『最近観た映画〜「テキサス・チェーソー ビギニング」「奇跡の朝」「雨音にきみを想う」』

  松村清志


 2006年もあと2ヶ月余りというわけで、妙にあわただしい季節の到来である。この時期になると見逃した映画のフォローが大変。
既にお正月第2弾あたりの試写は始まっており、観逃しフォローしていると新作の試写は終わってしまうという悪循環だ。映画を
追っかけているると文章を書く時間がなくなるしで゛シネチリ゛の運営も大変。「ブラック・ダリア」「父親たちの星条旗」といった秋の
話題作の批評は今月末にまとめて書きたいとあくまで予定。取り急ぎ早書きです。

 ■「テキサス・チェンソー ビギニング」──バットマン・ビギンズやジェイムズ・ボンド・ビギンズはいいとしても、レザー
フェイス・ヒギニングというのは何だかなーっである。いっそ「スター・ウォーズ」クロニクルのようにあの可愛い男の子が
ダースベイダーになったという展開にするのなら少しは意外性もあって、よいかも知れないが、レザーフェイスはやはり最初から
フリークだし、旅行者たちの末路は予想がつくし、スプラッターが苦手の僕としては、もっとネエチャンの裸とか巨乳ゆさゆさで逃げ
惑うシーンが多ければと想ったが…。リメイクはではともかくこんなものなら作らないでもいいと思ってしまった。

 ■「奇跡の朝」──ゲスト・ライターの水島裕子さんが「これ書きましょうか」とおっしゃったのに、「封切りが始まってますので、
別の作品にお願いします」と言ってしまった。配給会社さんには不義理をしております。というわけで少しだけコメント。フランス版
「黄泉かえり」である。悪くない出来映えだ。黄泉が帰ってくる者たちの解釈はいくつか出来そうだが、老人達の描写からは、例えば
アルツハイマーが始まったあたりで1度目の別れとなり、亡くなってしまった時に2度目の分かれとなるといつた事のメタファーのように
感じられた。30代女性の恋人との2度の別れは切ない。日本人にはしっくりくる内容かな、とも思った。黒沢清にリメイクさせても
面白いかも知れない。

 ■「雨音にきみを想う」──アンディ・ラウ製作・主演の某香港メロドラマは今年1、2を争う退屈した映画であったが、これは悪くは
ない。コテコテの華流メロドラマが好きな方ならオススメ出来る。ギャングの下っ端である若者と貧しい少女との恋を描いて、ノワールと
メロドラマとの折衷もうまくいっているのではないか。主役の男優、ともに好感が持てた。


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