星めぐりの歌とジョバンニ


星めぐりの歌


宮沢賢治 作詞・作曲

1 あかいめだまのさそり  ひろげたわしのつばさ 

  あをいめだまのこいぬ  ひかりのへびのとぐろ 

  オリオンはたかくうたひ つゆとしもとをおとす 


2 アンドロメダのくもは  さかなのくちのかたち 

  おほぐまのあしをきたに いつつのばしたところ 

  こぐまのひたいのうへは そらのめぐりのめあて 


ジョバンニに関するショート・ショート

 1992年の七夕の前々日、わが家の玄関先でリクルート活動を続けていた迷い猫が、ついにわが家の住猫となった。娘達は、これまで猫を飼ったことがない。妻と私は、猫のいる家庭で育っている。家族のみんなは、目前の猫に拒否的ではない。そこがリクルート猫の狙い目であったようだが、娘は猫を飼うことの可否を親に問いかけるのに対して、妻はその猫を飼えるための条件を娘に考えさせている。そこで少なからずズレが生じてしまった。
 娘は「つまり(親は)猫を飼うのがいやなのだ」そんな結論にしかならない。そうじゃないのに。夫婦で、猫を飼える条件を話し合う。妻の実家では、きちっと猫を飼っていた。私の実家では、どちらかといえばルーズな飼い方であった。家中の掃除をどうするか、排泄や衛生の管理は、外出は許せるか、餌の準備は…。ずいぶんくいちがってくる。話し合うほどに私の方が苛立ってくる。
 面接室の中の風景ととても似ているなと思った。猫の飼い方だって、その家の風土である。そして、出た結論は飼うことの決定だけだった。この点だけは分裂しなかった。その後の役目は自ずと決まっていた。

拙著:「非行と家族療法」(ミネルヴァ書房刊)の
著者プロフィール:「家族療法とわが家族」より

 追記:この猫は、家族の合議で<ジョバンニ>と名付けました。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のジョバンニです。1996年末、車にはねられてしまいました。いろいろな<ジョバンニ>のために、「星めぐりの歌」です。

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