個人情報の保護と公開に関して

個人情報の保護と公開に関しての私見

柴 田 長 生


 この文書を作成したのは、個人情報保護条例が制定される以前でした。京都府の場合は、平成8年10月より<個人情報保護条例>が制定されましたが、この条例でも、私達が考えておかなければならない点が必ずしも質的に十全に検討・整備されているとは思われません。個人情報の保護と公開の問題は児童福祉に携わる者にとっては大きな問題ですので、少し古い文書ですが、アップしておこうと思った次第です。

*   *   *

個人情報の保護と公開に関して(私見)

A 検討すべき7つのポイント

  1 個人情報の公開・開示・閲覧・謄写・証言・提出等について
  2 業務遂行における個人情報の提供について
  3 業務上の個人情報の取得について
  4 職場(職員)としての個人情報の蓄積・管理について
  5 個人情報に基づく報告・発表等について
  6 関係する個人に関し、第三者間で個人情報が流出している事態等を知ったとき
  7 保有している個人情報そのものの内容と、公開の可否等に関する質的吟味について

B 7つのポイントに対する考え方(私案)

 目 次
  1 個人情報の公開・開示・閲覧・謄写・証言・提出等について
  2 業務遂行における個人情報の提供について
  3 業務上の個人情報の取得について
  4 職場(職員)としての個人情報の蓄積・管理について
  5 個人情報に基づく報告・発表等について
  6 関係する個人に関し、第三者間で個人情報が流出している事態等を知ったとき
  7 保有している個人情報そのものの内容と、公開の可否等に関する質的吟味について


1 個人情報の公開・開示・閲覧・謄写・証言・提出等について

  <前提>
    二つの情報形態 a文字言語情報=文書・AV等(有形保有情報)
             磁気的なメディアによる諸情報を含んで
             面接録音・録画等の本人の音声・映像等も含んで
            b音声言語情報=報告・証言等(無形保有情報)
    定義  公文書とは…
         「京都府情報公開条例」と対をなす(府条例第1条)
        個人情報とは…
         「情報公開」という事態と対をなす
          …職務上知り得た個人に関する(個人が特定できる)
           情報(そのような内容が含まれた情報)のことで、
           主観(情報)・客観(情報)を問わない

京都府情報公開条例第1条【定義】
 1 この条例において「実施機関」とは、知事、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、地方労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会及び内水面漁場委員会をいう。
 2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書及び図画(これらを撮影したマイクロフィルムを含む)であって、決裁又は閲覧の手続きが終了し、実施機関が管理しているものをいう。
 3 この条例において「公文書の公開」とは、実施機関が次章に定めるところにより、公文書を閲覧に供し、又はその写しを交付することをいう。

 情報提供の形態(府条例第1条の規定とは異なるが…)
   ・口頭で伝達
   ・文書の形で
     閲覧 …
     謄写 …
     貸し出し …
     文書提供 …
   ・AV、及びコンピュータメディアの視聴等
     視聴 …
     検索・処理・出力…
     貸し出し …
     コピーの提供 …

  <情報請求者の3つのレベル>
 a 不特定多数の「知る権利」としての情報請求
    CF. 基本的に「知る権利」に対応する制度としての情報公開条例
    「公開」が原則であろう(府条例前文)

府条例前文(抄)
 …このような精神の下に、個人のプライバシーの保護に最大限の配慮をしつつ、府民に公文書の公開を請求する権利を明らかにすることによって「知る権利」の具体化を図るとともに、府民が必要とする情報を多様な形態によって積極的に提供し、…

   公有情報に対する例外部分としての「児相保有の個人情報」
   これに対する児相が保有する個人情報 → 無査定非公開
     理由 法令秘(児童福祉法第61条、地方公務員法第34条)
            情報公開条例第5条第1号 及び同条第2号

 b その情報に関する何らかの当事者からの情報請求
    「本人請求」という概念 … 児童の場合どの範囲までの人を「本人
                  に相当する人」と認定できるか
        ・児童本人(児童の権利条約を意識する必要あり)
        ・親権者   に限る。
      CF. 大阪府公文書公開等条例の場合 (自己情報のコントロール権)
        ・(公文書の)本人開示請求権
        ・自己情報に係る記載の訂正請求権
      CF. ほとんどの自治体は、これを認めてはいない。

 大阪府公文書公開等条例
    第8条 【公開しないことができる公文書】
    第9条 【公開してはならない公文書】
    第17条【公文書の本人開示】
    第18条【自己情報に係る記載の訂正】

* 原則公開か、原則非公開か? → 原則公開だが、査定を要する。
     請求者の側:自分自身の情報に関して知る権利
         根拠法:憲法、(条例)
     被請求者の側:保有情報の公開に向けてのコントロール権
         根拠法:児福法第61条 …正当な理由なくして…
             地公法第34条 …守秘義務(一般的服務規程)
      (公開条例) 京都府現行条例 …理由にならない
             大阪府現行条例 …例外規定

* 非公開(部分公開)とするための理由
  ・第3者に関する情報が含まれており、公開することによりその人が著しく損害を被ると思われる場合。
     → 当人利益
  ・公開することによって、当人が著しく損害を被ると思われる場合。
     → 当人利益
  ・個人の指導、診断、判定、評価等に関する情報であって、本人に知らせないことが正当と認められるもの(大阪府条例第17-2-2)
     → 当人利益? 原則公開の立場からの例外規定?
     非公開がふさわしいということを誰が審議し、決定するのか?
       cf. 不服申し立てができる権利

* 制度にのっとらない公開要求
   情報公開制度によらない本人からの申出
     eg. ルーツ探しなどの場合の照会など
       …条例に基づく申請はなくても、前記の考え方と同一か

     (法令的には)公開する理由はない VS. 基本的に個人に与えられた権限
                        を遵守する形で、伝達する。
     CF. 無思慮に伝達した結果生じた不利益等に対して
          → 訴訟の対象になるだろう。

       この際に、「本人同意の有無」ということは無意味であろう。

* 情報公開制度、他法に規定された照会等に依らないで、関係諸機関から情報提供が求められた場合
    公開する理由がない。
    理由 法令秘(児童福祉法第61条、地方公務員法第34条)
       情報公開条例第5条第1号 及び同条第2号 → 有効
    ただ、以下のような場合は日常よく生じていることである
    業務推進(児童福祉)の為に協力連携する場合(2情報提供(流出)と関係)
    一般的に(現実的に)情報流出は多い。
       根拠法 : 児童福祉法(全般)

    「正当な理由があって…(児福法)」情報を伝達しているのか。
    正当な理由…とは何なのか → 児童の福祉の確保?
   *個人情報の積極的なコントロール権 CF.濫用
    その査定は誰がするのか。 CF.モラル法としての守秘義務
    機関決定としての会議、スーパーヴァイズシステム…
    誰が(何が)、職員のその行為を守るのか…

      CF.無思慮に伝達した結果生じた不利益に対しては…
          → 訴訟の対象になるだろう。
            この際に、「本人同意の有無」ということは無意味であろう。
            法にのっとり、個人情報伝達を積極的にコントロールしながらも
            児童福祉の推進の為に連携を取っていく(詳しくは2情報提供で検討)。


 c 特定の場合(事態)における法に基づく情報請求の場合

      参考資料:関連法令抜粋
       弁護士会(弁護士法)、警察(刑事訴訟法)
       裁判所(民事訴訟法、刑事訴訟法…)
       家裁(家事審判規則、少年法、少年審判規則)
       調停委員(民事調停規則)審査庁(行政不服審査法)
       … との法的な関係において

    法に定められている範囲で、原則協力となろう。

 「提出」と「協力」と「被請求」と「報告」とでは、意味が異なる。
 故に、原則公開の方向で、当方における情報の積極的なコントロール権が問われる。
 どのような方法で、どのような内容を、どの程度公開するかについての決定。
 どのような場合は、どのような方法で、どの程度協力するかについても、各法令ごとの一般原則と、個別の事例の内容別の原則について、方針を出し、事例を蓄積する必要がある。
 法で定められている事態が生じたときは、特殊かつ例外的な事態である。しかもその情報提出根拠や求められている拠出情報の範囲を明確にすることで(根拠法の明確化と、先方の依頼文書による情報拠出根拠の明確化)、児相の個人情報に対する積極的なコントロールの方法も自ずと明確になりうる。
   =「…正当な理由…」

    「正当な理由があって…(児福法)」情報を伝達しているのか。
     正当な理由…とは何なのか → 児童の福祉の確保?
                    本人不利益の除外?
     この際は、児童福祉にとって不当な理由がなければ原則協力である。

   *個人情報の積極的なコントロール権 CF.濫用
      その査定は誰がするのか。 CF.モラル法としての守秘義務
      機関決定としての会議、スーパーヴァイズシステム…
      誰が(何が)、職員のその行為を守るのか…

         CF.無思慮に伝達した結果生じた不利益に対して
            → 訴訟の対象になるだろう。
        この際に、「本人同意の有無」ということは無意味であろう。

 * 協力・公開等をしない場合
     何が根拠になるのか  地公法  あまり決定的とは思えない
                児福法  正当な理由の明確化はいかに?
                公開条例 法による請求が上位
                憲法   論議が分かれるだろうが…

     非協力に対する罰則規定は…
            保護規定は…   条文資料参照

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2 業務遂行における個人情報の提供(流出)について

 * 考えられる相手
   ・当人、保護者、施設、福祉事務所等行政関係、他府県機関、
    学校関係、保健所関係、家裁、主治医…
   ・関連機関担当外職員、他児相職員、…

 * 相手との不文律的協約事項(と、おもんばかっていること)
   ・当該児童の利益を目的にする機関同士(当事者同士)である。
   ・双方の活動が、立場は違っても当該児童の利益のために動いていると相互確認できる。
   ・当該児童のために、双方が守秘義務を有し、守秘義務の相互履行を確認できる機関である。
   ・これまでの経過の中で、上記のことについて失墜された経過がない。

 * 情報提供の形態と程度が曖昧になりやすい領域
   ・ 有形保有情報 … 文書等の形で
   ・ 無形保有情報 … 口頭で
       cf.「ここだけの話…」

 * 法令に基づく情報提供 文書提供+口頭
 ここでは、1−cとは違って、日常業務の中でのやりとりで、かつ法にうたわれているものをあげている。

  児童福祉法第 2条【児童育成の責任】
  児童福祉法第13条【市町村長又は児童相談所長と児童福祉司又は児童委員との関係】
           市町村長→児童福祉司:必要な状況の通報及び資料
           の提供、援助を求めることができる
  児童福祉法第26条【児童相談所長の取るべき措置】
           27条適用児の知事への報告(報告内容の規定)
           児童委員指導
           福祉事務所送致
           助産施設、母子寮、保育所への措置を要する者の都道府県又は市町村への報告
  児童福祉法第27条【都道府県の取るべき措置】
           施設措置(3号)、家裁送致、国療委託、保護委託
  児童福祉法第27条の2【家庭裁判所への送致】
  児童福祉法第28条【保護者の児童虐待等の場合の措置】
           家裁承認請求、施設措置
  児童福祉法第33条【児童の一時保護】
           一時保護委託
  児童福祉法第33条の4【福祉の措置に関する連絡及び調整】
           27-1 27-2に関しての関係地方公共団体相互の連絡調整
  児童福祉法第33条の5【親権喪失宣告の請求】
           家裁承認請求
  児童福祉法第33条の6【後見人選任の請求】
           家裁承認請求
  児童福祉法第33条の7【後見人解任の請求】
           家裁承認請求
  児童福祉法第63条の4【児童相談所長の援護の実施者への通知】
  児童福祉法第63条の5
           15歳以上の障害児の(身障及び精薄)成人施設
           への入所について。福祉事務所への通知
  児童福祉法施行規則第26条【児童福祉施設の長への書類送付】
           入所措置に際し、都道府県知事は、法第26-2に掲げ
           る事項を記載した書類を施設に送る
           住所・氏名・年齢・履歴・性行・健康状態・その他
  三歳児の精神発達精密健診の実施について(通知)
           保健所への要約の報告
  三歳児の精神発達精密健診事後指導の実施について(通知)
          (一歳六か月児健診精検、同事後指導)
  精神薄弱者福祉法第3条【関係職員の協力義務】

 この法律及び児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)による福祉の措置の実施並びにその監督に当たる国及び地方公共団体の職員は、精神薄弱者に対する福祉の措置が児童から成人まで関連性をもって行われるように相互に協力しなければならない。

            身柄及び事案の動く場合には、同時に個人情報も動く

 * 法令に基づかない情報提供

      根拠:児童福祉法第15条【児童相談所の業務】
        …必要な調査、判定、指導を行う
         児童相談所運営指針 <業務遂行上の配慮>
         調査、診断等を実施する場合、他の機関にあっせん又は連携して処遇
         に当たる場合等においては、原則として児童、保護者等の同意を得る
         等プライバシー保護に留意する。

  イ ケース移管等に伴うこと 文書提供+口頭
    転居、時間経過(成人になる)、相談の推移など
     ・他児相へのリファー、同所からの照会(法に基づく部分も…)
     ・福祉事務所へのリファー、同所からの照会(法に基づく部分も…)
     ・病院等へのリファー、同所からの照会
     ・精更相、身更相へのリファー、同所からの照会(法に基づく部分も…)
    身柄が動き、先方公所が照会を望んだ場合、あるいはその先の処遇
    のために当人がリファーを望んだ場合には、個人情報を動かす

  ロ ケース処遇に伴うこと(助言指導、ケース協議) 口頭が主体、(親書)
     ・当人保護者等に対して
     ・関係機関との協議
     ・関係機関への助言
    処遇を有効に進めるために、児相の意図で個人情報を動かす
    (先方の処遇のために、乞われて個人情報を動かす)

 * 各々の場合の問題点
 ロの場合は、そこでのやりとりが得てして曖昧になりやすく、不用意な情報流出も生じやすい。文書依頼に応じて文書で回答といった形式があるわけでもない。しかし、逆に何の要件で、何のために、何を、どのような方法で、どこまで伝えるのかといったコントロールを児相の側がきちっとすれば、それ以上の情報の流出はコントロールできる(積極的な個人情報のコントロール権の問題)。
 先方に伝えた情報が、先方でどのように一人歩きするのかについては、こちらのコントロールの及ぶところではない。これはいずれの場合もそうで、そのことをまず承知しておく必要がある。ロ以外の場合では、先方に有形情報がわたることになり、情報の内容が明確なかわりに、一人歩きした場合は、確実に児相保有のものがそのまま明確な形でどこかへ行くのである。
 それに対して、ロの場合は、無形情報であるのでデフォルメされ、口伝てに伝播される危険性がある。これはむしろ関係性の反映とも取れる現象であろう(人間関係がこじれる VS 証言性の曖昧さ)。

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3 業務上の個人情報の取得について

 * 法令に基づく情報の取得
  児童福祉法第11条【児童福祉司の職務】
           ・相談に応じる
           ・市町村長に協力を求める
  児童福祉法第12条【児童委員】
           ・児童福祉司に協力する
  児童福祉法第13条
           ・児童委員に調査嘱託ができる
  児童福祉法第15条の2【児童相談所の業務】
           ・相談に応じる
           ・…必要な調査、判定を行う
           ・…必要な指導を行う
           ・一時保護を行う
  児童福祉法第18条の2【福祉事務所の業務】
           ・福祉事務所に調査嘱託ができる
  児童福祉法第25条【要保護児童発見者の通告義務】
           ・…児相に通告しなければならない。
  児童福祉法第25条の2【福祉事務所長の取るべき措置】
           ・第27条の措置を取るべき者、…判定を要する者の児相送致
  児童福祉法第27条3【都道府県の取るべき措置】
           ・少年法第18-2で送致のあった児童、家裁決定の指示に従う
  児童福祉法第30条【同居児童の届出】
           ・保護者が児童を養育しがたい時は児童福祉司等に相談しなければならない
  児童福祉法第30条の2【里親等に対する指示及び報告徴収】
           ・都道府県知事→里親・施設長など
            必要な指示をし、又は必要な報告をさせることができる。
  児童福祉法第33条の4【福祉の措置に関する連絡及び調整】
           ・27-1 27-2 に関しての関係地方公共団体相互の連絡調整
  少年法第6条2【通告】
           ・触法通告
  少年法第18条【児童福祉法の措置】
           ・児相長送致
  少年法第24条【保護処分の決定】
           ・教護院又は養護施設送致
  少年審判規則第4条【決定と同行状の執行指揮】
           ・法第24条に関して
  少年審判規則第5条【決定の通知】
           ・児相から送致を受けた者の法18-20,23,24-1の決定時に
  三歳児健診・一歳六か月健診に関して

 * 個人情報の取得の原則
  ・法令に基づく取得(それを根拠とする調査)以外の場合には、個人情報
   を取得してはならない。
  ・情報取得の目的は「児童福祉」である。
  ・情報取得に際して、本人及び保護者の同意は必要条件ではない。
  ・業務の推進に際して必要な調査は積極的に行わなければならないが、不
   必要な情報の収集は「職権濫用」となる。
  ・目的のために取得した個人情報に付随して知りうる別件の情報に対する
   注意 → 情報取得をめぐっての自己コントロール義務(能力)

 * 児童相談臨床業務に携わる者の職業倫理の問題
     cf.そこにまつわっての、調査・判定・指導に対する「同意」の問題。
     情報取得の根拠は明確化できるが、情報収集の範囲、程度、方法、
     内容等については明確化できない。
       無思慮に伝達した結果生じた不利益に対して
           → 訴訟の対象になるだろう。
       この際に、「本人同意の有無」ということは無意味であろう。

 * 情報取得行為の結果生じる形態について
   取得情報の有形保存(記録)
   取得情報の無形保存(曖昧な場合、明確な場合)
 相談記録の形(有形保存)での内部保存が原則だと思われるが、後者の形態があり(eg. 記録が明確にならない関係者協議)、そのこともまた児童相談上で生じる重大な一形態であり、それは有効に作用することもあれば、又危険でもあるといった両義的なものであることをよく認識すること。

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4 職場(職員)としての個人情報の蓄積・管理について

 * 職場内議論と確認を要することがら
   ・ 蓄積・管理している情報の種類・明細の明確化
   ・ どの職種・どの職員の職域に属している情報かということの明確化
   ・ 管理方法の明確化(システム、ルール…)
   ・ 有形保有情報と無形保有情報の両方に対して考慮する必要がある。
   ・ モラルの問題、過剰規定の無意味さの問題…
   ・ 保有が個人レベルで管理されている種の情報に関して

 * 蓄積している個人情報の主要なもの
   ・ 児童記録票
   ・ 受理処理措置にまつわっての諸台帳、パソコン情報、フロッピー情報
   ・ 施設その他からの各種報告(綴り)
   ・ 家裁、触法関係の書類授受台帳
   ・ VTRその他の録音物
   ・ 個人作成になるワープロ文書のフロッピー
   ・ 里親台帳
   ・ 会議資料
   ・ 一時保護記録
   ・ 業務日誌、スケジュール(所用、個人用)、その他
   ・ (職員の記憶事項)

 * 児童記録票が持つ多面的性格
   ・ 一個人ひとくくりの継時的総合情報であること
   ・ 複数の事案(相談)が混入した情報束であり、個別に分割することが難しい
     側面を有する。
   ・ さまざまな種類の情報が(複数の職員からなる、多種な文書情報。主観情報
     ・客観情報・評価情報等を問わず。家族を始めとする複数の人に関する個人
      情報が含まれている書類)雑多に含まれている。
   ・ 児童記録票=全ページにわたって公文書か?
   ・ 児童記録票の持つコンテクストの曖昧さ。
       → このような性格の者を主情報としてストックしている。
       → サマリーとしての1から3号用紙
       → 更にサマリーとして、インデックスを作成してはどうか

 * 保存年限の問題、リファー(ケース移管)の問題
   ・ 原則5年、施設措置児永年でよいだろう(ヨゼフケースははずしてもよいのでは…)
       → 相談終了後か、18歳終了後か…
   ・ 上記のことを決めた限りは、廃棄を実行する
   ・ 障害児に関しては、精更相、身更相への移管を前提にしてはどうか
     (精更相に関しては、療育手帳がらみのケース全件。身更相につい
     ては、精更相ほど移管するケースの基準が明確にはならないだろう。
     18歳をもって)
   ・ 児相から、児相ケースを18歳を越えてPSWにリファーした場合
     も、ケース移管しても良いのではないか。
       根 拠 : 先方が守秘義務のある相談機関
            精神薄弱者福祉法第3条【関係職員の協力義務】
            障害問題は一生のことであるから…

 * 所番号、受理番号で、あるいはパソコンで管理していることのメリット
    (保有情報の総合インデックスとしての意味)

   ・ 所番号、年度別受理番号で管理していることは、保有情報と保有相
     談情報に対して、明確なコンテクストとなっている。
   ・ 三所統一で、以下の情報についてパソコンで管理していることは、
     保有情報に対して明確なコンテクストとなっている。
     <三所統一でパソコン管理移行が完了しているもの>
      相談台帳、受理処理記録、施設入退所台帳、里親台帳、里親受託台帳、
      施設入所者の調定管理
     <三所統一でパソコン管理への移行が可能なもの(準備されているもの)>
      心理判定日誌、一時保護実施状況個票、(家族療法VTR管理)(ケース進行管理)
   ・ 基礎となる台帳、パソコンデータベース(バックアップフロッピー)
     については、各所ごとに完全クローズドにして保有すべきである。
   ・ オペレータの個人指定、保有情報の改ざんの管理(禁止)

 * 1〜3の問題と関連して
 1〜3の問題において不測のトラブルを生じさせないためには、1〜4で述べた各事項を遵守するだけでなく、進んで4で述べている蓄積管理を各組織及び組織構成員がきちっと実行することが、その基礎的手だてであると考える。

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5 個人情報に基づく報告・発表等について

 * 文書等(有形情報) レポート、論文等
   口頭 (無形情報) 症例報告、講演等
             両方の場合が考えられる。

 * 基本的な視点
 してはならない報告・発表等 = その行為を為すことによって、個人が特定化され、その個人の非保護・不利益が生じる可能性がある場合
 報告・発表等に対する自己規制根拠 = TPOに対するセンス、判断の問題
                    児童相談臨床組織、児童相談臨床家としての倫理の問題
                    法令秘(地方公務員法、児童福祉法)
 この種の問題が生じる時の一般現象原則 = 上記に抵触する報告発表の有無ではなく、現実に当事者の側に不利益・非保護が生じたと当事者によって認識されたときに、はじめて事が問題化する性質のものであるということ。裏返せば、問題化しなければ抵触する報告発表があったとしても、結果オーライになるということ。  → これが危うい。
    CF.偶然事件になれば、その時は罰則、処分の対象になるということ。

 * 報告・発表の問題は常に両義的な側面をはらんでいること、それ故プライバシーの問題に最大限の配慮を払うことをそれを為す機関や為す者が十分承知しておくこと。

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6 関係する個人に関し、第三者間で個人情報が流出している事態等を知ったとき

   ・臨床倫理の問題
   ・法令及び原理原則の遵守


7 保有している個人情報そのものの内容と、公開の可否等に関する質的吟味について

   ・積極的な個人情報コントロール権を持つために、あるいは発揮する
    ために、しておかなければならない基礎的な認識(研究)
   ・個人情報の保護という事に対する、各種の個人情報のコンテントが
    意味する意味的側面への解明、あるいは見識。
   ・第三者的に判断を下せる組織機構の問題。
   ・業務検討を続けていることの意味。

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