ニュー 中国留学ガイドブック

                   
2009年11月17日 更新 (第2章 ビザ、健康診断用紙のホームページの更新)

まえがき
 「中国留学ガイドブック」のニュー・バージョンとして、ネット時代に対応した留学手続きの新しい進め方について、ネットの利用法を中心にして説明して行くページです。
 いち早くみなさまに、新しい情報を提供しようと思い、継続的に原稿を書き加えながらの公開とさせていただきました。まだ、これから随時情報を書き加えていくところもありますので、時々、アクセスしてみてください。
 今や中国留学もネットでいろいろと情報と資料を収集できる時代になってきています。中国の留学受入大学のほとんどが、大学のホームページを開設して、中に留学受入状況を案内し、申請表(申込用紙)も搭載しています。
 ですから、これまでのように、中国留学斡旋業者に頼らなくとも、ネットさえ扱えれば、自分で大学のホームページから、留学手続きの申請表をダウンロードして、プリントアップすることも出来ます。
 斡旋業者に何万円かの申込金を払って、大学の願書をもらったり、自分で大学へ手紙を出して願書を請求したりする必要もなくなりました。
 斡旋業者に頼らず、個人で留学の手続きを進めることは、このネット時代には、今では簡単に出来るようになってきています。また、現地に行ってからの事前の勉強にもなるので、ぜひ自分で手続きをしてください。そのためのアドバイスは致します。
 そのためのメールでの質問も受付けています。願書の申し込み用紙は印刷したが、どう記入したら良いのかわからないという人へのアドバイスもします。どうぞメールで連絡下さい。
 ホームページを開いて見ても、使用方法、つまり、どのように各ページに入って行ったら良いのかがわかりにくい場合は、事前にメールを下さり、予約をされて、パソコンの前に座って電話を下されば、一緒に、大学のホームページなどを見ながらアドバイスを致します。

 中国の国家教育部(日本の文部科学省に相当)の下部機関の国家留学基金管理委員会が管理している「中国接受外国留学生普通高等院校通讯录」〔中国側の都合でリンクが出来ない状況になっています〕(=中国受け入れ外国留学生全日制高等教育大学連絡先リスト=留学生を受け入れる中国の大学の連絡先)という、中国の留学受入大学の住所・電話・ホームページアドレス・FAX番号などを掲載し、全国的に網羅している中国公式のホームページが以下です。
http://www.csc.edu.cn/gb/readarticle/readarticle.asp?articleid=567 〔中国側の都合でリンクが出来ない状況になっています〕

 中のホームページ・アドレスはリンクしていませんが、アドレスをコピーして貼り付けてアクセスに使用して下さい。

 上記が使えませんので、暫定的に以下のホームページの大学リストでお調べ下さい。
 また、“STUDY IN CHINA”というホームページには、上記よりは、掲載の都市数及び大学数も少ないですが、中国の留学を受け入れている主な都市の各大学のホームページを、リンク掲載しているリストもあります。こちらは主な大学の留学案内、申請表のダウンロードでの取得にリンクで直接利用できます。

http://www.cscse.edu.cn/publish/portal19/tab788/info1271.htm
 上記の国家留学基金委員会のもいずれのホームページも、内容は中国語で記載されているものです。そこで、これらのホームページに入り、目的の大学を探したり、その大学の必要書類を印刷する方法を以下に説明します。
 ここでは、使用している人が多いInternet Exproler の使用を前提として操作方法について説明致します。


第1章 「留学生を受け入れる中国の大学の連絡先」ホームページの利用
  ・操作手順について
  ・ホームページの利用法がわからない時の相談先
第2章 中国留学の手続きを自分でするに当たって使用する各種ホームページ
   ・ ビザを取得するための中国大使館領事部のホームページ
  ・1年以上の留学申請に必要な健康診断書の用紙を取得するために必要なホームページ
  ・健康診断を受けられる主な病院のホームページ
  ・大学が申込金の事前送金を求めている場合の方法
  ・大学が求めてくる主な必要書類
  ・中国留学を自分で手続きするフローチャート
  ・奨学金留学
  ・中国留学の手引き
第3章 留学を準備するに当たって知っておくこと
  ・事前の中国語学習法
  ・予防接種について
  ・保険と現地の医療体制について
  ・持って行く物の準備について
第4章 現地での生活についての知識
  ・現地での学習方法
  ・送金と現地の銀行について
  ・中国で携帯電話を買う
  ・中国での心得
第5章 留学先大学の選択
  ・選び方の基本
  ・いくつかの典型的受け入れ校の寸評
  ・いくつかの種類の大学についての評価
  ・中国留学の手続きを始めた時に考えてください中国の大学との事前の約束は無意味の場合もある)
第6章 主宰者自己紹介

(これから順次章を増やしていきます)




第1章「留学生を受け入れる中国の大学の連絡先」ホームページの利用

・操作手順について
 ●国家留学基金管理委員会のホームページ
 http://www.csc.edu.cn/gb/readarticle/readarticle.asp?articleid=567 〔中国側の都合でリンクが出来ない状況になっています〕
 ホームページを開いたら中国の地図がでてきます。下段の升目の中の希望する都市名をクリックしてください。各都市の受け入れ大学の連絡先(住所・電話・ホームページアドレス・FAX番号など)を網羅した表がでてきます。最初は文字化している場合があるので、もしその際は、まず、これを修正します。
 表示→エンコード→その他→簡体字中国語 と選んでください。そうすれば、正常な中国語簡体字の漢字になります。例えば、北京の場合で、表の最初に記載されている大学は北京大学です。 文字に間違いがないことを確認して下さい。
 各大学ごとに記載されているホームページ・アドレスを、コピーして貼り付けてアクセスして、各大学の案内資料、申請表をダウンロードで利用下さい。

 ●上記にリンクできるように記載したもう一つの“STUDY IN CHINA”というホームページは、主要大学のホームページが入っているので、これのリンクを使ってダウンロードして大学の申請書類などを取得してください。

 ホームページを開いたら中国の地域別区分で大学リストがでます。希望の都市の大学をクリックしてください。各都市の受け入れ大学を網羅した表がでてきます。最初は文字化している場合があるので、その際は、まず、これを修正します。
 同じように、表示→エンコード→その他→簡体字中国語 と選んでください。そうすれば、正常な中国語簡体字の漢字になります。例えば、北京の場合で、表の最初に記載されている大学は、やはり北京大学です。

  北京語言大学の場合で、申し込み書類を取得する例:
http://www.blcu.edu.cn/
 TOPページ→留学生招生信息→中文版→北京語言大学 留学生処がでます→例えば、ここで出た目次の中から2009年招生時間、学費一覧表をクリックすると学習期間別、学費、締め切り日などを記述した表がでて来ます。
申請表下載をクリックすると、申請表のページがでます。“下載”は、中国語のダウンロードの意味で、“留学生入学申請表下載”をクリックすると留学申請表が出て、プリントすれば申請表が入手できます。
(大学のホームページは頻繁に編集更新されますので、時に、操作の順序が異なる場合もあります)
 なお、北京語言大学への留学申請に必要な書類の印刷は、上記の中文版ページで行い、留学案内、出願手続きなどの案内は、日本語版でお読み下さい。
 各大学の学部の内容を見るときは、TOPページの中の“院系設置”(学部設置)、“院系中心”(学部・センター)、“院系所中心”(学部・研究所・センター)など(注:1)から入ります。
 留学の受け入れについての説明のページは、これらのページの中に置いている大学もありますが、多くは、“留学生招生(信息)”(注2)と記載されたところから入ります。
“院系設置”のページの中になかったり、TOPページに留学生に関係する表示がない場合は“招生就業”、“招生培訓”などの表示の中に入ると、“留学生招生”があるケースも多いです。
 この“留学生招生”のページの中に、留学受け入れを説明した案内(注3)及び手続き方法などを示したページもあります。
 そして、このページの中に、申請表(=申込書)がダウンロードできるようになっているページが作られているケースが多いです。
 留学生を受け入れるオフィスの名称には、“国際(文化)(交流)学院”、“留学生辦公室”、“留学生処”、“外事辦公室=外事処”(注4)などが多いです。

注1:“院系”は「学部」の意味です。“中心”は「センター」の意味です。
注2:“信息”は「情報」の意味です。
注3:日本語の「案内」、「パンフレット」などの意味は、中国語では“簡章”、“簡介”、“介紹”(=紹介)などと記載されます。
注4:“外事辦公室=外事処”は「外事課」の意味で、ローカルなポジションの大学で留学生受け入れが、まだ数少ない大学では、留学生受け入れセクションの上部セクションに当たる外国人全体の受け入れを担当する外事課が対応します。

・ホームページの利用法がわからない時の相談先
 http://homepage3.nifty.com/chinese/information2.html



第2章 中国留学の手続きを自分でするに当たって使用する各種ホームページ

・中国留学の手続きの手順については、まず、本ホームページの「中国留学を自分で手続きする」のページをご利用下さい。

・ビザを取得するための中国大使館領事部のホームページ
 http://www.china-embassy.or.jp/jpn/

→ 1,をクリックしてください。

(ビザは、中国の南の方の大学に、特にその傾向が強いですが、取りあえず、観光ビザで渡航して、大学に入ってからFビザかXビザに切り替える手続きをするからという指示をしてくる大学も多い。上級機関にインビテーションの手続きをする手間を大学は避けられるからと、健康診断でのやりとりの手間も省けるからです)

・1年以上の留学申請に必要な健康診断書の用紙を取得するために必要なホームページ
表面
 http://www.china-embassy.or.jp/jpn/lsyw/bgdy/P020070830386800312002.pdf
裏面
 http://www.china-embassy.or.jp/jpn/lsyw/bgdy/P020070830388594693784.pdf


・健康診断を受けられる主な病院のホームページ
 http://homepage3.nifty.com/chinese/gaiding.html#yiyuan   

・大学が申込金の事前送金を求めている場合の方法
  北京語言大学の場合の例 http://www.blcu.edu.cn/
TOPページ→留学生招生信息→中文版→北京語言大学 留学生処がでます→左側の目次の中から→下載申請表をクリック→申請表下載のページ→「留学生入学申請表下載」をクリック→留学申請表→プリント→頁を下に送り 4.報名費(=申込金・その下の頁には英語版があり、4.Application feeとなっている)ところに銀行への送金方法が書いてあります。
 北京語言大学への送金方法は、全国で唯一ここだけですが、アメリカのCITI BANKへ送金し、そこから華夏銀行へ転送し、そこから北京語言大学へ転送という二重転送送金方式になっています。この転送送金は、銀行により料金が異なりますが、通常の手数料以外に、一転送あたり15ドル程度とられ、2回転送なので30ドル程度を余分に手数料としてとられます。
 以前に、大学の受け入れ担当責任者に、「この転送手数料は、大学負担か、送金側の負担かハッキリしなくて、申し込む人は、皆迷っている。今の表示では、50ドルから手数料を引かれた分が、大学へ送られていく可能性もなくはない。」と指摘したことがあります。
 最近、この大学は、申込金が、50ドルだったのを75ドルに値上げをしたので、再度、「この手数料を含ませたのか?」と聞いたら、「いや、通常の物価値上げに伴う値上げだ。」と答えています。しかし、ここのところ、各大学に費用の値上げの傾向は見られないので、必ずしもそうとは思えません。
 しかし、だからといって、転送送金手数料を、先方払いで申込金の送金をしても良いのかというのも言い切れないところです。

・大学が求めてくる主な必要書類
(1) 留学申請表(申し込み用紙): 各大学オリジナルの申請表
(2) 最終学歴の卒業証明書: 語学留学で、且つ、申し込みが多くない大学は、申請表とこれだけで入学が許可されることもある
(3) 最終学歴の成績証明書: 語学留学では不要な大学もある
(4) パスポートのコピー
(5) 保証人(=担保書)の保証書: 通常は家族の保証人でよく、また、別の用紙ではなく、申請表の所定欄に保証人名を記入させるだけの大学が多い
   別紙で保証書が必要な大学の中には、現地在住の中国人(中国公民)を保証人に要求する大学もまれにある
   保証人の身分証明書のコピーを求める大学もある。この場合は、一番良いのはパスポートのコピーで、次は、会社の身分証明で、その他、運転免許証、健康保険証などは避けたい。
(6) 学校の教官(教授など)2名の推薦状 :正規留学の場合と応募者数が多い大学では選考のため、推薦状を別紙で求める場合もある
   通常は、別紙でなく、申請表の所定欄に記入させる例が多い
(7) 健康診断書:= 「外国人体格検査記録」という中国政府衛生部(日本の厚生労働省に相当)発行の用紙(上記、ネットでダウンロード)が必要
   国公立病院(保健所不可)で健康診断を受ける。本来、健康診断書はビザ申請時に必要なものだが、大学によっては、出願時に健康診断書のコピーの添付を求めるところもまれにある
   この場合、大学へ申し込み書類を送る前に健康診断を受けねばならない。出願時に添付を求めない大学の場合は、ビザ申請の2か月くらい前には受診して、ビザ取得申請時に使用し、また、現地に持参し入学時に大学側に渡す
(8) HSK証書(漢語水平証書)のコピー: 本科生、研究生などの正規留学へ申し込む場合には必要となる
(9) 金融機関の残高証明書: ほとんどの大学は求めないが、正規留学の場合は、要求する大学もまれにある
(10) 大学によりキャンパス内の宿舎を予約するかどうかの問い合わせ書類があるが、あるのは、まだ希な例である

・中国留学を自分で手続きするフローチャート
 留学手続きの手順を表にして分かり易く示してあります。下記のホームページ・アドレスをクリックして参照下さい。
 http://homepage3.nifty.com/chinese/fanfa.html

・奨学金留学
 中国留学に関連する奨学金をリストアップしてあるので、下記のホームページ・アドレスをクリックして参照下さい。
 http://homepage3.nifty.com/chinese/jiangxuejin.html


中国の国家留学基金管理委員会ネットワークの各種ホームページ

 
*国家留学基金管理委員会ネットワークの留学受け入れ(来華留学)ホームページ 
http://www.csc.edu.cn/gb/chan/chan.asp?cscpid=2〔中国側の都合でリンクが出来ない状況になっています〕
 
*国家留学基金管理委員会ネットワークの中国各地の受け入れ大学の連絡先リスト 
http://www.csc.edu.cn/gb/chan/chan.asp?cscpid=6&level=2〔中国側の都合でリンクが出来ない状況になっています〕
 
*国家留学基金管理委員会ネットワークの中国政府奨学金留学生受け入れ大学リストと各大学の受け入れ専攻 
http://www.csc.edu.cn/gb/readarticle/readarticle.asp?articleid=1012〔中国側の都合でリンクが出来ない状況になっています〕
 
*国家留学基金管理委員会ネットワークの中国政府奨学金留学生申請表,外国人体格検査記録表など各種申請表
http://www.csc.edu.cn/gb/chan/chan.asp?cscpid=116&level=2〔中国側の都合でリンクが出来ない状況になっています〕

・中国留学の手引き
 中国留学について簡明に説明した手引きです。このホームページの主宰者秦が、日本学生支援機構留学情報センターで執筆したものです。  
 http://homepage3.nifty.com/chinese/tebiki.html



第3章 留学を準備するに当たって知っておくこと
・事前の中国語学習法
    中国語学習法
  http://homepage3.nifty.com/chinese/hatazhuanlan.html#zhongguoyu

  日本での中国語学校の選び方
    英語学校に併設の中国語クラスは避けたい
 日本で、留学の前に中国語学校へ通おうと思うとき、どんな学校を選んだら良いのかという質問は多いです。地域によっては、その選択肢は限定されてしまいますが、学校選びの一応の目安を書いておきます。
 まず、英語の学校が開設している中国語クラスは避けた方がよいと思います。なぜなら、英語教育のノウハウで授業を構成されることが多いからです。日本における英語学校の英語教育は、ほぼ、日本人は文法は知っている、語彙量がある、多少は発音記号も知っている、という前提に立って教育をすることになります。
 なので、会話力が弱い、つまり、口が重かったり、一旦、日本語で文法を考えて会話文を構成しようとする日本人の癖を、如何に修正するのかに、その教授法の力点がおかれています。そして、それは、それができる可能性が高いネーティブスピーカーによって行われています。
 日本において行われている英会話学校の教育法に基づいてしまい、老舗の中国語学校のように、最初に発音教育を重視し、発音記号を教えること、発音法をこまめに教えるようにする教育から入って行かない傾向があります。中学・高校の英語教育の発音教育の悪さというベースの上で、日本人の発音の悪さにあきらめを持って教えていく英会話学校の教育方法の癖が、一から始める中国語教育でも出てしまうのです。最初に間違った発音を覚えてしまうと、あとあとまで悪い影響が残ってしまいます。

   中国語専門学校は
 しかし、古くからの中国語専門の学校は、まずは、中国語の発音を修得するための発音記号の教育であって、辞書を引くための用語でもある、ローマ字式発音記号の教授をスタートとします。
 なので、当初の授業は、発音記号を教えられる日本人講師と、より正しい発音を聞かせられるネーティブスピーカーの両者が組んで交代で教えることにしています。
 発音記号のマスターは、中国語学習の中で最も重要なものです。これを修得しないと辞書も引けません。何よりも、中国語には日本語にない発音がたくさんあります。(実は英語はもっと多いのですが)この、日本語にない発音の構造を、中国が作った発音記号であるローマ字式発音記号で、最初に学んでしまわねばなりません。いくつかの日本語にない発音を、どう発音するのか、その発音時の口の作り方はどうなのかを、発音記号により学ぶのです。
 みなさんが、中国留学に行く前に、まだ、日本語が通じる日本の学校で学んでおくべきことは、何よりもこのローマ字式発音記号なのです。時々、中国の授業では日本語での説明もありますか?という質問を受けますが、そんなことは、例え留学生受け入れの歴史が長い英語圏の学校でもないわけです。
 この発音記号を学ぶに当たっては、発音記号を修得し、口の作り方を学んだ日本人講師から学ぶことが良いのです。ネーティブスピーカーは、発音をどのように行うかを発音記号から学んだわけではなく、子供の頃から自然に話せるようになっているものなので、発音と発音記号との関連は、ほとんど修得できていないのです。
 当初の発音教育の段階での発音記号の教育は、英語学校のように、これもネーティブスピーカーによって行わせるのではなく、中国語専門学校のように、発音記号により発音をマスターした日本人講師により行われるべきなのです。

    間違った中国語発音教育
 多くの中国人留学生などの講師が、間違った発音記号を教えており、日本の中国語教育に一つの傷害をもたらしています。そのもっとも典型的な大きな問題の例は、上記の「中国留学前の中国語学習法」(詳しくは左記クリックでジャンプしてお読み下さい)に述べた“chi ”(吃)の音を間違って教えているということです。
 ここでの“i”の音を、例えば“yin”などの“i”と同じく「口を横に開く」と教えていることです。もちろん多くの場合“i”の音は、口を横に開きます。しかし、“chi ”(吃)の場合の“i”は、特異なものなのです。この点に注意して、語学学校・教室の中国人留学生などの講師を観察してみてください。
 この“chi”の音は、「そり舌音」といわれる、音声学的には「破裂摩擦音」といわれているものなのですが、舌を上顎の方にそらして、空気が抜ける隙間を舌先に狭く作り「破裂」と「摩擦」を、連続して瞬時に行わせる発音なのです。
 なので、唇を横に引けと教えては、舌先に狭く隙間を作る口形が作れず、両脇から空気が抜けてしまいます。日本の中国語教育の中で、いつまでもこの発音ができないでいる中国語学習者が多い原因がここにあります。中国語教育とは、前提が異なっている英語語学学校が行う、ネーティブスピーカーだけで当初から教育するというやりかたの影響で、このような欠陥が日本の中国語教育界には存在しています。
 また、“そり舌音”であるのを“巻き舌音”と教えてしまい、舌を上に巻くことにより、やはり、舌の両脇から空気が漏れてしまう口形を強要する現象を生み、何年も学んでいても、なかなか、この“chi ”(吃)の発音ができていない、既学習者の生徒を見ることは多いです。
 ただ、 発音記号をマスターしている日本人講師であっても、いつまでも、この日本人講師に学んでいる必要はありません。長く学んでいると、ネーティブスピーカーではない日本人講師には文法を教わるしかなくなるので、そういう必要は、これから留学に行く人にはないのです。
 ある程度、発音法の構造、日常会話、教室用語(先生の言葉を中国語で聞き、中国語で質問する慣用語)などを学んだら、そこからはネーティブスピーカーにより、中国語だけを使う個人レッスンで会話を学ぶようにするべきです。

    理想的な中国語学校・教室は
 発音記号の教育がどう行われているかが、まず第一に重要なチェック・ポイントとなります。発音記号を丁寧に教えられる日本人講師とネーティブスピーカーとをミックスして授業が組まれている学校です。
 そして次には、文法に拘泥(=固執)した授業が行われていないと言うことです。留学前に日本で中国語教育を受けるのは、発音記号と、日常すぐに役立つ会話、教室用語、HSK・中国語能力認定試験の手ほどきなどで良いといえます。HSK(=中国語能力認定試験)の手ほどきも日本にいる間に日本語で受けておくと便利です。
 もちろん日常会話は、どれだけ学んでも十分と言うことはなく、時間がかかるものですが、これを充分に学んでから行くことが、現地で自分を助けることとなります。言葉ができないと、自分で自分の身を処せないので、まず、良い宿舎の確保、食事、買い物などに不便をするわけです。甚だしくは、その段階で受けるショックで留学が嫌になってしまうこともあるわけです。
 文法については、中国語は、文法はあってないようなものなので(これについては、今後詳しく書きます)、あまりこれの修得に固執する必要はありません。それよりも、受験教育として学んだ「話せない英語」の弊害を繰り返さないように、文法で考えて会話をしようとするのではなく、中国語で聞かれたことに対して中国語で考えて答える力を養うようにするべきです。
 そうでないと、また、現地に行っても話せない・聞けない中国語を身につけることになります。ここでは、ほんのさわりの余談としておきますが、現地では決して、授業でノートを取ることに集中しないようにしてください。ノートを捨て、耳をとぎすまし、口を大いに使い質問し、その授業の中で覚えられることだけを覚えるようにしましょう。そうすれば語彙量は確実に増えていきます。
 日本で、理想的な中国語学校が近くになく、やむなく適当な近場の学校へ行くとしても、なるべく自分は、とりあえず学ぶべき、発音記号・口の作り方・発音法の修得、当面自分の身を助ける簡単な日常会話、教室用語、その会話の語彙の強化にもつながるHSK試験の練習などに力を入れて学ぶようにすることです。教室用語は、テキストも一部ありますが、中国人の先生が授業で話す言葉を録音して収集します。
 学校の方針がそうでないと、難しくはありますが、できるだけ上記の指針を堅持し、ない部分は自分が先生に質問することで補い、その学校から得るものだけを得るようにすることです。くれぐれも、間違った発音を修得したり、文法教育に翻弄されたりしないようにしてください。
 なお、発音構造を確実にマスターした後は、なんと言っても語学の学習には個人レッスンが効果的なので、もし条件が許すなら、語学学校へ行くのではなく、付近の大学の留学生センター、国際交流部、学生課などに、留学生を個人レッスンに雇いたいという募集のチラシを貼らしてもらいます。大学は留学生にアルバイトを紹介したいので歓迎してくれます。中国人留学生を家庭教師に雇い、上記の発音のチエックのこと、日本語は使わず中国語だけで話してもらう、文法は教えなくとも良い、筆談はしない、などのことを最初に決めておき、自分が教授法をコントロールして会話を教わるようにするのが良いでしょう。


・予防接種について
 海外に行くときの予防接種は、慎重を期し肝炎のA型、B型などの予防接種、特に、渡航早々の疲労で抵抗力をなくして感染するというケースもあり得るA型肝炎の予防接種をしていく人もいます。接種を検討される方は、接種は免疫力がつくまでに数回行いますので、間際に受けるのではなく、早めに始めてください。


・保険と現地の医療体制について
   海外旅行障害保険
 日本で保険に加入して行くか、また、現地でも入れるものなのかという質問がよくあります。
 近年、中国国家教育部は、数年前のSARS事件の教訓を踏まえて、留学生は保険に加入しなければならなく、渡航して学校で入学手続きをする際に、保険の証書を提示しなければならないと決めています。日本で入って来たものでも、現地で入ったものでもどちらでも構いません。
 日本のものを提示すれば、それですみ、提示しない者は、学校が団体で加盟している中国の「平安保険公司」に入る必要があります。1年間で1,2万円前後のものです。
 ただし、この保険に入れば良いのか、或いは、日本で入る方が良いのかということですが、確かに、この中国の保険に入れば、中国教育部の規定はクリアーできますが、保険料金が安価だけに、この保険がカバーする範囲は狭いものです。重大な入院とか、学校の医務室で診察する程度には役立ちます。
 なので、保険会社が提携している中国の大病院の外国人対応の診察室とか、日本語が通じる日系の診療所で、保険証書を提示してキャッシュレス(現金を払わず受診)で診察を受けたいとか、携行品の保険も入りたいなどという人の場合は、日本の保険に入って行くのが望ましいです。
 なお、都市、大学によっては、この教育部の規定は徹底していないので、提示を求めたり、加入を求めたりすることがない大学もあります。広州の大学に取材したときには、どこの大学もまだ保険証書の提示を求めてはいませんでした。北京の大学はどこの大学も実施しています。
 なお、中国政府奨学金生の人は、中国国家教育部が支払って強制的に加入となっているので、規定はクリアーしています。
 私費留学の人で、日本の保険は高いので、現地で入ろうという人もいますが、言葉がわからないで保険に入ろうとしても、結構、日本の保険金額と変わらないような金額を請求された例もあります。
 また、中国の保険で学校の医務室で診察を受けるのも、ある程度の料金は必要になったり、無料診察の処方箋の範囲内だと良い薬が出されないなどのこともあります。その点、日本の保険だと、学校の医務室ではキャッシュレスはないが、一旦は現金で払って、その領収書で日本に戻ってから還付請求をすることができます。

日本の保険の入り方
 よく「留学パック保険」としているような保険がありますが、これは保険会社が適宜組み合わせたもので、そういう保険の種類が制度的にあるわけではありません。
 この種のパックのものは、保険料金が10数万円台と相当に高額となっているので、保険にはパックではなくバラ掛けで入る方が良いといえます。
 欧米留学だと、現地の医療費が高く、保険会社も数年は留学して現地で生活をする留学生の保険加入を受け入れることは相当リスクが大きいので、高額の保険料を提示しています。 しかし、中国はまだ医療費は比較的安いので、そんなに高額の保険金が出る種類の保険に入っていく必要はなく、バラ掛けで7万円前後になるのを探して入れば良いでしょう。北京で外国人対応で有名な中日友好医院に、盲腸で1週間入院して、10万円程度だったという例もあります。
 なお、保険会社を探すとき、バラ掛けで、且つ、1年間の期間を掛けられる保険会社を選んでください。高額料金のパックで1年間掛けられる保険会社は数ありますが、バラ掛けで1年間加入可能の保険会社は数少ないです。ネット検索でよく調べて比較検討してから加入して下さい。

現地の医療体制
 留学生がよく行く大都市には、日本の保険会社が提携している病院があり、そこでは保険証書の提示でキャッシュレスで診察を受けられます。保険に加入していてキャッシュレスとなるということでないと、初診料に日本円相当4千円程度必要とか、入院時の保証金は数十万円預けるという病院もあります。
 北京には、龍頭クリニック(=別称:北京天衛診所)などの日本語が通じる日系の診療所もあります。
 上海では、第一人民医院付設国際医療保険中心(センター)で、キャッシュレスで診察を受けられます。その他、上海は、日本人駐在員が多い都市なので、日系の医院もあります。医療のことを考えると大都市への留学が望ましくはあります。
 地方都市に留学の場合は、渡航後、まず、学校の事務室に、外国人対応がある指定の大病院の所在地を確認してください。そして、暇があるときに、キャッシュレスで受けられるか、海外旅行保険の保険証書を持って聞きに行ってみてください。
 例えば、「風邪を引きました。」(=感冒了.=gan3 mao4 le.)とか言ってみてもよいでしょう。(^_^)
 なお、大学の診療室などは、急ぎでない場合はできるだけ避けたいですね。仮に、注射をするということになった場合、使い捨て針を使っているかどうかという問題があります。こういうところから血液感染の肝炎が移ることも心配されます。日本にいるときに、かかりつけのお医者さんから使い捨て針をもらっていくと良いでしょう。

○北京龍頭クリニック=別称:北京天衛診所
http://www.longtou.net/clinic/index.htm
日本人スタッフをそろえ、海外旅行傷害保険の証書でキャッシュレス診察ができる診療所。留学生は、領収書提出で往復のタクシー代が清算される。

○天津龍頭クリニック
http://www.longtou.net/clinic/tianjin/tensin.htm
北京の龍頭の系列クリニック。


・持って行く物の準備について
 最近では、中国の大都市には何でもあるので、一つ一つ細かく持って行く必要はないでしょう。しかし、海外旅行に行くことを想定した場合と同様の荷物の準備は、最低でも必要となるでしょう。
 例えば、文房具、日本の辞書、旅行書、洗面具、普段使っている常備薬、直接肌につける肌着類、慣れた石鹸・化粧などの類、その他、使い勝手の良い物など、誰もが旅行に行く時にも持つような物です。
 意外と気がつかないところでは、入居後すぐ必要になる雑巾などの引っ越しグッズ、スリッパ、マグカップ、トイレットペーパーなどで、あると当面便利です。もちろん、雑巾以外は、寮の中の売店で売っていることが多いです。でも、売店がない寮もあるし、夜着く航空便に乗る場合もあり、買い物ができない場合もあると言うことです。
 また、旅先でもネットをやりたいとうことで、日本語のソフトが入ったノート・パソコンを持っていく人は多いです。そして、トラブルが起こったときのために、その起動からのソフト、電源アダプター〔100~240ボルト対応確認〕などを持つことは必須で、付属のネットコード、延長コード、モーター対応の変圧器(ほとんどの最近の器機は100~240ボルト対応なので必要がないとも言える)などを持つ人もいます。これら付属品は現地でも買えますが、中国語がまだ不便な段階で、買い物をしないで、一日目から使用したいと言う、当面の使用に供するためにと言うことであって、必ず持って行けと言うことではないです。
 ネットの使用は、日本の情報・中国の旅情報を得たり、友人・家族との連絡に便利です。学部の学生は、大学のカリキュラムなどをネットで見ることになるケースもあります。



第4章 現地での生活についての知識
  
・現地での学習方法
 中国の大学の語学の授業は、まだ、蓄積がなく、教学方針、カリキュラムなどが整っていなくて、教え方が良くないので、いろいろと自分で学習方法を工夫することが必要です。授業にさえ出ていれば進歩するのだろうと言う考えで留学生活を過ごしていると、1年経ったとき、会話力がほとんど進歩していない自分に気がつくことになります。
 中国へ語学留学をするとき、どういう学校へ行くのが良いのだろうと言う問にお答えします。

  Q&A17.現地での学習法を教えて欲しい。
http://homepage3.nifty.com/chinese/answer2.html#17

  中国語学留学の基本的3コース
http://homepage3.nifty.com/chinese/answer1.html#yuyanliuxue

・送金と現地の銀行について
 キャッシングについて
送金は、北京・上海へ行く人の場合は、郵便局で「郵貯CITI BANKワールド・キャッシュカード」に入っていく行くのが便利です。両都市には、直営のATM=CDがあるし、自分が日本で開設した郵便局の口座からの払い戻しになります。もちろん手数料はかかります。提携も含めた海外ATMの設置MAPのホームページは以下です。http://www.citibank.co.jp/atm_abroad/index.html
 なお、カードをもらったら裏面に記載されてはいますが、その制度の規定に基づき、日本にいる間に、自分が現地から払い戻しをしたい金額を想定して、預金額の中から「保留処置」という手続きをしておくことを忘れないようにしてください。
 また、このCITIのキャッシュカードとともに、日本の都市銀行が作っているインターナショナル・カードとかワールドキャッシュ・カードとかいっているものも、中国側の銀行のATM=CDでならキャッシングをすることができます。
 クレジット・カードでもできますが、こちらは正確にはキャッシングではなくローン(融資)となるので利子が付きます。
 これらカードでキャッシングをする場合は、どこの国へ行っても同じ制度ですが、現地の銀行のATM=CDは、その国の言語だけでの操作手順の説明となるので、当初は、使うのが困難です。その点、CITI BANKの直営のATM=CDには日本語表示もあります。
 これらのカードは、いずれもPlus系とCirrus系の区別があることも知っておいてください。どちらかがカード及びATM=CDに記載されています。この区別を知らずに、違ったカードをATM=CDに差し込んで「キャッシングができない。中国の機械は!」と不満を言う留学生は多いです。(^_^)
 これらキャッシングをするカードを持ち得ない人が、現地で日本からの送金を受けたいときに、送金手数料が安いのは、郵便局でドル建で送金する国際(為替)送金です。
 手数料は高いが速いのは、銀行から送る送金小切手、仕向送金(口座振り込みか請求払い)などです。東京、横浜、大阪などには、中国銀行の日本の支店があり、そこから送金すると、勝手がわかっているので便利です。
 渡航してすぐ支払う、第一学期の学費、宿舎代などの高額金額を持参するには、都市銀行の外為取り扱い支店で購入できるトレーベラーズ・チェック(=TC)が都合がよいでしょう。

 ・送金と現地の銀行について
 日本からの送金のために中国で銀行口座(帳戸=zhang4hu4)を作る場合は、まず、日本円(=日元=ri4yuan2)か米ドル(=美元=mei3yuan2)の外貨(=外匯=wai4hui4)送金用の口座を、外貨送金を受けられるいくつかの種類の銀行(中国銀行、中国建設銀行、中国農業銀行、中国交通銀行、中国工商銀行など)の支店で作ります。外貨用の講座を作れない支店もあるので注意下さい。
 その上で、中国人民元用の普通(=活期=huo2qi1)預金用の口座を作り、外貨用で日本円を払い戻すときに、同時に中国人民元に換金もして、それを普通口座に預金します。そして、キャッシュカード(=自動取款卞=zi4dong4qu3kuan3ka3)も作り、大学キャンパスか周辺にあるATM=CD(=自動取款机=zi4dong4qu3kuan3ji3)で払い出しをして、日常生活に使用します。
 ただ、中国の銀行では、口座開設(開帳戸=kai1zhang4hu4)の時に印鑑は使わず、強化ガラスで隔たれた窓口で、小型キーボードを渡され、暗証番号を入れる作業をします。窓口で払い戻しをするときもそうです。
 キャッシュカードを作る暗証番号(=密石馬=mi4ma3)の取得に際しては、最初に窓口でもらう暗証番号を自分が覚えやすい番号に変えることがATMでできると言われることもあるが、却って使用不能になると言うトラブル例もあるので、各銀行ごとに、その制度をよく聞いた上で口座開設とキャッシング・カード作成の手続きをしてください。

  ・中国で携帯電話を買う
  中国で携帯電話が安く買えます。これは、留学に行くに当たって家族を安心させる最大の方法でもあります。「いつでも連絡が取れる携帯電話が現地で安く買うから。」と伝えることです。安い携帯電話は、300元×15円=4,500円 プラス 最初の通話料デポジット50元分を含んだシムカードが90元×15円=1,350円 合わせて5,850円で買えます。
 中国の携帯電話は、欧州式のシムカード方式です。これは、機械をいくつも買い換えても、シムカードというICカードを永久に存続させて、番号、アドレス帳などは、そのシムカードの中に保存されているという方式です。電話料金もこのシムカードにあらかじめ補充しておくデポジット方式です。
 また、世界中で何処を見ても日本のものほど、いろいろな機能が付いた携帯電話はなく、比較的使いやすいです。メールはもちろんピンインで打ち込む中国語ですが、アドレスでなく電話番号で送る日本の携帯電話の簡易メールのようなものしかありません。(もちろん字数は多いです)
 登録も日本のように証明書を見せたり、短期滞在者は持てないとか、欧米のように、パスポート番号で登録とかの面倒はありません。
 ただ、やはり、もちろん中国語による使用であるし、最初の登録での応対会話などは、留学したばかりの初心者には大変難しいので、知り合いになった中国人に付いて行ってもらい購入するのがよいでしょう。その方が、高くぼられることもないからです。
 (携帯電話の購入方法、使い方などはご相談下さい)

  ・中国での心得
 中国に行ったら日常生活の習慣でどんなことに気を付けたらよいかと言う質問を良く受けますので、いくつか上げておきます。

*友人・知人の訪問があり、お客さんが帰るときには、見送りをどこまでするかは重要なことです。部屋の入り口まで、玄関まで、門まで、最寄りのバス停までなどです。それによってお客への敬意が決まります。なるべく遠くまで送りましょう。
 そして、客から何度も“不用送了.”(送らないで)とか“請留歩.”(お留まりください)とか言われたら“那,不送了.”(では、送りません)といって足を止めてください。

*お客として訪問して、帰るとき、留学生事務所へ行って立ち去るときなど、特に近場の後者の場合はそうですが、中国語の勉強で習った“再見.”ではなく、もっと他の言葉を使います。
 “我走了.”(私行きますね。)とか、“回頭見.”(後で会いましょう、後日会いましょう)などの習慣にマッチした言葉です。後者は、直ぐ会う感じの意味ですが、数日後に会うようなときにもよく使われます。

*お客にお茶を出すときは、日本では時に「飲まれますか?」と聞いてからだしますが、中国では聞きません。聞かれると、客は“不要.”と言うしかないからです。何も聞かずに出して、どうぞどうぞと勧めるものです。


*友人の家を訪ねるのは、家庭電話が少ない国なので、いきなり行っても構いません。ただし、食事時の前、昼寝時は避けるのが習慣です。もちろん日本でも、食事時の前は失礼になり、避けるものですが、しかし、断りようもあるので、急用があれば行きます。中国では、上記のお茶の例のように食事も取り敢えず勧めるものなので、勧める方も断る方も面倒になります。
 ちなみに、中国の家庭で食事をご馳走になったとき、ご飯のおかわりは執拗に勧められるので、お茶碗をひっくり返して、本当にお腹いっぱいなのだと意思表示するものだとも言われています。

*同じように挨拶言葉も、習った“Ni 好.”ではなく、街で知人と会ったときは、どこかへ行っていたのかとか、何を買ったのかとか、最近はどうですか、とか聞くのが挨拶です。

*“対不起”(すみません)は謝る言葉ですが、英語の“I am sorry.”と同じく、本当に謝るときにしか使いません。店員に何か見せてもらうときなどに、日本語だと「すみません。」といいますが、そういうときには使いません。本当に謝るときに使う言葉なので、何か失敗をしたら、とりあえず「すみません。」といってしまう日本的習慣で使うのは注意しましょう。ぶつかったりして、とっさに謝った方が損害が出た場合は補償をする習慣です。

*人の呼称は、周りの人の呼び方をよく観察して行いましょう。間違えると相手の気を損ねます。ちなみに留学生事務所の職員は“老師”(先生)です。そういう風に、それぞれの場での習慣的な呼び方があります。
 まだ、留学当初の頃、自転車の鑑札を取り付る手続きに、地元の派出所に行ったときの経験です。親切な公安職員がいたのですが、途中で、私が労働者への呼称である“師傅”と呼んだら気を損ねてしまいました。公務員の呼び方は難しいです。昔のように“同志”と呼ぶのでは古すぎるし、“先生”では堅いですが、これで呼ぶのでやむなしでしょう。
 人の呼称は、学生同士だと“佳朗”とか下の名前で呼び、先生が生徒を呼ぶときは“秦佳朗”と呼んだり、ちょっと丁寧な先生だと“秦同学”とか呼びます。とにかく、年上を“老秦”と呼び、年下を“小秦”と呼ぶ、日本語の「さん」にあたる一般的な呼び方以外に、“秦老師”、“秦主任”など、職位などを後に付けて呼ぶるの習慣です。
 なので、その人の職位が何なのかと、周りがどう呼んでいるかを観察することは大切です。また、“秦副主任”であっても、その場に、本当の主任が同席していなければ、副主任を“秦主任”と呼ぶのも習慣です。大学の副校長、副教授などもそうです。

*普段、周辺にいる職員など周囲の中国人との上記のような挨拶言葉的なコミュニケーションを意識して努めることは大切です。中国語の勉強にもなるし、いざ何か頼み事をしようとするとき普段の気遣いが役立つことになります。逆に言うと、人と人の関係の国、普段のコミュニケーション、気遣いの国なので、普段、対話に心がけないで、いきなりものを頼むのは難しい国とも言えます。ビジネスライクな習慣の国ではありません。



第5章 留学先大学の選択

・選び方の基本
 相談件数の中で、どの大学へ行くと良いかという相談は最も多いです。中国の大学へ語学を学びに行く場合、語学コースには、それぞれの大学であまり特徴がないので、その選択肢は非常に難しいです。

  1,標準語がしゃべられていて訛りが強くない地域かどうか?
   (中国は訛りと言うレベルではなく、標準語=共通語=普通話のベースとなった北京語=北方言語が話されている北部の地域以外は、中国語=漢語と言われる言語ではありながら、主なものでも上海語、広東語、福建語などの全く別の発音の言葉が、各地域で話されています。ちなみに北京語の「今日は」に当たるニイハァオは、上海語ではノォンホォウ、広東語ではレェイホォウです)

  2,一定の留学生数がいて、レベルごとのクラス分けができているか?
    (入学時にちゃんとクラス分けテストが実施されていること)

  3,文理系の総合大学で文学部があり個人レッスンの先生を学生、大学院生、教師などから雇いやすいか?
    (工学系、外語系でないこと)

  4,対外漢語教師資格を持っている教師が何人かはいるか?
    (アルバイト教師ばかりではなく専任教師が多数いること) 

  5,大学キャンパス内に宿舎があるだけでなく、民間アパートなどへ住む選択肢もあるかどうか?
    (周囲にアパート、マンション、下宿などがある環境か、大学は学外居住を許しているか)

  6,日本からのアクセス、中国国内旅行でのアクセスはどうか?
    (日本の空港からの直行便が飛んでいる空港がある都市かどうか。中国国内旅行に行くに便利なポジションか)

  7,気候はどうか?
    (北の極寒、或いは、南の盆地の酷暑・多湿でないこと)

  8,HSKの試験実施拠点校にその都市の中でなっているか?

    などが大学選択の一応の目安になると思います。



・いくつかの典型的受け入れ校の寸評
 中国全土の各大学をすべて紹介していると、「中国留学ガイドブック」(三修社刊)が650ページにもなっているように、膨大な量となるので、詳しい内容は、この「中国留学ガイドブック」の頁「中国の大学紹介」及び、ここに紹介のホームページの「留学生を受け入れる中国の大学の連絡先」(=“STUDY IN CHINA”)と、その他市販されている書籍などを参考にしてください。(ただし、現行発行されている中国留学関係の書籍は、拙著「中国留学ガイドブック」以外は「成功する留学」のような営利の留学斡旋業者が発行しているものしかありません。)

北京語言大学
 このホームページ「中国留学ガイドブック」の「中国の大学紹介」と「留学レポート」のページに体験談がいくつも紹介されているように、午前も午後も授業がある強化班=速成班に人気がある大学です。
 外国人留学生の受け入れでは、一番、歴史と実績と教育の蓄積がある大学です。中国国家教育部の命により、HSK作成の本部ともなっており、試験問題の作成、受験対策の模擬問題集の出版などと受験手続きもしている大学です。HSKの受験をしたいと思うものは、一度は、この大学の門をくぐり、キャンパス内にある大学の出版社の店舗で教材を買うことになります。
 また、HSKの試験の実施回数も、この大学独自の実施もあり、他の試験実施拠点大学の数倍の回数となっています。そして、この大学独自で行う試験の参加者は、この大学の在籍者に限定されていたりもします。
 キャンパス内の宿舎の手配を統一して行う態勢がなかったが、最近、努力して“住宿管理中心”(宿舎管理センター)を設置した。まだまだ、不統一な面はあり不十分ではある。

北京大学
 中国の東大といわれている大学でプライドがあり、大学のメンツから、中国の大学卒業証書の価値を下げることになる、いわゆる「漢語本科生」(留学仲介の斡旋業者が「中国語学部、国際交流学院、中英学科、現代中国語学科などと称している日本人だけのクラスのコース)も募集していません。
 中国の大学の受験は、ほとんどは、HSKの級の提示だけですみますが、この大学は、英語、数学、中国語、歴史の4科目の受験を実施しています。毎年、この大学の本科生=学部生に受かる日本人留学生は極めて少ないです。ただ、本科予科班という、中国語と受験科目の講習をしているコースはあります。大学のプライドが高い代わりに、留学生への細かい面倒見は至らないとも言われています。しかし、留学生向けのいろんな行事があるのは、流石にトップ大学の力と言えます。

中国人民大学
有名校の中では、キャンパスは中国の大学としては広くない方で、人気の北京大学、清華大学、北京語言大学などより地の利がよいので、その次に選択する大学として行く人も多いです。

北京師範大学
 北京市内への立地が良いので人気のある大学で、全国各地の師範大の中の有名大学です。一時、希望者が多く、現地中国公民を推薦人にすることを求めていたが、最近はその条件を削除しています。
 以前に、二人の留学経験者に、この大学の評価を聞いたら、二人で180度異なる意見となりました。受けた授業の担当教師の違いから来るものです。また、「私たちは、会話を学びに留学に行ったのに、例えば、唐詩の解説など、会話学習には直接的には役立たないアカデミックな面の教育に拘る大学です。」と言う指摘もありました。

首都師範大学
 師範系は教師の卵が在籍する大学なので、いずれにしろ他の大学よりは言葉の才はある学生が多くいます。家庭教師の採用にはいろいろ選べて便利です。また、北京師範大学と異なり、首都の大学は、北京市の管轄で、北京市を募集対象とするので、北京出身の中国人学生が多いです。

復旦大学
 中国では有数の名門大学だが、留学生にとっては、あまりにも留学生の受け入れ数が多すぎてマスプロ化しているといえる典型的な大学です。留学生の面倒見は至らないともいわれています。
 この大学の体験談を参考にしてください。
http://homepage3.nifty.com/chinese/daigaku18.html

華東師範大学
 師範大では、中国南方では有数の有名校なので、学生募集は全国エリアです。代わりに、上海師範大学は、募集対象が上海市であり、地元の学生が多く、学内での訛りは、華東師範大学よりは濃くなります。

曁南大学 華文学院
 古くから東南アジア在住で中国出身の華僑の師弟を受け入れ標準語中国語の教育をしてきたので、教学の蓄積では他に勝ものがある学校といえます。全国の大学の中で、いわゆる中国語センターでの授業が、午前だけでなく午後もある珍しい学校です。
 この大学の取材報告記を参考にしてください。
http://homepage3.nifty.com/chinese/daigaku14.html

深せん大学
 香港に近い国策の経済特区深せん(土偏に川)市に設立された大学で、職員住宅など厚生面での優遇を宣伝して全国から人材を集めた国策大学です。ですから、学内では全国各地から集まった人にとっては共通語として標準語(北京語)が話されています。キャンパス内の諸設備は他に勝るものがあります。
 この大学の体験談を参考にしてください。
http://homepage3.nifty.com/chinese/daigaku2.html

私塾 地球村
 人気の先駆けの民間語学学校だが、最近は一クラスの生徒数が多くマンモス化しているので、北京語言大学周辺に多数ある他の私塾へ行く人もいます。
 以下に報告の私塾地球村体験談を参考にしてください。私塾は多数あるが、この地球村が奥の手を使いビザ発給の手続きをするするだけで、他はビザを取れない。
http://homepage3.nifty.com/chinese/repo12.htm
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http://homepage3.nifty.com/chinese/daigaku5.html




・いくつかの種類の大学についての評価

外国語大学
 学部で中国人学生に外国語を教えている経験豊かな教師が、留学生にも教えるということはほとんどなく、例えば、大学院を卒業したばかりの先生志望者が、経験のために教壇に立つということも多く、外国語大学だからといって、決して外国人への中国語の教学が優れているとは言えません。

工学系大学
 中国の大学は、日本の大学の教養科目、一般選択科目に相当するような授業が少ないので、工学系の場合は、さらに文化系の教師が少なく、文化系の教師が居る大学が副業として語学コースを開設しているということでもないので、語学コースは内外のアルバイト教師でまかなわれています。たとえ中国の学生にとっては名門校の大学であっても、外国人留学生に対しては、地の利とか何か他の利点がない限り選択先としては勧められないです。

文理系総合大学
 留学したら、授業の不十分さを個人レッスンで補うということが全盛となっている中国留学では、文学部があり、家庭教師を、学生、大学院生、教師、日本語教師など各種の層から比較しながら選んで雇えるのが文系の総合大学の利点です。
 今や、中国留学を単なる経験として終えるのではなく、本当に中国語を習得したい、HSKの級を取りたいと考えて留学に行く人にとっては、その大学の語学コースの授業には頼らないで、個人レッスン、私塾に頼って学ぶのが、本当に効果があることとされています。


師範大学
 教師の卵が在籍する大学なので中国人学生達の言葉に対する造詣は他の専攻の大学の学生よりは深いです。しかし、漢語教育の講師達は講義的な授業になり、会話などの語学教育には経験が少ない懸念はあります。

北京連合大学・上海大学などの大都市の地方連合大学と地方名の大学
 地方の大学名が付いていても、多くはその地方の有名大学の分校、工業大学、単科大学などを連合させて作ったキャンパスは別々である正に形だけを連合させた大学の場合が多いです。
 例えば、上海で言えば、上海市行政管轄の大学である上海大学と上海師範大学よりは華東地域の大学で全国区の華東師範大学の方が格では上です。格というと変ですが、学生募集範囲が広域な大学です。留学生受け入れの歴史でも実績があります。上海大学は上海工業大学を母胎とした工業系が主体の大学です。
 そして、地方名の大学の方が、その地方出身者からの募集となるので、お国言葉が幅を利かします。同じ師範大学でも華東師範の方が、上海師範より標準語が使われます。ですから、北京連合大学では、ほとんど北京出身者からの募集なので学内では北京語が幅を利かします。
 北京連合大学は、北京大学の分校とか第二外国語学院の専科コースである旅游コースなどがキャンパスは別にしたままで名前だけ連合された大学です。こじんまりとした良さはあります。
 慎重に大学自身の留学生にとっての価値とはを評価してから申し込んでください。例えば、中国の留学生が日本語を学びたいからと言って東大に入っても、その体制は整っていません。その国の学生にとって名門であるかどうかは、外国人の語学学習には関係ありません。

・中国留学の手続きを始めた時に考えてください(中国の大学との事前の約束は無意味の場合もある。なるべくやりとりの手紙を残す)
 
 よく、特に、イレギラーな期間に行くとか、短期で行くとか、小さな学校で外国人留学生が少ないから良い、という思いで行く場合、行ったらクラス分けが一つしかなかった、授業料が違った、先に進んだ授業を追いかけるのに補修をしてくれるというのが良くて選択したが、しっかりと確認しておかなかったので結果有料だった、カリキュラムの経験はないに等しかった、宿舎は間借りだった、などなど、事前にもらった案内のパンフレットの内容とも全く異なるいろんな話に遭遇します。
 ここで何が問題なのかというと、日本の学校へ行くときと、海外の学校へ行くときとは、いささか事情が異なることに気がつかないで行くことなわけです。
 多くの交通費とか準備のお金を掛けて中国まで行ったわけですから、そこで日本の語学の専門学校にでも入る場合のように、「あなたの学校は話が違うので、やめて帰る。」というわけにいかないのです。
 なので、買い手も強気で、ごり押し、「知らぬ仏」をしてくるのです。多くの人は、それに対応が出来ないでいます。もちろん学校に到着後、最初に授業料、宿舎費などを納入しない前に、そういう話を詰めることが出来れば、「ではそれなら私は帰国をします!」といって、こっそり他の学校へ行ってしまうことも出来なくはないのです。
 でも、それを出来るような機転が利く人はほとんどいないでしょう。パスポートに押されているビザには、どこどこ大学に所属とは書いてないのですから不可能ではないことなのです。このことを良く鑑みて行動してみてください。
 中国は学校とはいえ、そのビジネスは「一過性」収益主義です。ビジネスの「良心」とまでも言わないまでも、客と長く付き合い信用を培うビジネスをして信用を得るという、リピーターを作る、口コミの評判を勝ち取る、という欧米留学とかのような考え方はありません。儲けられるときに儲けるという発想です。
 中国に留学後に現地で働き始めた人たちが口をそろえていうのは、「中国人のダイナミックさをいただいた。」という言うことですが、その実はこのしたたかさのことなのです。
 留学の手続きのその時から既に中国への一歩が始まっています。是非、こちらもダイナミズムに対応してください。




第6章 主宰者自己紹介
 自己紹介のホームページです。
 http://homepage3.nifty.com/chinese/ziwojieshao.html













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秦 佳朗
 中国留学研究所
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