INDY JAPAN 300 観戦記
【前編】
2004年3月17日 午前5時15分
田舎くせえ福島では、まだ始発の電車がようやく動き出した頃のこの時間、俺と友人Kは駅のバスターミナルにいた。そう、何を隠そうこの日はアメリカのIRL(インディー・レーシング・リーグ)が日本上陸し、栃木県ツインリンクもてぎでそのシリーズの第3戦目がインディ・ジャパン300と称され開催されるのである。
福島と栃木…、同じ東北なんだし近いんじゃねえの?っていう人もいるだろうがそうではない。福島は福島でも俺の住む地方は県の上の方、そしてツインリンクもてぎは栃木県は栃木県でも県の下の方。遠いのだ、電車代を計算したら片道1万円を軽く越えてしまうのだ。
これは高校生のオレらにゃ辛い…
金がねえ方が青春の学生っぽくていいじゃん!って言うけど、こればかりは金が無くちゃあどうにもなんねえ。特に俺は生徒会なんぞやってるお陰でバイトなんかしてる暇はなく、往復3万円近くを稼ぐ術を見つけることは出来ず。
なら先人を見習えばよろし、あるお金を使えばよろし、貯金しておいた金を使えばよろし…
そう、先人を見習おう。栗原恵を追い求めるが為に6万円もするカメラを購入しヤツを見習うのだ。
…無理だ。いくらレースを見るためとは言え、ヤツのように漢となる自信はない。どうしよう、あきらめようか。
そんなときに発見したのが読売旅行のツアー。バスで行くツアー。これだと料金はバス往復プラス観戦券付きでたったの5800円
GJ読売旅行!!
というワケで、セブンイレブンで買った新発売の『わらび餅』を頬張りながら俺達はツインリンクもてぎへと向かう。いや、けっこうわらび餅おいしいんだっけ。…あと俺らはまだ集合時間が5時過ぎだったからまだ良かった方ではあるのだが、山形が出発地だった人は悲惨なもので、上山温泉の出発時刻は3時過ぎと書いてあった。眠い中ご苦労様です。
ツアーの参加者は30台の夫婦もいれば50台の夫婦も目に受ける。基本的にはおじさんが多く、社内旅行であるのか、後ろの席では7時を過ぎたばっかだというのに早くもビールを飲み始め、おおはしゃぎをしだす始末。全体的におとこくせえ雰囲気だった。
そして
途中のドライブインで暇つぶしにガチャポンで
IQゲート
っていう知恵の輪を買って30秒でクリアして
出発してから約4時間…

到着!!
さっそく俺達はバスを降り
俺は1500円の公式プログラムを購入し
まずはホンダ博物館へ…

ホンダF1…

歴史と共に歩んだ名車を間近で見て

感動し…
いざ本陣へ!

天気は快晴
オーバルで行われるレースは雨だと中止になっちゃうので
この天気はホント嬉しい
ゲート前ではHONDAのねーちゃんが応援旗をくばってた。別にこれといって深くHONDAを応援する気ではなかったが、とりあえず友達の分を合わせ2本を貰っておく。
そしてゲートの中へ…

!!
なんか変な人だかり発見!!
誰かな?
誰かな?
芸能人かな〜?
多分MOBIのロケも来てるだろから
V6の長野かな〜?
中山エミリかな〜?
それともオープニングセレモニーに出るとかなんとかの
小倉優子かなあ〜?
ちょっと横に回って…
だ〜れだ?

出川――――!!!
というわけで、新婚ホヤホヤの出川哲郎に遭遇し、400万画素を誇る友達に借りたデジカメで出川の毛穴が見えるほど鮮明の写真を撮ることに成功し、すっかり気分はハイに。それにしてもこの日のツインリンクもてぎは熱気に包まれていた。空が快晴ということもあるんだろうが、何より人が多い。外人もいっぱいいた。インターナショナルな雰囲気である。
入り口前にはインディーカーやストックカーが飾ってあり、間近で拝むことが出来た。触るなとか書いてないのでみんなペタペタ触っていて、無論それに釣られるように俺もさわる。レーシングカーはアルミとか鉄で出来ていてめっちゃ硬いっていうイメージを持っている人もいるかもしれないけど、安全性からマシンのボディに鉄やアルミを使っていることはない。それより遥かに丈夫なカーボンファイバーが使われている。カーボンファイバーってどんなやつ?っていうと、まあカーボン(炭素)だから、鉛筆の芯がスーパーパワーアップしたやつじゃねえの?
イベントも行われていた。上演時間の都合上見ることはできなかったが、HONDAのバイクパフォーマンス(って言えばいいのか?)も行われているようで、見物しようとする人が周りを囲っていた。HONDAのCMでハイロウズの日曜日の使者に合わせてバイクでブーンって岩登ったりピョーンと跳んだり観客の目の前でキキーって停まったりやってるアレだな。他には実際のインディーカーを使ったピットストップチャレンジというのが行われていて、子供達が一生懸命頑張ってタイヤを付け替えていた。IRLの醍醐味はピットストップでもあるから…。
ツインリングもてぎで是非食べてみたかったものがあった。牛串という、串に焼きたて熱々の牛肉の塊をぶっさして食す、多少値が張るものの大胆で豪快なヤツだ。しかし例年は牛串屋だけでいくつか立ち並ぶようだが、昨今のBSE騒動でアメリカからの輸入牛がないため今年はほぼ壊滅状態。しかたないから違うのを食べようとしよう。
俺たちが観戦するスタンドはD席。ツアーのため半強制的に自由席なのであるが、高校生料金の俺たちは自由席もD席も値段が同じなので選択することができた。いちおう読売旅行さんがチケットを買っているということから、友達と2人だけにもかかわらず団体席。ガラガラだと聞いていたこの席もお熱い団体さんで一杯である。
後ろを見るとアメリカの方から団体客が大勢居座っているらしく、早くもオーバーヒート気味。「イェーイ」とかやってて、イメージ通りの外人って感じでちょっと感動。鳴り物持込禁止なのにも関わらずエアーホーンとか鳴らしまくってました。楽しそうで、まざりたかったなあ。
とりあえず昼食を買いに、友人を置いてブラブラ散策に。友達にかき氷買ってきてって言われたのでキョロキョロ探してみたものの、かき氷を手にする人は目にするもかき氷を売っている所は探すことが出来ず。いや、あるんだろうけど面倒だから『売ってねえ。飲み物何がいい?』ってメールを送りそのままゲート近くのお店へ。ブリックヤードという店ではインディ・ジャパン限定のオーバル・てりやき・なんたらバーガーとかが売っていたのでそれを買うことに。しかし物凄い人ごみ、チラリと見えるテレビモニターには何かオープニングイベントやってる様子が映ってるし…。ようやく購入し持ち帰ることに。こちらでお召し上がりになりますか?orお持ち帰りですか?の選択をすることもできず強制的にお盆の上にハンバーガーの皿2つとコーラ2つを置かれ、どうやって持ち帰ればいいんすか、って表情をしてみた甲斐もなく「次のお客様どうぞ」とか絶対その日本語理解できねえだろ、って感じのアメリカ人をレジに通したため仕方なしにケチャップとかかけるテーブルにそれを運ぶ。ちょうどハンバーガーは箱型の入れ物に入れてあったから2つを積み上げ、コーラ2つをその上においてソバ屋の配達みたいに持ってかえる。ブリックヤード恐い恐い。
今回のインディ・ジャパンには日本ボーリングなんたら協会がスポンサーについているらしく、そこの日本ボーリングなんたら協会の親善大使ってことでタレントの小倉優子も顔を出していた。双眼鏡を手にし必死で優子りんを探していた友達であったが、ガレージの中にいたから良く見えねえとかなんとか。ジャイアントスクリーンに映った小倉優子は相変わらず焦点の定まらない目をしていたとだけ伝えておこう。
さて、ビックラこいたのはいきなりのブルー・インパルス、デモ飛行。グランドスタンド後ろから5機が編隊組んでビューンって飛んできてみんな「お〜!」とかそんな感じ。いろんなワザを披露してた。そういえば去年の終わり頃、ツインリンクもてぎの飛行機ショーで事故起こったよなあって思い出してしまった。幸い死亡者は出なかったんだよな、って事故が起こった場所をチラリと見ると既に修繕されていました。事故の形跡は何も無い。
ブルー・インパルスもいなくなり、いよいよインディ・ジャパンが始まる空気。一人ずつドライバー紹介が行われる。意外だったのはロジャー安川、後ろの外人がみんなロジャー応援団だったらしく、ロジャーのタオルとかうちわを持ちながら…
ナレーター『YASUKAWA ROGER〜!!』
外「イェーーーーーーーーイ!!!」
外「ROGERRRRRRRRRRR!!!」
笛 パッパーーーーーーーーーー♪
凄い、凄い応援。ホームグラウンドの高木や松浦よりもスゴい声援。なんでロジャーこんなに人気なのかって少し疑問に思ったけど、とりあえず外人に混ざって俺も騒ぐ。そして変なモノを見るような目で俺を見つめる友人。
ナレーター『...HELIO CASTRONEVES!!』
外「・・・・・・・・・・・・・・」
シーーーーーーーーーン
わあああ、インディ500で2度の優勝を誇るエリオ・カストロネベスなのに一気に静まり返るスタンド、凄く気まずい!
で、それに耐え切れなかったか外人の一人が
外「HELIO−−−−−−−−−!!」
と無駄に浮きまくる声援を送っていた。気まずい空気っていうのは世界共通なんですね、はい。