『「韓国映画5本立て〜「サマリア」「コースト・ガード」「木浦〔モッポ〕は港だ」「オオカミの誘惑」「清風明月」」
松村清志
まだまだ続く゛韓流ブーム゛というわけで、新着韓国映画を5本まとめてご紹介したい。
まず、「サマリア」は「悪い男」「春夏秋冬 そして春」のキム・キドク監督最新作。女子校生の援助交際を題材としてはいるが、
「悪い男」からつながっている部分もあって、3部構成の後半部ぐらいからオヤジがしゃしゃり出てくる。「そのオヤジ凶暴につき」
とでもいうべき作品となっている。かなり北野武作品からの影響も受けているのではあるまいか。日本で北野武主演でリメイクでき
そうでもある。初上映されたヴェネツィア映画祭では賛否両論あったそうだが、僕的には5本の中で1番好きかな。
「コースト・ガード」もやはりキム・キドク監督作品。軍隊諷刺劇とでも言うべきか。「サマリア」もそうだが、本作も他のキドク
作品のように脇役と思えた人物が途中から前面に出てくるという構成となっていて、こうしたキドクの複眼的な部分とか、海や河や
水槽といった水に対する感性というのはちょっと分析してみる価値があるかもしれないと思った。興味深い監督である。゛韓流
シネマ・フェスティバル゛上映作。
「木浦〔モッポ〕は港だ」も゙韓流シネマ・フェスティバル゛上映作だが、芸術的な前2作に対して、コテコテコの
エンターティンメントである。潜入刑事とヤクザの親分との対立と友情を描いてとても面白い。ギャグのセンスは「オースティン・
パワーズ」シリーズや「Mト・BOO!」シリーズのようなベタなノリである。もう少し日本で知名度のある俳優が主演していたら、
きちんとロードショーしてもいいのではとさえ思った。゛ゆうばりファンタ゛で観客賞を受賞している。
「オオカミの誘惑」はイケメン2人から想いを寄せられるちょっとドジな女子高生を主人公としたアイドル映画のような作品である。
まっ、そこそこ楽しめはするが、やはり10代向けの映画というべきであろう。「火山高」の監督なのでケンカのシーンもきちんと
撮っている。
それにしても、不良風ではない一見ジャニーズ系のイケメンがきっちり硬派の所もみせて、気は優しくて力持ち的な韓国人イメージ
が定着していくと、日本女性はみんな韓国人に持っていかれてしまうではないか。もっと頑張れ日本男子、大和魂をしめさないと
国粋主義者のような事を考えてしまった。今の日本女性の間での゙韓流゛スター・ブームは、彼らがハリウッド・スターほど手の
届かない存在ではなく、日本の芸能人ほど身近すぎて生々しくもなく、いわばその中間点、親近感もあり、夢も見させてくれそうな
存在という位置に、彼らがぴったりとはまってしまったところから来ていると思うのだが、彼らの多分に保守的なあたりをかのじょ
たちはどのように感じているのだろうか聞いてみたい気はするのである。
「清風明月」は時代劇でありSFXやワイヤーワークを使用しないオーソドックスな殺陣による本格派だが僕的には可もなく不可もなく
であった。