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川島央子ノートプログラムノート
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 27 Nov. 2002
春の祭典


秋だけど
 先日ソルフェージュの授業で「春の祭典」の生け贄の踊り(一番最後の部分)を採りあげたのですけれど、練習番号192と197の拍子とリズムが取りにくく、生徒達がとても苦労していました。ところが、授業の最後にストラヴィンスキー指揮のCDを聴いてみたら、全く同じ箇所であわや止まるかというくらい危なくなっていて、なんだか可笑しくなりました。生徒達も思いっきり反応していました。
 
 でも、その後家に帰ってペトルーシュカと春祭を聴いてみたら、オーケストラの全ての楽器がとても表情豊かに鳴っていて、それぞれの音型が持っている独自のゼスチャーの様なものが感じられました。ストラヴィンスキーが考えていた音楽の形がよく見える演奏でした。(ちなみにブーレーズの演奏とはだいぶ違ってそれも面白いです。)

 今年の夏に佐渡裕の指揮で聴いたのは、やっぱりイケイケでアグレッシブだったなぁ。

 後日渋谷のHMVに行ったときに、自作・自演の全集を買ったのですが、9枚組でとても短い曲まで録音されていてびっくりです。そもそもあまり沢山の曲を知らないので、これでストラヴィンスキー通に、と意気込んでいます。


 25 Nov. 2002
音楽の未来


アートな壁
 ラトル指揮・VPOのベートーヴェンの第9のCDを聴きました。数年前にバーミンガム響と来日した際のコンサートで、それまで聴いたことのない運命の演奏に衝撃を受けましたが、それ以来はじめて聴いたベートーヴェンでした。・・・。やはりこれまでに聴いたことのない演奏でした。「過去の繰り返しではなく発展性のある変化を求めていた」ベルリンフィルが彼を選んだ理由がよく分かりました。過去を見つめ、学び、未来へ向かう創造。こういう人と同時代を生きていて幸運だ、と思います。今後のラトルがほんとうに楽しみです。

 22 Nov. 2002
寒い一日


どもども
 だいぶ寒くなってきましたね。私は冷え性なので冬が大の苦手。で、どうやって暖まるかといえば、やはりピアノの練習が一番。今さらっている曲の中では、ショパンのソナタの第4楽章が、ダントツで運動量が多いです。すぐに体がホカホカしてきます。でも指を酷使するので、十分なウォーミングアップの後でないと、手を痛める危険があります。よい子はまねをしないでね。その反対にさらに寒くなってしまうのは、同じソナタの第3楽章とか。作曲やソルフェージュのレッスンをしているととても体が冷えてしまいます。

 まだパリにいた頃、ストで交通機関がすべて麻痺している雪の降る日に、6キロの道のりを歩いて、教会にクリスマス・オラトリオを聴きに行ったことがあります。でも、あまりの寒さに凍えて、だんだん眠くなってしまって、「うう、このまま眠ってしまったら凍死してしまうかも」と思い途中の休憩で帰ってきてしまったことがありました。でも、フランス人に「あら、まだコンサートは半分しか終わってないわよ」とたしなめられました。恐るべしフランス人、「やはり体力がちがうのだわ〜」と実感した次第です。

 13 Nov. 2002
GARDIENS de PHARE


赤プリ
 昨日、赤坂区民センターで行われたジャン・グレミヨン監督の無声映画「灯台守」(1928)を観にいきました。フランス人若手作曲家ジャン・ルイ・アゴベの作曲した音楽の生演奏とともに上演されるという贅沢な企画。アゴベ本人がフランスからはるばる来ていました。演奏は東京シンフォニエッタのメンバー・クラリネットの板倉さんから前日にチケットをいただいたので、何も予備知識なしで、無声映画を見るのも初めてです。

 アゴベは映像の美しさに心惹かれたといっていましたが、たしかに、カメラ・ワークはすばらしく、音楽もよく合っていたと思います。話はとても暗くて、終わった後でどっと疲れてしまったけれど、東京シンフォニエッタの演奏、本当に映像にぴったりのタイミングでした。ブラボーです。

 帰りに、ニュースでもやっていた有名な赤プリのツリーをみて、暗い気持ちからあっという間にほのぼのした気分になって、そしてぺこぺこのお腹のことを思い出したのでした。

 11 Nov. 2002
ラトルのCD


ORIHIME
 最近はインターネットでCDを購入することが増えました。サイモン・ラトル指揮マーラーの交響曲第1番と第5番が昨日届いて、早速第1番を聴いてみました。10年ほど前にバーミンガム響と録音した物です。マーラーの音楽は派手だと思われがちですが、これは非常に流麗で抑制の利いた演奏です。すべての音がバランスよく、あるべき所にぴったりはまっていて、1枚の完成された絵をみるようです。特筆すべきなのは、ラトルのテンポは決して遅いわけではないのですが、速いパッセージのひとつひとつの音が、すべて非常にゆったりと聞こえることです。それによって、全体としてふくよかで、丸みのある響きが生まれています。第5番の方は今年の9月にベルリンの音楽監督として初めてのコンサートのライブ録音なので、今から聴くのが楽しみです。

 竹野内豊主演の「冷静と情熱のあいだ」を見ました。順正とあおいの10年に亘る想いが描かれた作品ですが、この中で、チェロ弾き(
柏木広樹さん)がとても重要な役割をしていました。登場するシーンは短いのですが、とても印象に残りました。誰にでも思い出の曲というものがあると思いますが、この映画を見るとその曲の事を思い出すかもしれません。

 8 Nov. 2002
LIMIT CYCLE


空の下
 6日にテシュネ先生のリサイタルがあり、LIMIT CYCLEという曲を発表しました。コンサートの始めに音響テクニックのトラブルがあって、少し遅れて始まりましたが、立ち見が出るほどの盛況で、和やかな楽しい会となりました。

 7人の作曲家がこの日のために、すべて新作を書き下ろした全曲世界初演の意欲的なプログラム。皆それぞれ指向しているところが違って、しかも、やりたいことがはっきりしていたので、バラエティーに富んだ曲目だったし、テシュネ先生はもちろん、共演した尺八の藤原さん、三味線と箏の田中さん、笙の宮田さん、皆すばらしい演奏を聴かせてくれました。

 私の曲は尺八、三味線、チェンバロという編成。曲の題名、LIMIT CYCLEは本当は非線形力学の用語です。といっても、私には非線形力学が何なのかはさっぱりわからないのですけれど。プログラム・ノートにも書きましたが、4分の4拍子8小節の周期でフレーズが繰り返されていくうちに、次第に主題となっている旋律が現れてくるように作りました。曲は主題の冒頭で途切れるように終わるのですけれど、そこからまた曲の始めに戻ることも出来て、永遠に循環することも可能です(まるでケージみたい)。自分としては、だんだん作曲も楽しくなってきて、この作品は今までの曲の中でも、気に入っている曲のひとつになりました。

 コンサートにいらしてくださった方々、本当にありがとうございました。

 1 Nov. 2002
ごあいさつ


ぴこ
 こんにちは。最近の私はとても幸せ。音楽を作ったり、演奏したりすることで、人の心の中の奥深くにある、とても暖かくて優しい部分に触れることができるから。沢山じゃなくてもいいから、小さな喜びと幸せの芽を大切に育てていきたいと思っています。

管理人より
 川島さんのHPを作ろうと思い立ってから3日で作ったものなので、内容はまだあまりありませんが、これから少しずつ増やしていくつもりです。音楽家・川島央子を末永く見守って下さるよう、どうぞよろしくお願いします。