私たちの児相では、8年ほど前からいくつかの地域に出向いて、「教師と児相職員との勉強会」を持ち続けてきています。その開催案内のために、児相メールという小さなリーフレットを学校に対して配っていますが、そこに掲載した拙文のいくつかを転載します。子どもの症状や出来事、あるいは子どもをめぐる背景をキーワードに綴ったものです。
以前の職場で、対教師暴力・器物破損という相談でK君という子どもに出会ったことがあります。K君は中学校1年生。出会ってみるとどことなくあどけなく、全く憎めない子で、非行少年というより、幼い子どもという印象の方が全く正しい子でした。学校や地域から寄せられる「この子の非行に何とか対処を!!」という声とは裏腹に、児童相談所では「取り組むのは、この子に対する<しつけマラソンだ>」という気持ちが所員一同の中で強かったのです。最初は強かった風当たりを引き受け続ける中で、ゆるやかな歩みではありましたが親も子も頑張り続け、問題行動も徐々に聞かれなくなる中で、卒業と就職にこぎ着けました。
でも、K君の友人はいわゆる「非行仲間」と呼ばれている子ども達でした。他の子は相手にしてくれません。就職して、真面目に働いているという情報が私達の元に届いた少し後、遊び仲間とドライブに出たK君らの死亡事故の情報が届きました…。
随筆「Kへのレクイエム」へ(雑誌「非行問題研究」への投稿原稿)
拙著の内容紹介