眠狂四郎は市川雷蔵の゛はまり役゛か?

松村清志




 またもや雷蔵様、市川雷蔵の映画祭が盛大に開催である。今回は日本映画史上初のデジタル・リマスター版となる「新・平家物語」
を含む、全41作品を連続上映という、過去最大と思われる映画祭である。
 ファンの喜びに水を差すつもりはないが、ここでひとつポレミックを仕掛けてみたい。眠狂四郎は市川雷蔵の゛はまり役゛か?。
否と思う。眠狂四郎は市川雷蔵の゛当たり役゛ではあっても゛はまり役゛ではない。原作者の柴田練三郎は雷蔵の狂四郎を気に入って
いなかったと伝えられており、僕は未見だが舞台やTVで何度か演じたという田村正和の方は割と気に入っていたそうだが、さも
ありなんと思う。
何故か?だって狂四郎ってハーフじゃないか。雷蔵はどう見てもハーフには見えんぞ、純粋日本人にしか見えん、という事なのだ。
僕など狂四郎シリーズはほとんどTV放映で見た世代だが、その中で狂四郎がハーフである事を指摘するセリフがあるたびに違和感
があったりしたのである。
 確かに雷蔵はカッコイイ、所作もキレイだ。しかし雷蔵をハーフと思えってのは、ちぃと無理すぎないか。田村正和の方は父親の
阪妻にロシア人の血が入っていると噂されていただけに、ハーフといわれればそれなりに納得できるのである。
 はるか昔、アラン・ドロンがブームだった頃、日本で映画を撮るという企画があったが、僕などもしドロンに日本語ができれば
狂四郎などやらせたいなと思ったものだし、若き日の草刈正雄が沖田総司を演じたのを見たとき、もう少し年食ったら狂志郎らせ
たいなどと思ったものだった。まっ、今はどちらもオヤジになってしまったので無理だが。
別にここで雷蔵をおとしめようというつもりはない。ただ、狂四郎が雷蔵の代表作のように語られてしまうのは違うのではないかと
思うし、狂四郎というユニークなキャラクターを、雷蔵一世一代のものとして封印してしまうのはあまりりにもったいないと思うの
である。ビート武士が21世紀の「座頭市」を作ってしまったように、新しい俳優、新しい監督で21世記の狂四郎を作る事は可能
なのである。
 今回の映画祭、そんなことを考えながら見てみるのも一興ではあるまいか。

市川雷蔵祭

11月27日〜12月24日   シネスイッチ銀座にて公開

  http://kakawa-pictures.com/rai-sama/


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