「TN君の伝記」なだいなだ著 福音館書店
この本には、“中江兆民”という名前は一切出てきていない。主人公はあくまで「TN君」。著者のなだいなださんは、「名前などではなく、幕末から明治という時代を、一人の人間が“どう生きたか”だけを知ろうとして欲しい」と語っている。
『TN君』をはじめ彼の同時代人たちが、自由を求めて闘ったその情熱と息吹きが伝わってくるような本。
2002年9月、福音館文庫より新書版文庫として再刊された。これを機に、もっと広く読まれてほしい本である。
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「兆民先生」幸徳秋水著 岩波文庫
中江兆民の晩年の一番弟子、幸徳秋水が自ら愛情を込めて書いた、師・中江兆民の在りし日の姿。幸徳自身の言葉によれば、これは
伝記か、伝記に非ず、評論か、評論に非ず、弔辞か、弔辞に非ず。ただ予がかつて見たる所の先生のみ、予が今見つつある所の先生のみ。予が無限の悲しみのみ。予が無窮の恨みのみ。
である。
岩波文庫版には、この他「兆民先生行状記」も収載されている。
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「三酔人経綸問答」 中江兆民著 岩波文庫
中江兆民の著作の中でもユーモラスに民権思想を説いたものの白眉。兆民自身をモデルにしたとされる南海先生を中心に、洋学紳士と豪傑君が議論を繰り広げる。現代語訳がついているので読みやすい。
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「一年有半」「続一年有半」中江兆民著 岩波文庫
喉頭癌で余命一年半を宣告された兆民が書き上げた「一年有半」。当時の政治批判や、古今の人物の評価などが随筆風に描かれる。
「続一年有半」は、「一年有半」の後を受けて書かれたが、内容はかなり違っている。中江兆民の唯物論者としての「無神無霊魂」の哲学を謳いあげたもので、日本人の日本人によるはじめての近代哲学書ともいわれる。この哲学はときとして「ナカエニスム」と呼ばれることもある。
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「社会契約論」ジャンジャック・ルソー著 岩波文庫
1762年に出版され、フランス革命の引き金ともなった名著。ジャンジャック・ルソーの思想をあますところなく伝える。
兆民はフランス留学中にこの書と出会い、この書に描かれた思想が100年あまりを経てなおフランス人民の心に生き続けている事に感動、帰国後、「民約訳解」「民約論」等として何度か翻訳している。これは、日本のみならず中国の知識人にも広く読まれ、このため兆民は、「日本の」ではなく「東洋の」ルソーとさえ呼ばれる。
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「自由民権」色川大吉著 岩波新書
国会開設を宣したいわゆる「明治14年の詔勅」から100年めを期して出版された。自由民権史の総説的な本だが、中江兆民の先進的な思想についても多く触れられている。
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「中江兆民評伝」松永昌三著 岩波書店
1993年に出版されたばかりの最も新しくもっとも詳細な中江兆民伝といっていいだろう。中江兆民が自由民権史の上で果たした役割ばかりでなく、兆民の芸術・文学観、恋愛観から奇行家としての兆民の実体にいたるまで詳しく知る事ができる。
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「目覚めし人ありて 小説中江兆民」夏堀 正元著 新人物往来社
中江兆民が北海道の新聞「北門新報」に赴任したところから始まる小説としての中江兆民伝。しかし、小説と銘打たれてはいるがフィクション的な部分はあまりなく、ほぼ忠実な中江兆民の評伝となっている。
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「人物叢書 中江兆民」飛鳥井 雅道著 吉川弘文館
1999年8月発行の、最新刊中の最新刊である。過去の数多くの兆民研究を踏まえ、読み応えのある兆民研究の最新トピックスといえる。虚像としての兆民像を廃し、つとめて客観的な追求を目指しているため、読後はこれまでの兆民像に若干の修正を加えなければならなかったが、それでもその真摯な姿勢には敬服せざるを得ない。また、一方で、「伝承である」として積極的に兆民研究に取り上げられてこなかった事実をも積極的に検証の対象としている。お勧めの一冊といえる。
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「龍馬復活 自由民権家坂本直寛の生涯」吉田 曠二著 朝日新聞社
かなり以前に入手していたが、兆民に直接の関係はないので紹介していなかった。しかし、中江兆民が生涯をかけて敬慕した坂本竜馬の甥に当たる坂本直寛が、第一級の自由民権運動家として活躍した姿は、坂本家の伝統的な自由の思想を知ることとなり、なぜ兆民が坂本竜馬に心を魅かれたのかを知る一助ともなるだろう。当サイト内「中江兆民と坂本竜馬」の視点を発展させたような本であるともいえる。
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「中江兆民評論集」松永 昌三編 岩波文庫
東洋自由新聞・東雲新聞・立憲自由新聞等、各所に発表された中江兆民の論説集。77編を収録し、兆民の生の文章にふれるよいテキストである。
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「 日本の名著36 中江兆民」河野 健二責任編集 中央公論社
新聞論説・「民約訳解」・「三酔人経綸問答」・「選挙人めざまし」・「一年有半/続一年有半」など中江兆民の代表的著作を現代語訳として収録している。原文ではやや難解ともいえる兆民の文章を、現代語で読みやすく紹介しているという点で、初心者には親切な一冊といえるだろう。なお、三酔人経綸問答の訳文は、岩波文庫版に収録されているものの再録である。
また、付録として、なだいなださんによる「中江兆民と『TN君の伝記』」という文章も附されている。
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「夢・人・自由 土佐の自由民権マップ」山本 大監修 高知新聞社編
地元・高知で発行された、土佐自由民権運動家の略伝と史跡マップ集である。自由民権運動にまつわるこぼれ話的な話題も掲載されている。高知の自由民権史跡を巡るには、重宝な一冊といえるだろう。巻末に一枚ものの「高知市内 自由民権見て歩きマップ」が付録としてついており、史跡めぐりのモデルコースまでが掲載されている。
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「福沢諭吉と中江兆民」 松永昌三著・中公新書
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「波濤の果て 中江兆民の青春」鮎川俊介著・郁朋社
数え年17歳から長崎留学に旅立つまでの若き日の中江篤介を描いた小説。土佐勤王党が活動を開始し騒然となっていく幕末の情勢の中で、学問への情熱に目覚めていく兆民の姿が生き生きと描かれている。この時代の兆民に着目した書籍は珍しく、ユニークな視点と言える。また、土佐言葉などに懇切丁寧な註がついているので、読みやすい本である。
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「中江兆民全集」全17巻+別巻1巻 井田進也/松永昌三編・岩波書店
現在確認できる兆民の著書、評論、論説、書簡等を網羅した全集。別巻には兆民に対する批評、兆民宛の書簡などが収録されている。1983年に初版が発行され、兆民没後100年を迎える2000年〜2001年にかけて新史料を含めて再刊された。
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