人生まだまだ、イケてるオジサンは健在だ!……「まだまだあぶない刑事」

桑島まさき


 シリーズもののタイトルのつけかたは面白い。今夏、WOWOWで70年代にスタートした故・深作欣二監督の「仁義なき戦い」を
一挙放映していて、そう思った。「アブデカ」シリーズにしてもそうだ。
「アブデカ」を知らない人のために記述すると、元々このシリーズは86年にテレビ「あぶない刑事」としてスタートした。ヒットした
ので映画化されたのが87年12月で題名はそのまま。翌年の88年、映画の続編として「またまたあぶない刑事」として公開され、88年
10月から89年3月までテレビで「もっとあぶない刑事」に変化をとげ、89年再び映画版「もっともあぶない刑事」となる。
これで終わりかと思っていたら、7年後の96年映画版「あぶない刑事リターンズ」として公開され、又してもヒットしたので98年8月
に金曜ロードショー用に製作された「あぶない刑事フォーエヴァー」が放送され、記念として(?)同年9月に映画版「あぶない刑事
フォーエヴァー THE MOVIE」が公開されるに至った。フッー、書いていても混乱してしまうのだから、読まれる方はご注意
ください。
つまり、日本中がバブル熱に浮かされて狂乱の好景気を迎えていた80年代から20世紀が終わるまで飽きずに、“危ないデカ”たちは
生き残り活躍してきたのである。

 そして、今世紀初めてのシリーズは「まだまだ」やりまっせ!とばかりにあの4人が登場するのである。以前、サングラスだけを
残して横浜の海に消えた2人は生きていた! 中年のオジサンになったタカ(館ひろし)とユージ(柴田恭兵)の関係はそのまんま
だが、かつて後輩だった透(仲村トオル)は課長に昇進して、世話になった2人の上司となる。イイ女だった薫(浅野温子)は課長に
昇進したものの、少年課で内勤ばかり。閑職なのか着物をきてドの強い眼鏡をかけ、カッコイイ女の面影は何処へ。暇をもて余し筆で
書きものなんかしている。時間の流れは残酷でございます……。
周囲は変わるがマイペースのタカとユージが再び横浜港警察署へ戻ってきたところから始まる。オッサンになった2人の前に颯爽と
現れるのは、若く優秀で生意気な水嶋(佐藤隆太)と鹿沼(窪塚俊介)のコンビ。かつてのタカとユージコンビのように、今では2人
が職場の華となっているのだが、オジサンだって“まだまだ”やれるぜーとばかりに若さを横目にみながら奮闘する。

 事件は、生きていたタカとユージが韓国でアンダーカヴァー・コップとしてスケールのデカい事件を片付けるシーンから始まる。
そして、小型高性能核爆弾が日本に持ち込まれていることをつきとめ、事件は複雑に錯綜し、犯人が浮び上がってくるのだが……。
年を経っても相変らずイケていると思い上がっているタカとユージも、若い刑事の走る速さにはついていけず、体力低下を実感し、
ITにも弱い。しかし、経験がモノをいうのだ。長年の刑事生活で培われた嗅覚と鋭い勘で、事件の本質に迫っていく。
課長がなんだ、昇進がなんだ。組織に属していながらアウトロー精神を持ち続けるカッコイイ男は金やまがった正義なんか興味は
ナシ。主演の2人は団塊の世代。でも、お肌なんかツルツルだし、オジサン臭はありません。経済不況によるリストラの憂き目に
あっている人たちが多い中で、何とも胸のすく男の生き様をみせてくれるではないか。人生、まだまだ!!

 *10月22日 全国東映系にて一斉公開予定


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