ちょっと、流氷

〜1泊2日、職場旅行〜


 97年2月某日、週末を利用しての職場旅行は、網走の流氷見学。<関西空港−女満別>、全日空で2時間ほどのフライトとはいえ、「1泊2日でわざわざ北海道へ行って帰ってくるなんてなんともったいない」と、呆れられることしきりだった。「親睦会の幹事は、いったいなにを考えとるんや…」自分でもそう思えるのだから、呆れられても仕方がない。

 厳冬期の、海に氷の押し寄せる北海道は、寒いこといかばかりかと、関西人の旅支度の感覚では想像もつかぬこと。とにかくスキー行き以上の準備を考えた。「ちゃんと支度したか、風邪ひかんときや、無事帰っておいで…」そんな妻の言葉に見送られると、とんでもないところへ行くような気分が次第に増してくる。

 機中から襟裳岬・屈斜路湖・摩周湖がはっきりと見えた。到着すると現地は快晴だった。網走港の砕氷船<オーロラターミナル>でラーメンの昼食をとったが、食後はむしろ暑かった。「いったいどこが北海道なんや…」 しかし、海に目をやるとそこは凍っている。外へでてもほぼ無風の日和。春の日差しを体いっぱいに浴びて散策した岸壁からは、知床半島が一望できた。

 「なんだ、大したことないじゃないか」と皆が口にした。しかしこの天候とこの眺望は、きっとよほどラッキーだったのだろう。地吹雪、ブリザード…、海の向こうはシベリアであるこの地では、きっとこんな日もあるのだろう。

 午後3時30分発の砕氷船オーロラ号に乗り込んだ。とはいうものの、洋上はやはり寒かった。それでも我慢して1時間の乗船時間の間ずっとデッキにいた。砕氷船は最前部のデッキに限る。氷に突入する瞬間はやはりすごい。一面の氷を見ると、その昔、南極に向かった<宗谷号>の乗組員になった気分だ

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 一点豪華主義の、つかの間の別世界を味わうこんな旅行も悪くない。幹事とお天気の神様に感謝。

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