Hiroshi Imamura Web Page 〜風車ノート〜
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Information  風車ノートは風車の理論や研究に関連する事柄を思いつくままに書いた雑記帳です。
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風車の役割 1 2 3 4
9 Jun. 2011
2011年3月11日の大地震による震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復興を心よりお祈りしております。

福島での事故の影響もあり、風力発電に関わる仕事をしておりますので、お会いする方には、風力発電に対する期待を口にされる人がいる一方で、残念ながら、風力発電に対する誤解に基づいた認識を持たれている方も少なからずいらっしゃいます。3・11以降、マスメディアの記述の中にも、風力発電に関して、少しずつ理解が広まっているようにも見えますが、風力発電に関する一般的な認知度はまだ低いように思われます。

ここでは、なぜ、風力発電なのかについて、公開されている情報を元にして、少しでも風力発電に対する理解を深めていただくことを目的に資料をまとめてみました。あまり深堀りはしませんので、ご興味のある方は、インターネットなどで更に詳しく調べていただければと思います。

■ 風力発電のコスト
図1.1はNEDOがまとめた再生可能エネルギー技術白書から引用した図です(頁130、図表3.46)。この図は、再生可能エネルギーの発電コスト(1kWhの発電に必要なコスト)について、IEA(国際エネルギー機関)がまとめた2030年の予測値も含んだ比較です。


  図1.1 風力と他の再生可能エネルギーの発電コストの比較

図1.1から、風力発電は、再生可能エネルギーの中でも安価な発電の一つであることが分かります。

■ エネルギーの性能
性能と言っても、ここでは、風車製造・運転に必要なエネルギーに関する評価指標のことです。再生可能エネルギーの性能(産総研によるまとめ)を評価する指標として、EPRとEPTがあります。それぞれの定義は次の通りです(産総研HPから引用)。

EPT(Energy Payback Time)
ライフサイクル中に投入されるのと同じだけのエネルギーを、発電によって節約できるまでに必要な稼働期間を表します。これが短いほど優秀です。

EPR(Energy Profit Ratio)
ライフサイクル中に投入されるエネルギーに対する、発電によって節約できるエネルギーの倍率を表します。これが大きいほど優秀です。

この、 再生可能エネルギーの性能を見ていただければお分かりのように、風力発電のEPTEPRは、他の再生可能エネルギーと同等以上の性能があることが分かります。ただし、EPRとEPTは研究者によりその数字にばらつきがあります。

■ 風車のCO2排出量
同じ産総研のHPには、電源別のCO2排出量が載っています。この図を見ていただいても、風力発電のCO2排出量(製造や輸送・建設時がほとんど)は、再生可能エネルギーの中でも、最も少ない発電方式の一つであることが分かります。

■ パラダイムシフトのために
上の数値を見て明かのように、風力発電は、コスト、エネルギー性能、CO2削減効果が優れていることが分かります。このため、再生可能エネルギーの中で費用対効果の高い風力発電を選択する国が多いのです。つまり、導入を進めるだけの論理が明確なのです。

さて、これを書いたのは、私の顔見知りのある先生から、@日本は土地が狭い上に、風車の騒音のため、立てる場所がないのではないか、A風車を作るにはエネルギーが必要で風車の発電では回収できないのではないか、と言われ、ショックだったことも理由の一つです。Aについては、上のご説明に書いた通りですが、@については、理屈ではない要因もあるので、別の項で書きたいと思います。ただ、その先生にも、このような光景を見ていただきたいと思います。


風車とこどもたち


このような光景が、被災から復興された土地で、近い将来に実現することが私の希望です。


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