ライフ・イズ・ジャーニー
★★ 松村清志
初監督作「DOG-FOOD」(99)がベルリン国際映画祭で評価された俳優、田辺誠一の4年ぶりの監督作。
4本の短編をつないで作られたもので、企画・脚本・編集・監督、そして出演の1部までをすべて田辺が担当している。「LIFE」「ん」「や」「No Where」という4つの短編をまとめた総称が「ライフ・イズ・ジャーニー」で田辺いわく「人生は長い陸路の旅」。
最初の「LIFE」はある女性の人生を9分間のワン・シーン=ワン・カットで象徴的に描いたもの。フイルム撮影で台詞はなく音楽のみ。フイルム=映画への敬意でありフイルム撮影への挑戦でもある好感の持てる1篇。撮影は北野武の映画でおなじみの山本英夫。音楽として「菊次郎の夏」(98)のテーマがそのまま使われているのが気になったが、撮影の山本つながりなのだろうか。
続く「ん」「や」は独立した短編というより人物やエピソードが微妙につながって2つでひとつの作品となっているといってもいいが、ほとんどが台詞による言葉あそびとなっているので、余計な事ながらこの面白さは外国人にわかるだろうかと気にかかった。
最後の「No Where」はタイトルから察しがつくようにビートルズのジョン・レノンの曲の言葉あそびをそのままオチにつかったもの。わざわざポルトガル・ロケをし田辺自身が出演し、ヒロインはミュージシャンのhitomiで、最も気合を入れた作品のようだが最もつまらなかった。残念。
以上3本の撮影は坂本善尚。「ん」「や」は通常のデジカメらしく画質はよくないが「No Where」は最新型が使われているようで画質は鮮明であった。それだけに作品としての凡庸さが気にかかった。4本まとめての感想を述べると、それなりの才能は感じるもののまだまだ習作程度といった所だ。
6月21日(土)より7月18日(金)まで 渋谷シネクイントにて限定レイトショー