本年、無事に金婚式まで添い遂げた私の両親が、1994年の春に聖地巡礼の旅に出かけた。
旅のコースはおおよそ次のようだった。まずローマに飛び、そこからイスラエルに入る。そこでエルサレムやガリラヤ地方などの聖地を訪ね、その後バスで死海から荒れ野を経て、アカバ湾ぞいのエイラットに至る。そして更にシナイ山を訪ね、スエズ運河を越えてカイロに至っている。そして空路でローマへ戻り、次はバチカンをはじめとして、イタリアを少し訪ねている。
帰国後すぐに、その時に撮って来たたくさんの写真を見せてもらったことがある。そしていつかはこの地を訪れたいと思った。しかし今の私にとっては、仕事と折り合いをつけてこんなゆとりのある旅はとてもできそうにもない。そして、時は西暦2000年の大聖年…。NHKがハイビジョンでエルサレムの町を紹介していた。キリスト教にとっても、ユダヤ教にとっても、イスラム教にとっても聖地である町エルサレムを、3つの宗教の視点から取材した番組であった。これを見ながら、少し前に両親がかの地に行った時の写真を見てみたくなった。
今、聖地への旅が叶わぬのなら、流行のバーチャル体験で…。両親が撮った写真を再構成しての、バーチャル聖地巡礼の旅に出よう。
