第74回「監名会」レポート                              

 桑島まさき

 映画・映像文化の振興を目指し、映画人と映画ファンで立ち上げたNPO法人日本映画映像文化振興センター(略称:映文振センター)の事業の1つである「監名会」の第74回目の上映会が、5月25日京橋のフィルムセンターで催された。今回の上映作品は「蒲田行進曲」(82年・深作欣ニ監督)。奇しくも同作品に出演した喜劇のベテラン女優・清川虹子さんが前日、89歳の人生を閉じた。
 上映会の後、深作欣ニ監督のトークショーがあった。インタビュアーは映画評論家であり文部科学省大臣官房審議官を務める寺脇研さん。
 本作は松竹の企画ではあるが、東映京都撮影所で撮り、作中の大部屋男優たちは、そのまま東映の男優たちが演じた。配給は松竹。
「撮影所はハリウッドのそれとは比較にならない小規模なものだったが、和気藹々と楽しく撮ることができた」と古巣での思い出を感慨深そうに深作監督は話す。
「本作は日本映画、とりわけ映画人へのオマージュに溢れている。職住接近、すぐに浪花節になる、仕事もプライベートもない、女性に暴力をふるう。つまり、日本人のよくない点ばかりなのに、あえてそれを活写することで日本人や日本映画のすばらしさを実感できるのは、そこに対象への愛が感じられるからだ」と寺脇さんは語る。
キネマ旬報ベストワン、同監督賞他、数々の賞に輝いた傑作を、歳月を経て観ることの意義を感じた上映会だった。

     (キネマ旬報8月上旬号「キネ旬ロビイ」より転載)     

 
   

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