Oct 10月
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東京農業大学学生&国際農業ジャーナリスト
宮永幸則さん

Profile
みやなが・ゆきのり●1987年3月兵庫県加古川市生まれ、19歳。県立播磨農業高を卒業し、東京農業大学生物生産技術学科2年生。国立弘前大学農学生命科学部の編入が決まり、来春から東北へ。食と農の架け橋を目指し、高校在学中から政府主催のフォーラムなどで発表を行い、一連の活動で2005年に文部科学大臣賞、JICA理事長賞などを受賞。国際交流親善大使としてマレーシア、アメリカ、ニュージーランドの農村を訪問し、今春から、国際農業ジャーナリスト連盟(IFAJ)正会員。(財)北野生涯教育振興会の表彰式は11月10日の予定。世田谷区経堂在住。

「都市と農村の架け橋」目指す懸賞論文が1席に

 「志―社会への思いやり」をテーマに、今春、財団法人北野生涯教育振興会が募集した懸賞論文第1席に決まった。404編の頂点の報に「ちょっと驚いた」と笑うが、副題は「食と農にかける我が想いと未来」。
 播磨灘に面した緑豊かな田園地帯に生まれた。夏休みにはセミ捕りや川遊びに明け暮れたが、田んぼや畑が住宅地や工業地帯に変わり、農家が姿を消した。「遠い昔ではなく、10年前のことです」と振り返る。
 高校、大学では、迷うことなく農業を専攻した。夏休みにはアイガモ農法を実践する福島の農家に住み込み、「朝は朝星、夜は夜星」の言葉どおりの農作業。研究活動とはいえ、過酷だった。それまでは農業を楽観視していたが、その価値観が変わるほどの体験だった。懸賞論文には、自らもクワをふるい、農薬を使わない有機栽培農家の再生産を可能にする販売経路の確保や消費者教育に関わり、そこで感じたものを発信する「農政ジャーナリスト」になりたいという熱い想いをぶつけた。
 「生活費は自分で稼ぐ」という両親との約束を守り、週4日は深夜のバイト。その傍ら、農業・農政ジャーナリストでFSN(食の安全を考えるネットワーク)代表の横田哲治氏に師事、農薬や化学物質による汚染が進む中国やベトナムに同行し、農村地帯の調査に携わる予定だ。
 「21世紀の環境・食糧問題を解決するのは農業です」と語るが、もうひとつの顔は、国内最年少の国際農業ジャーナリストでもある。



「国際交流親善大使」として訪れたマレーシア・バハン州の農家。ゴムの樹液の採取やパームヤシの出荷準備などを体験

   

こころ鍼灸整骨院代表
岩下順一朗さん(9月)

Profile
いわした・じゅんいちろう●1972年、世田谷区生まれ。大学卒業後、スポーツトレーナー育成の専門学校で2年間、東洋鍼灸専門学校で3年間学び、スポーツトレーナー&鍼灸の道へ。アテネ五輪女子バレーボールチームでメディカルトレーナーとして活躍。今年5月、鍼灸専門学校の同級生、荒井淳史さんと共同でこころ鍼灸接骨院を開院。
■こころ鍼灸接骨院 目黒区鷹番2-15-20 診察時間9:00〜12:30 15:00〜20:00 日曜、祝日休み 各種保険適用 東急東横線学芸大学駅徒歩3分 TEL.03-3791-0556

柳本ジャパンが認めた施術で体の不調を解消

 大学時代はアメフトに熱中。「予算がなかったので、マッサージやケガのケアは自分たちでやっていた」と当時を振り返る。卒業後の就職も決まっていたが、「自分の進むべき道は何か違う」と、スポーツトレーナーになる決断を。学生時代の経験がこの道を目指すきっかけとなった。
 アメフト、陸上、バレーボールなど、スポーツ選手を中心に治療をする岩下さんに、柳本ジャパンのメディカルトレーナーにと白羽の矢が立ったのが3年前。一流選手のケアに携わることへのプレッシャーは大きかったが、「それ以上に勉強になった。今でもその経験が治療に役立っている」と話す。
 開院から3か月、評判を聞きつけた人が足しげく通う。最近の女性に多く見られる症状が肩こりや腰痛、足のむくみなど。パソコンで長時間座っていたり、立ち仕事による弊害だ。体型や生活習慣から、患者が筋肉をどう使っているかを把握することが第一歩。それをもとにストレッチやマッサージに強弱をつけ、「オーダーメイドの治療を心掛けています」。鍼、灸のほか、ドイツW杯サッカー日本代表が現地で使用した電気治療器や、高気圧カプセルなど最新式設備も積極的に取り入れている。
 「日々新しい発見がある」と、治療の難しさを実感するが、「いずれは分院を」と夢は広がる。仕事帰りには日課になったダーツゲームを楽しむ。ダーツこそが明日の治療への活力になっているようだ。



的確で親身な治療で来院者から好評な岩下さんの施術。モダンな外観と明るく清潔な院内も人気の一因

   

(株)ワンダーランド代表取締役&
「キッズアイランド駒沢」ディレクター

堺谷武志さん
加藤能宏さん(8月)

Profile
さかいたに・たけし(写真右)●大阪出身。京都大学工学部卒、南カリフォルニア大MBA。都市銀行入社後、米国留学やシンガポール勤務を経て、次代を担う子どもたちの成長の場「キッズアイランド駒沢」運営ディレクター。1児の父親。
かとう・よしひろ(写真左)●大阪出身。九州大学工学部卒、シカゴ大MBA。都市銀行入社後、経営企画、投資銀行部門で活躍し、「キッズアイランド駒沢」校長。5年間の米国滞在で、マタニティコースやプレイジム施設などを体験。車での北米一周旅行も2度。2児の父親。
■キッズアイランド駒沢:世田谷区駒沢5-5-11 トウセン駒沢3F(東急田園都市線駒沢大学駅徒歩15分)。無料体験・見学会を受付中(要予約、プレゼント付き)。TEL.03-5758-3229 
http://www.kids-island.biz

英語環境で次代を担う子どもを育てる

 窓外に駒沢公園の緑が広がるマンション3階に、「キッズアイランド駒沢」はある。大手金融機関に同期入社し、米国大学院でMBAを取得、海外勤務の経験をもつ2人が運営するインターナショナル・プリスクールだ。
 海外での学生生活やビジネス前線で、「欧米やアジア諸国出身の人たちとともに、ワクワクする貴重な経験をしてきた。日本の子どもたちにも広い世界を見て欲しい」と思っていたからだ。「幼児期は将来を形づくる上で大切な時期。子どもが生まれつき備えている”成長する力“を育てる機会を提供したい」と、2人はビジネススーツを脱ぎ捨てた。
 まずは環境優先と、豊かな自然が息づく駒沢公園近くに拠点を構え、全米有数のカリキュラムをベースにした質の高いプログラムを導入。もちろん、指導は英語だ。教育経験豊富な外国人ティーチャーによる学びと遊び、心と体など、バランスのとれたプログラムや運動を通して、幼い頃から自分への自信と創造性、問題をへこたれずに解決できる力を身につける。
 「教育はボリュームと質、そして信頼性につきます」ときっぱり。教材をはじめ、ブロックやキッチンといった玩具、絵本、木製の机やイスも欧米から取り寄せるこだわり。「子どもたちの潜在能力を伸ばし、国際性を磨く成長の場を提供することはやりがいがあり、社会に役立つ」と口をそろえた。



「プリスクール」「M&M(親子英語リトミック)」「アフターキンダー(幼稚園児向け英語)」など各種プログラムがある「キッズアイランド駒沢」

   

理学療法士(Physical Therapist)
田舎中真由美さん(7月)

Profile
たやなか・まゆみ●1973年長野県塩尻市生まれ。信州大学医療技術短期大学卒業後、熱川温泉病院勤務。アメリカ・ノルウェーで失禁などウィメンズヘルスケアの海外研修、スリング・エクササイズ・セラピー国際ベーシックコースを受講。昨年挙式し、休日にはお気に入りの“じんぎすかん”など食べ歩きを楽しむ公務員の夫と2人暮らし。
■田園調布ファミリークリニック併設「Dr.フィジオ・スタジオ」 プログラム多数 事前予約制 東急東横・目黒線田園調布駅 TEL.03-3721-0888 www.kazokude.net

ウィメンズヘルスケアのスペシャリスト

 地域住民の健康を総合的、継続的に守る「家庭医」を実践する田園調布ファミリークリニックが併設する「Dr.フィジオ・スタジオ」の理学療法士でアドバイザリースタッフだ。これまでの経験を生かし、産後の骨盤底筋群(骨盤の底にある筋肉)の引き締めや骨盤のゆがみ調整、骨盤周りの痛みなどレディースコンディショニングのスペシャリストでもある。
 「母が看護師、私自身も中学時代に腰痛で辛い思いをした経験が」と理学療法士の道をまっしぐら。信州大学医療技術短期大学を卒業し、恩師のすすめで伊豆・熱川温泉病院に勤めた。
 8年前、米・シアトルで海外研修のチャンス。大学の非常勤研究員として多くの女性が悩む「尿失禁」などを学び、ウィメンズヘルスケアの必要性を痛感した。今でこそ尿失禁対策パッドがあるが、当時は未開発の分野。しかし、「ムリのないエクササイズとホームケアで症状が改善したという報告を聞くと、うれしくて」と相好をくずした。
 スタジオに訪れるのは、肩こりや腰痛、首痛など、慢性的痛みの改善を求める人が圧倒的。とりわけ女性は、妊娠中の腰痛、産後は骨盤周りの痛みや尿失禁などのトラブル。伸びて弱ったお腹、骨盤周りの筋肉をもとに戻し、体のゆがみを矯正する指導で、シャキッとした美しい姿勢を取り戻している。
 自治体の依頼で、セミナー講師も務めている。20代の理学療法士のうち、4分の1が女性。「ウィメンズヘルスケア普及のためにも後輩を育てたい」ときっぱり。



癒しの音楽が流れる中、プログラムに従い適切なエクササイズを指導。火・木曜10:00〜18:00 1回(60分)8,400円

   

ジュエリーデザイナー
小原沙優さん(6月)

Profile
こはら・さや●埼玉県桶川市生まれ。高校卒業後、ヒコ・みづのジュエリーカレッジジュエリーデザインコースで3年間学ぶ。昨年4月、オリジナルジュエリー&リフォーム「SHINKO」にジュエリーデザイナーとして入店。プライベートブランド「月野」をはじめ、オーナーデザイナー米井亜紀子氏とともに、和彫りを現代風にアレンジした新ブランドを展開中。
■オリジナルジュエリー&リフォーム「SHINKO」 世田谷区船橋1-14-12(小田急線千歳船橋駅徒歩3分) TEL.03-3429-8077
http://www.shinko-gem.com 

和彫りをモチーフにしたオリジナルに意欲

 小さな頃から絵を描いたり、工作が得意な少女だった。「将来はジュエリーデザイナーになる」と固く決意、ジュエリーカレッジへの進学を迷うことなく決めた。昨年「SHINKO」に入店、デザイナーとしての第一歩を踏み出した。
 プライベートブランド「月野」を展開する彼女を、オーナー米井氏は「研ぎ澄まされたデザイン力と豊かな感性の持ち主」と評価。オリジナルデザインを模索していた小原さんにとって、「ジュエリーの歩み100年展」で見た簪や髪飾りに施された美しい彫り物は衝撃的だった。江戸時代に花開いた和彫りの技術は、熟練の職人が松竹梅や花、鳥などを彫り上げた日本古来の伝統工芸だ。
 「この技術を現代風にアレンジしたい」と、オリジナルデザインを考案。満月をダイヤに見立て、すすきを描いたり、梅に鶯、竹に雀など、シンプルでモダン、繊細なジュエリーは、「SHINKO」の新ブランドとしてデビュー。「お客様に説明する上で制作を知ることは大切」と、職人のもとに足を運び、技の修得にも意欲。さらに「つくる楽しさを伝えたい」と、1日体験ワックス教室(参加費2,000円)の講師も務めている。
 オーダーやリフォームは依頼者の希望を的確にデザインに起こし、途中経過も見せながら完成。「ジュエリーを手にした時に見せるお客様の笑顔が最高の喜び」と、話す小原さんだった。



手前から、「結城(ゆうき)」K18・K18WGダイヤリング157,500円、「薄(すすき)に月」K18ダイヤリング84,000円

   

ジュエリー作家
周防絵美子さん(5月)

Profile
すおう・えみこ●1966年東京生まれ。92年東京芸術大学大学院美術研究科彫金専攻修了。在学中から公募展、グループ展に出品し、94年の初個展を機にジュエリー作家として本格的活動に入る。海外展にも積極的に出品し、95年IHM,“TALENT’’95”バイエルン州賞・TALENT賞、96年花のすみか大賞展&98年日本ジュウリーアート展大賞、2006年度五島記念文化賞 美術新人賞受賞。五島財団の助成で来年3月渡独、ホルツハイムを拠点にヨーロッパ各国の伝統技術を学び、作家やギャラリーとの交流をはかる。www.suo-emiko.jp

既成概念破るジュエリーに五島記念文化賞

 金槌やヤスリの音が子守歌がわりだった。平成18年度五島記念文化賞「美術新人賞」受賞の報に、彫金家だった父親は「よかったな」とひと言。工房を遊び場に育った娘は「父の影響が大きかったのかも知れません」と振り返る。
 大学では工芸全般を学んだ後に彫金を専攻した。しかし、「日本の美大にはジュエリー科すらなく、まだまだアートジュエリーに対する認知度は低い。そんな中で私のジュエリーが社会的に認められたことは何よりも嬉しい」と笑顔がはじけた。
 ジュエリー作家となった今も、自宅が工房。大学のように金属加工機械を置く場所や、大きな火を使えるスペースもない。そこで素材も技術も”周防流“。「道具はないが時間はある」と発想を転換、極細の線材や金属の薄板、箔、透明な樹脂に着目し、アートに昇華させる緻密かつ繊細な手作業。「1本、1枚では存在が希薄な素材も、それらを集積すれば力強いモノに変化し、身に着けることでまた異なった表情を見せてくれます」。
 ステンレスや銀、銅、真鍮材を操り、箔を配したネックレス、リング、ブレスレットなどが放つ圧倒的な存在感。「身に着けたジュエリーから落ちる箔はまるで移り香のようです」というから驚き。どの作品も軽く、留め金を改良したブローチの機能性にも目を白黒。「近作は金属メッシュに鏨(たがね)で刻印し、今を表現」と語る、金工作品も手がける期待の大型作家だ。



《Necklace》stainless steel, silver, gold(K24.K14)leaf, 460×460×115mm

   

トゥーラン鍼灸マッサージ治療院オーナー
山本有香さん(4月)

Profile
やまもと・ゆか●世田谷区生まれ。東京健康科学専門学校でスポーツインストラクターの資格を取得。その後東京医療専門学校鍼灸マッサージ科に進み、スポーツ選手のケアの仕事に。2004年5月、自宅の一室に治療院を開業。

女性の悩みを解消する至福のひとときを提供

 スポーツインストラクターを目指していた山本さんだったが、体を壊したのをきっかけに「体の不調に悩む人々の手助けをしたい」と鍼灸の世界へ。医療専門学校で東洋医学や解剖学を3年間学び、国家資格のあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の資格を次々と取得した。
 スポーツケア治療院でその腕を発揮していたが、「お客様一人ひとりと向き合う時間が欲しい」と発奮。自宅の一室を改装して治療院を開業した。確かな医療知識を持つ国家資格保持者の施術が、静かな環境の中で受けられるとあって、リピーターが続出。「女性特有の悩みもここでならゆっくり聞くことができ、満足のいく治療ができるようになった」と話す。
 鍼灸に加え、足のトラブルを解消するポトロジー、美肌や痩身効果が期待できるデトックス、発毛剤併用で薄毛の悩みを解消するインディアンヘッドマッサージなど、新メニューも積極的に取り入れ、体の不調から頭、足のトラブルケアまでトータルに対応する施術を心掛ける。さらにケアマネージャーの資格も取得。高齢者向けの生活サポートや自宅出張してのケアにも力を注いでいる。
 そんな毎日を送る山本さんだが、年数回、パラオやセブ島にスキューバダイビングに出かけてスポーツを楽しむアクティブウーマンでもある。
■トゥーラン鍼灸マッサージ治療院:世田谷区成城5-25-27(小田急線成城学園前駅西口徒歩6分 治療:はり、きゅう、デトックストリートメント、インディアンヘッドマッサージ、ドイツ式フットケアポトロジーなど TEL.03-5490-2272・予約制 http://turan.or.tv/



女性による女性のための治療院。痩身効果が期待できるオイルセラピーを施術する山本さん

   

株式会社明輝 会長&渋谷区名誉区民
黒柳勝太郎さん(3月)

Profile
くろやなぎ・かつたろう●「鴫立庵」庵主、鈴木芳如さんが中国の詩人・陶淵明の「春夏秋冬」の一説から名付けた社名「明輝」会長。創業からの歩みは、創立50周年誌『吊り橋を渡る』に詳しいが、プラスチック金型業界で異例の大規模化に成功した。その夫を支えたのが、新婚10日で戦地に送り出した妻妙子さん。1男3女に恵まれ、孫とひ孫が12人。思い出の東京工場跡地に住まい、渋谷区美術振興財団理事長、渋谷都市整備公社社長など10指に余る公職をこなす。

工業の発展・活性化に貢献の功で名誉区民

 渋谷区に21年ぶりに名誉区民が誕生した。山下廣光、平岩弓枝の2氏と、金型の明輝会長、黒柳勝太郎さん(89)である。渋谷工業協会、渋谷区工業協会連合会役員・会長として活躍し、工業の発展・活性化に多大な貢献と顕彰された。
 名誉区民の報は、桑原区長から直接電話で受けた。「資格があるかどうか戸惑ったが、商業と情報の街・渋谷で、よくぞ工業に目を向けてくれた。勲五等双光旭日章の受章よりうれしい」と相好を崩す。
 大正6年2月1日、麻布に生まれた。15歳で明治屋の小僧に入るが、「腕に職(技術)をつけろ」という父親のすすめで昭和23年、芝白金で独立。文字通り裸一貫から町工場を立ち上げた。浮沈の激しい金型業界にあって、独自の技術と生産設備、人材育成、営業体制の確立、英、マレーシア、メキシコなど海外進出に打って出るなど立志伝中の人物である。 
 日中事変で中支、大連と2度の出兵。網膜剥離、腰部脊椎管狭窄症と2度の大病を克服した「強運」の持ち主でもあるが、企業と業界団体の二足のわらじ。金型業の地位の向上を目指し、「業界独自の健康保険組合づくりに奔走、保養所もできた」と述懐する。「帝王学」をたたき込んだ長男告芳氏に70歳で社長の座を譲るが、「先輩、恩師、同業者との交流に恵まれ、目の前の仕事を一生懸命やってきただけ」と、自らの来し方を振り返る。



19歳に始めた俳句と55歳で始めた日本画。晩酌後に「舞妓」を描いたことから自称「夜なべ画家」。62歳で初個展を開き、画句集も発刊

   

Bee’s Chat成城 オーナー&講師
井草真弓さん(2月)

Profile
いぐさ・まゆみ●千葉県市川市生まれ、世田谷区在住。フリーパタンナーを経てパッチワークの世界へ。江戸川を皮切りに成城学園前駅北口にショップ&スクールをオープン。昨年12月には同駅南口の住宅街に移転。自宅裏にある一軒家のショップには材料、用具をはじめオリジナルキットも。2階には少人数制で指導するスクールがあり、入会金8,000円、月2回5,000円(材料費別途)。TEL.03-3415-2833 http://www.bees-chat.com

パッチワークの魅力は「配色の妙と立体感」

 パタンナーの仕事柄、まわりには布があふれていた。子育ての傍ら、趣味で始めたパッチワークだったが、さまざまな端切れをつなぎあわせることで生まれる配色の妙、さらに縫うことで生まれる立体感が楽しめる手芸にすぐさま魅了された。自己流で布を並べて配色を考え、疑問点は教室に通って解消、腕に磨きをかけた。油絵の経験と重ね合わせ「一枚の絵を描くような感覚が、布で再現できるのが魅力」ときっぱり。
 井草さんは明るい色調のアメリカン(カントリー)キルトが得意、キルト専門誌でも多数作品が紹介されている。一軒家をリフォームした新ショップには「いつの間にかこんなに増えてしまった」というタペストリー、ポーチ、バッグなどのオリジナルキットが50種類以上。初心者から上級者まで通うスクールは、アットホームな雰囲気が人気だ。
 全国からキルトイベントへの出店依頼が絶えない。「一年中引っ越しをしているみたい」と笑うが、コンテナに材料や作品を詰めて全国を飛び回っている。「言い出したら聞かない性格なので」という彼女の姿に家族も応援。商品棚はご主人が作り、ホームページは息子さんが担当するなどバックアップ。国内最大級の「東京国際キルトフェスティバル」(1月20日〜28日、東京ドーム)にも出店というから、是非足をはこんでみたい。



親切丁寧に指導するスクールでオリジナル作品に挑戦(左が井草さん)

   

日本大学駅伝監督
小川 聡さん(1月)

Profile
おがわ・さとし●1957年相模原市生まれ。中学時代に陸上を始め、日大文理学部を卒業後、日産自動車入社。選手兼マネージャー&コーチの傍ら日大コーチを務め、89年から横浜銀行女子陸上部監督、91年全日本大学駅伝で初V。2002年日大駅伝監督に就任し、03・04年の出雲駅伝で連続V、05年全日本大学駅伝で14年ぶりのV。雪で新幹線がストップし、タクシーを乗り継ぎスタートに間に合った第54回箱根駅伝7区で3位の快走は、今も語り草。48歳、藤沢市在住。

新春の箱根駅伝、日大Vに賭ける名伯楽

 新春を告げる第82回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)まで、あとわずか。3連覇を狙った10月の出雲選抜駅伝で5位、11月の全日本大学駅伝では豪雨の中でゴールインし、14年ぶり2度目の勝利にわいた日大チームを率いる“名伯楽”である。
 部員は91名。「やんちゃ坊主の集団。目標、目的に向かって好き勝手にやらせています」と笑うが、10,000mで30分を切る選手が20名以上というスピード型のチーム。「襷(たすき)は心」をスローガンに、北海道・深川、館山などで合宿を行い、沈着冷静なレース運びで勝利に導いてきた。
 「一緒に勝とう!」と勧誘した1年生が4年生になった今年は、”勝負の年“。駅伝シーズンを締めくくる1月2・3日の箱根駅伝は、史上3校目の5連覇を狙う王者駒大、出雲を制した東海大など混戦が予測されるが、「万全の態勢で臨めなければ負け。病気やケガなど故障者を出さないように気を引き締めたい」ときっぱり。 
 熱を帯びた選手たちの練習も最終段階。「全日本で区間新の快走でトップに立ったサイモン(2年)の出場は決めている」というが、残る9人の名を告げるのは大会4日前。大手町〜箱根10区(往復217・9km)をつなぐピンクの襷に、自らお守りを縫い付ける日は近い。駅伝というチームスポーツで 連覇の難しさを知る百戦錬磨の伯楽だが、「やっぱり勝ちたいですね!」。

ずぶ濡れになってゴールする日大・下重選手=11月の全日本大学駅伝&スローガンを染め抜いたTシャツ www.nichidai-ekiden.jp/

     

USボーカル教室三軒茶屋校
ボーカルインストラクター
桜井奈美さん(12月)

Profile
さくらい・なみ 埼玉県生まれ。テレビのレポーター、アシスタントの仕事を経て、音楽事務所のスクールで約4年間歌のレッスンを積む。昨年4月にUSボーカル教室三軒茶屋校オーナー兼ボーカルインストラクターに。子どもから大人、さらにプロを目指す若者の指導にあたっている。
■USボーカル教室三軒茶屋校:世田谷区三軒茶屋1-39-5 メゾンデスタチュB1F(東急田園都市線三軒茶屋駅徒歩1分) 営業時間12:00〜21:00 月曜、祝日休み 入会金10,500円 グループレッスン月4回8,000円 マンツーマンレッスン月2回10,000円〜 30分無料体験レッスン(要予約)受付中 フリーダイヤル0120-57-4022
http://us-v.com

歌うことの楽しさ、喜びを多くの人に伝えたい

 ジャズクラブやライブハウスでのソロ、ヒップホップグループのバックコーラスなどの活動で、プロ歌手を目指していた桜井さん。「将来は起業したい」と考えていた彼女の目に飛び込んできたのが、雑誌に紹介されていたUSボーカル教室オーナー募集の記事だった。
 全国で約90か所、6,000人以上が歌のレッスンに励む同教室だが、フランチャイズ契約を交わしたのは2番目という早業。オーナーになって1年間は本部のスタジオで指導、昨年4月に念願の三軒茶屋校を開校した。

 ”歌う側“から”指導する側“に立場が変わったことで、「指導することの難しさを実感した」という。「生徒が何を望み、どこが弱点か見極めることが大切」と、これまでの経験を生かして親身の指導を心掛けている。また、年3回の発表会やクリスマスパーティーなどのイベントで生徒との親睦をはかる。
 「引っ込み思案の性格が直った」「仕事に自信がついた」など、大きな声を出すことは歌以外にも思わぬ効果が。また、ボーカルに大切な腹式呼吸を身につけることで、「美容や健康、ダイエットにも効果があります」とアピール。今後は、女性を対象にした美と健康をサポートするセラピストの仕事にも意欲を燃やす。

基礎から本格的レッスンまで発声、メロディ、リズム感など一人ひとりに合わせた指導が人気(左が桜井さん)

     

ハンドベル奏者
波崎百合子さん(11月)

Profile
なみざき・ゆりこ 横浜市青葉区出身。幼い頃からピアノを習い、13歳から打楽器を始める。東京コンセルヴァトアール尚美卒。打楽器を日比一宏、河野玲子、石内聡明各氏に師事し、現在、「きりく・ハンドベルアンサンブル」、打楽器楽団「鼓豆座」、パーカッショングループ「PINK GRAPE」、吹奏楽団「Blitz Brass」で活動。その傍ら、関東地区の中・高校の打楽器講師を務める。
■[ハンドベル with アカペラ・クリスマス2005]浜離宮朝日ホール:12月5日11:30〜 2,800円、19:00〜 4,500円、フィリアホール:12月8日19:00〜 4,000円(各全席指定) 予約:TEL.03-5978-3311・日本アーティスト http://www.kirik.info/

きりくがクリスマスに贈る「天使のハーモニー」

 管・打楽器出身の若手が中心の「きりく・ハンドベルアンサンブル」。デビューに向けて雌伏2年、昨年から本格的な演奏活動を始めた。メンバー6人の小編成だが、新人離れした技量、音楽性で注目を集めている。
 波崎さんは、そのひとり。横浜・元石川高校で吹奏楽に打ち込み、その後、専門学校で打楽器を学んだ。マリンバ奏者兼講師として活躍中だが、ハンドベル界のトップ奏者として評価の高い大坪泰子さんが「メンバー募集」の報に、名乗りをあげた。「ハンドベルにはリズム感と瞬発力、また握力が必要です」と語る。
 独特の倍音効果から「天使のハーモニー」とも呼ばれるハンドベル。
きりくは6人のメンバーで5オクターブ半、68個のベルを操る。直径5〜40cm、重いものは4kgに及ぶが、「演奏方法もリングを基本に、振り子をはじくプラック、連打のシェイクなど多彩で、その魅力はつきません」。
 12月に向けて練習も熱を帯びてきた。混声アカペラグループ、ザ・ヴォイシズとの共演で「ハンドベル with アカペラ・クリスマス2005」を開く。「アメイジング・グレイス」「ハッピー・クリスマス」ほかの名曲に挑む。
 「きりくとはサンスクリット語で”千手観音“の意味です」というが、なるほど、6人のシルエットはそれに近い。

メンバーは左から時計回りに、溝口綾子、福田義通、染谷ゆかり、波崎百合子、小山恵理、リーダーの大坪泰子の6氏

   

女 優
黒川芽以さん(10月)

Profile
くろかわ・めい 1987年東京都生まれ。97年NHK「鏡は眠らない」(文化庁芸術祭参加作品)でデビュー。映画「クラヤミノレクイエム」「問題のない私たち」、舞台「舞い降りた天使」をはじめ、「ケータイ刑事 銭形 泪」「ハート」「天使みたい」など、テレビ出演も多数。そのほか、CM出演、写真集・DVDの発売、歌手としてマルチに活躍する注目の若手演技派女優。10月3日から放映のNHK朝の連続テレビ小説「風のハルカ」では、ヒロインの妹役アスカを熱演。趣味はピアノ、カメラ。
■青空のゆくえ:突然転校することになったバスケ部キャプテン正樹を中心に、初めて経験する本当の別れに動揺する仲間たちの友情、恋を描く青春映画。シネ・リーブル池袋で公開中。
 http://www.aozoranoyukue.com

映画「青空のゆくえ」公開で注目される若手演技派

 三軒茶屋を舞台に、中学生最後の夏休みに起こる別れ、恋、友情を描く青春映画「青空のゆくえ」。この作品で淡い恋心を抱く真面目で成績優秀な学級委員長、亜里沙役を演じている。
 約1,300人のオーディションの中から選ばれたメインキャスト9人は、ほぼ同世代。撮影は昨夏の猛暑の中で進められた。チームワーク合宿で友好を深め、撮影中には休憩時間に机を並べて食事をしたり、お互いを役名で呼び合うほどに。
 「大人の方でも同じような経験を持っているはず。個性あふれるキャストの中に自分を重ねあわせてそんなシーンを見つけてほしい」とPR。さらに「三軒茶屋は温かみがある街」と撮影当時を振り返る。
 目標とする女優さんは? との問いには「どなたも個性があって素敵。誰ということではなく、今、目の前の仕事を精一杯こなしていきたい」と話す。「いろいろな人間、職業を演じられるのが女優の魅力」ときっぱり。これからはおとなの女性、悪女など「どんな役柄にもチャレンジ」と意欲をみせる。
 現在は連続ドラマの撮影で毎週大阪に。多忙な毎日だが、休日には友人と食事や買い物、趣味のカメラ撮影に出かける普通の高校3年生に戻る黒川さんだった。



映画のワンシーン(左が黒川さん)

   

桜新町アーバンクリニック院長
鈴木智毅さん(9月)

Profile
すずき・ともたけ 1968年千葉県生まれ。東京慈恵会医科大学総合内科助手、循環器内科助手、英国ロンドン日本クラブ診療所勤務を経て、4月から桜新町アーバンクリニック院長。医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医。世田谷区内で妻、娘と3人暮らし。
■桜新町アーバンクリニック:世田谷区新町3-21-1 さくらウェルガーデン2F(東急田園都市線桜新町駅北口徒歩2分)/診療科目:内科・小児科・循環器科・外科・人工透析 診察時間:外来 月〜土曜9:00〜13:00 14:00〜18:00(日・木曜、土曜午後休診)、人工透析 月・水・金曜9:00〜18:00/TEL.03-3429-1192 www.plata-net.com/

「健康の相談は気軽にどうぞ」と語る平成版 “赤ひげ”

 メスを片手に、どんな患者も治してしまう手塚治虫原作の『ブラック・ジャック』。「ボクは、このマンガで育った世代」というが、テクニックを競う天才外科医ではなく、あらゆる疾病を診る平成版 ”赤ひげ“の道を選んだ。
 「妻の後押しはあったが、帰国後に第一線の大学勤務医を続けられる保証はない」と不退転の決意で、英国・ロンドンの日本クラブ診療所でGP(家庭医)を務めた。駐在員とその家族、旅行者らが患者だが、日本と異なる英国の医療環境で不必要な検査や投薬より患者とのコミュニケーションの大切さを実感、日本の従来型医療を見直す好機でもあった。
 オープンカルテを導入し、地域住民の”かかりつけ医“を目指す医療法人社団プラタナスが白羽の矢、帰国後、桜新町アーバンクリニック院長の任に就いた。診療科目は5科にわたるが、専門医がそれぞれの専門分野を生かし、互いに連携をとりながら患者の健康を総合的、継続的に診療する。
 リラックスできるホテルロビーをイメージした待合室に加え、鍵のかかる英国風診察室を要望し、プライベート空間を実現した。また、医師と患者が対等な関係を保てるように同じゆったりとしたイスを使い、「白衣を着ない診療スタイルが小児外来に好評です」と相好を崩す。
 5歳になった娘の将来を「多国語を活用する仕事に」と親バカぶりを発揮するが、自らも、英会話に磨き。ブラック・ジャックをののしった仕立屋が、「天使だね」と結ぶ第1話。地域住民のみならず、言葉の壁にぶつかる外国人にとっても天使となりそうだ。