロインがメガネをかけているアメリカ映画は珍しくはない。
ヒッチコックのある種の作品とか「パリの恋人」のオードリーとか「ロッキー」のエイドリアンとか、色々とあるぞ。あと、メイは
ファニーといわれているのではなくウイアードといわれていたのではないかな?。
「スキャンダル」 シネカノン試写室
TV「冬のソナタ」でブレイクしたヨン様ことペ・ヨンジョンの映画初主演作。フランスの作家、ド・ラクロの小説「危険な関係」
を18世紀韓国の李王朝に舞台を移し変えて映画化。衣裳・美術のきらびやかさ、しっかりした演出・演技、クラシック音楽を流す
センスなど1級の出来映えといってよい。
が、プレスの解説に間違いがあった。本作はラクロの小説の6度め、アジア初の映画化と記されてあったが、78年に我が日本で
新藤兼人・脚本(!!)、藤田敏八・監督で映画化されているのだ。
6日(火)
「ディープ・ブルー」 東芝エンタテインメント試写室
暖かくなって来ました。そろそろ夏公開の映画の試写も始まっています。というわけで本作は6月公開予定の深海ドキュメンタリー
であります。ナレーションは「ハリー・ポッター〜」に出ているマイケル・ガンボン。この種のドキュメンタリーでは他にリュック
・ベッソン製作のものとかも見てますが、やはり今だにダントツはジャック・イヴ・クストーとルイ・マルの共同監督による
「沈黙の世界」(58)ではあるまいか。
「永の国のノイ」 シネカノン試写室
こちらも6月公開予定の涼しくなれる映画です。「ディープ〜」とは対照的に寒い国、雪景色のアイスランドを舞台に、17歳の
変り者の高校生ノイを主人公とした青春映画。監督・脚本は1973年アイスランド生まれで、ラース・フォン・トリアーと同じ
デンマークの映画学校を卒業したというダグール・カウリ、本作が長編デビュー作。自身とその友人によるスロウブロウと名付け
られたバンドのまさにじっくりとしみてくる音楽がとてもいい。
主演のスキン・ヘッズのノイ役のトーマス・レコルキスはどう見ても17歳には見えない(20代後半)のが難点だが、かなりいい
個性。TVアニメ「シンプソンズ」やアキ・カウリスマキの好きな人には、ぜひ見て欲しい映画です。