家族療法の概説

家族療法の概説

柴 田 長 生


システムというもの

 システムをとらえる3つの方法
  1 システム内で生じる関係のパターンをとらえる
  2 システムそのものの持つ構造をとらえる
  3 システムそのものの持つ形を分析していく

 家族療法とは
  (家族)システムに対し、治療チームにより(システミックアプローチ)、
  症状・主訴をシステムとの関連でとらえ(円環的見方)、
  システムを全体としてとらえる中で(仮説・検証)、
  システムそのものが変化できるように働きかけることで(介入)、
  症状そのものを消失させていく治療法。

 家族療法のキーコンセプト
  * 因果論的治療との決別
  * 個人の人格的変容を第一義に扱わない
  * 治療効率
  * システムの変容の結果としての症状の消失・軽減

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 システムを見ていく際のいくつかの視点

 1 因果論的見方 (直線的見方)    … 不登校の原因は誰なのか
   因果論を排した見方 (円環的見方) …  VS. 犯人探しをしない

 2 「コンテント(内容)」と「コンテクスト(形式・文脈)」
    物事には、この二つの側面が必ずある。
    システム論=システムのコンテクストを見ていく視点である。
    システムをとらえる3つの方法は、コンテクストへの3つの接近法である。
    従来コンテントを扱う場合が多かった=システムに巻き込まれる危険性

 3 システムは、それ自体一つの文化・風土である
     「職場」というのも一つのシステム eg. チームの問題
     「(家族内における)箸の個別化」のたとえ話
        … あなたの家族は個人毎の箸が決まっているか、決まってないか

 4 システムは、基本的に保守的かつ恒常性を保とうとする力学を持つ
    しかも、ウルトラワンパターンである。
    夫婦喧嘩のはじめと終わり=いくつになってもワンパターン

 5 構造をとらえる際のいくつかの視点
    システム構成メンバー その量と質
    eg 単親家族、義理家族、三世代家族、多子家族…
      境界 対人間/世代間/外部と内部の境…どんな境界があるか
    eg 「融通がないが強固な境界」とか…
      結合の様子 プラス−マイナス、結合の強さ…
    いくつかのサブシステム、その存在/その機能が動いているか
      同盟、連合、反駁、断絶…
    家族地図=構造仮説図

 6 システムの持つ「形」を分析していく方法
    一つの方法として、「ジェノグラム」の書き方と分析
    「源家族」ということ、源家族での事と今の家族での事との関連

 7 行動・コミュニケーションパターンの把握
    ロールプレイによるパターンの円環的連鎖の把握
    (時間経過の中で反復される対人関係の変遷パターン)

      コミュニケーションパターンの把握の実際

      初回面接の実際

 介入に関する初歩

  * 構造を扱う
     世代間境界を明確にする課題 … eg 寝わけ
     世代間関係を活性化する課題 … eg 添い寝の分業
     サブシステムを強化する課題 … eg 夫婦だけで…
                       子どもだけで…
     関係の活性化(家族地図から)… eg **と++が、..する

  * コントロール力をつけさせる
     具体的に、親は(父は、母は)どうするか… eg 達成可能な課題

  * リフレイミング(再枠付け)  … eg 不変化の処方

  * コミュニケーションパターンをめぐって

  * HERE & NOW の課題      … eg 絵画、家族造形

  * エナクトメント(起こってることをこの場で再現させる)

           (させたいことをここでさせる) eg <学校の椅子>

  * ロールプレイ

 介入テクニックには様々なものがあり、流派によって異なる
 いずれにせよ、問題の同定とアセスメント(評価・査定)をどうするかによって、介入の方向が定まるといってよい。

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