香港に行ったOYAJIは、みんなオーナー

香港に行ったOYAJIは、みんなオーナー

〜 H氏、K氏の場合 〜


 1996年の初夏、私たちは香港へ行った。ところが、この4人のオヤジたち、実はすべてパソコンを所有している。役に立っているがどうかは<様々>なのだが、それぞれのパソコンの導入に当たっては、あれこれのことがありました…。

*    *    *

H氏の場合

 おおよそパソコンとは似つかわしくないと思っていたH氏が、「パソコンを買う」という。そういえば彼がワープロを買ったのは意外に早い時期で、数行しか表示されない液晶画面を持つ、カシオのワープロだったと思う。そしてそれはH氏の手で使われることはほとんどなく、職場に置いてあったので、ときどき他の職員が使っていた記憶があった。しかし彼は、今では職場でワープロをよく使っている。
 「パソコンは、何でも出来る道具と違って、使わなければただの箱…」と彼に何度か言った記憶がある。でも彼のイメージは、ワープロだけと違って、表計算が…、データベースが…、統計処理が…。いろんなイメージが広がる。

 彼は、つまりは、夢追い人なのだ。

 パソコンが、夢を実現してくれるのだろうか。しかし、新しいものには<夢>という言葉がついてまわる。<夢の超特急>(新幹線のこと)というのが、私にはわくわくする響きだ。
 そんなこんなで、彼は NEC の can be を買った。夢追い人らしく、テレビも見られる機種で、音楽CDも聴くことが出来れば、モデムも内蔵されている。CPU が80486 33MHz、メモリーが8MB。WINDOWS 3.1 がプレインストールされていた。そして、あれこれの設定の手伝いをした。当時のマルチメディア機種ではあっても、今となってはこのスペックでは貧弱に過ぎる。だけども彼は、WINDOWS 95 が発売されたときに、「乗り換えたい」と話していた。これには、「無理だ」と断念させたが、何故無理なのか理解していない。
 結論は、このマシーンでテレビを見ていることが結局は一番多かったようだ。彼は、「テレビを見ながら、ワープロで仕事が出来る…」と言っていたが。しかし、ともあれパソコン族の仲間入りである。話題が共通になった。職場のパソコンによるケース管理にも乗りだそうと動いた。そこで、データベースのフォーマットを手伝ったのだが、入力がまだ完了していない。これでは宝の持ち腐れだ。でも頑張って、職場の同僚の助けも借りながら、10000件ほどのデータは入力したそうだ。
 パソコンは、一つのツールに過ぎない。しかし、彼にとっては、一つのステータスであったのだろう。これも、OYAJIの夢なのである。

「Hさん、頑張って、入力を完了しましょうよ!!」

K氏の場合

 パソコンを導入したのは、4人の中では一番遅かった。それに、私には具体的にあれこれ頼んでこない希有なOYAJIの一人である。

 彼は文筆家で、長文をよく書いている。その結果、彼が持っているサンヨーのワープロでは、文書保存その他の点で最早限界を超えていた。彼はその事を嘆くのだが、その都度にパソコンワープロの恩恵に浴していたD氏や私から、「パソコンはよい」という話をきかされていた。かれは無類の理論家(というより、理屈屋!?)でもあるので、「やっぱり…」「でも…」「だけど…」と、あれこれ<しおしお>いうのである。まるで、今流行の毛利元就のようである。そう言いながらあれこれ考えているのではあるが、決断が着かないまま時が過ぎた。

 職場が、WINDOWS 95 のマシーンに更新された。そこで、「これをしおに、家でも同等の機種を買えば、データはフロッピーで持ち歩くことで、家でも職場でも使える …」という理屈付けで、やっと購入機種を決めた。Varue Star V12 を買う。選定の段階でも、あれこれの吟味があったようで、パソコンラックなどは、モニターが斜めに置ける、目にやさしいタイプにしたという。いちいち<御託>がつくのが、いかにも彼らしい。

 その後は、ワープロを中心によく使いこなせるようになったようだが、使用当初は、「これはいいのだが、ここが出来ない。ここが不便だ…」と、ながらく<しおしお>言っていた。一太郎など、Ver 6.3 から Ver 7 へもバージョンアップしているのだが、両者の仕様を比較して、良くなった所や、逆に使いにくくなった所をあげて、いろいろと嘆いていた。その甲斐なのか、一太郎の細かな機能は、彼が一番知っているようだ。

 文章は、たくさん書いており、最近になって彼の有用なツールにやっとなってきた感がある。そんな彼にとっては、プリンターの性能は大きな意味を持つ。用意周到な彼だが、チラシを見て一発決めで衝動買いしたものが、A4のレーザープリンターであった。何でもあれこれ試している内に、今持っていたバブルジェットのカラープリンターが動かなくなったようで、そこでの衝動買いだとか…。そして結果は、彼が極めて満足したのだから、衝動買いも悪くない。

 彼があれこれ思案して、途中まで手を出して中頓挫しているのがインターネットだ。その当時、彼はインターネットについてもよく研究していた。私やD氏が最早アクセスしていた頃だ。そして彼の出した結論は<ISDN>であった。ターミナルアダプタ(TA)等も最早購入したというが、そこ止まりになっていて、未だに先に進んではいない。もったいない話しである。用意周到な彼は、一面で意外に野放図でもある。

 彼が今考えているのは、スキャナーとOCRである。ひょっとしたら最早実行しているかも知れない。とにかくあれこれ考え、研究熱心ではある。そして、<しおしお>話はよく聞くが、具体的な迷惑を私にはほとんどかけない。

「Kさん、あれこれ考え、決心、決心…!!」


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