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自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 (2001.08.20)(2008.10.21更新)
自動車運転者の労働時間その他の労働条件については、それらが交通事故の要因となる場合が多いため、事故防止対策の一環としてその改善が強く要請されているところです。
これに鑑み、平成元年2月「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(労働省告示第7号)」が発令され、その後、平成3年・平成4年の改正を経て平成9年1月30日付け労働省告示第4号により一部改正が行われ、平成13年8月20日国土交通大臣告示第1365号として定められました。

目次
改善基準の概要
トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント
ポイント1・拘束時間・休息期間
(1) 拘束時間
(2) 休息期間
ポイント2・拘束時間の限度=休息期間の確保
(1) 1箇月の拘束時間
(2) 1日の拘束時間と休息時間
(3) 拘束時間・休息期間の計算方法
(4) 1週間における1日の拘束時間延長の回数の限度
(5) 休息期間の取り扱い
(6) 休日の取扱い
ポイント3・運転時間の限度
(1) 1日の運転時間は2日(始業時刻から48時間をいいます。以下同じ。)平均で9時間以内
(2) 1週間の運転時間は2週間ごとの平均で44時間以内
(3) 連続運転時間は4時間以内
ポイント4・時間外労働及び休日労働の限度
(1) 時間外労働及び休日労働は拘束時間の限度まで
(2) 休日労働は2週間に1回
ポイント5・特例
(1) 分割休息期間
(2) 2人乗務の特例
(3) 隔日勤務の特例
(4) フェリーに乗船する場合の特例



改善基準の概要
項   目 改 善 基 準 の 内 容
 拘 束 時 間 1ヶ月293時間
(労使協定があるときは、 1年のうち6ヶ月までは、1年間についての拘束時間が3,516時間を超えない範囲内において320時間まで延長可)
1日 原則13時間  最大 16時間(15時間超えは1週2回以内)
 休 息 期 間 継続8時間以上 運転者の住所地での休息期間が、それ以外の場所での休息期間より長くなるよう努めること。











休息期間の特例 業務の必要上やむを得ない場合に限り、当分の間1回4時間以上の分割休息で合計10時間以上でも可。(一定期間における全勤務回数の1/2が限度)
2人乗務の特例 1日 20時間 2人乗務(ベッド付き)の場合、最大拘束時間は1日20時間まで延長でき、休息期間は4時間まで短縮できる。
隔日勤務の特例 2暦日 21時間
2週間で3回までは24時間が可能。(夜間4時間の仮眠が必要)ただし、2週間で総拘束時間は126時間まで。勤務終了後、継続20時間以上の休息期間が必要。
フェリーに乗船する場合の特例 乗船中の2時間は拘束時間として取り扱い、それ以外は休息期間として扱う。減算後の休息期間は、フェリー下船から勤務終了時までの時間の1/2を下回ってはならない。
 運 転 時 間 2日平均で1日あたり9時間
2週平均で1週間あたり44時間
 連 続 運 転 時 間 4時間以内(運転中断には、1回連続10分以上、かつ、合計30分以上の運転離脱が必要)
 時 間 外 労 働 1日、2週間、1ヶ月以上3ヶ月、1年の上限を労使協定で結ぶ。
 休 日 労 働 2週間に1回以内、かつ、1ヶ月の拘束時間及び最大拘束時間の範囲内。
 労働時間の取り扱い 労働時間は拘束時間から休憩時間(仮眠時間を含む)を差し引いたもの。
事業場以外の休憩時間は仮眠時間を除き3時間以内。
 休日の取り扱い 休日は休息期間に24時間を加算した時間。
いかなる場合であっても、30時間を下回ってはならない。
 適 用 除 外 緊急輸送・危険物輸送等の業務については、厚生労働省労働基準局長の定めにより適用除外。

トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント
ポイント1・拘束時間・休息期間
(1) 拘束時間
始業時刻から終業時刻までの時間で、労働時間と休憩時間(仮眠時間を含む)の合計時間をいいます。
(2) 休息期間
勤務と次の勤務の間の時間で、睡眠時間を含む労働者の生活時間として、労働者にとって全く自由な時間をいいます。
※労働時間には、時間外労働時間又は休日労働時間が含まれますので、その時間数又は日数をできるだけ少なくすることにより、改善基準告示に定める拘束時間内の運行、休息期間の確保等が可能となります。
ポイント2・拘束時間の限度=休息期間の確保
(1) 1箇月の拘束時間
@ 1箇月の拘束時間は原則として293時間以内でなければなりません。
A ただし、毎月の拘束時間の限度を定める書面による労使協定を締結した場合には、1年のうち6箇月までは、1年間の拘束時間が3,516時間(293時間×12箇月)を超えない範囲において、1箇月の拘束時間を320時間まで延長することができます(図1参照)。
(労使協定で定める事項)
・協定の適用対象者
・1年間について毎月の拘束時間
・当該協定の有効期間
・協定変更の手続等
(2) 1日の拘束時間と休息時間
@ 1日(始業時刻から起算して24時間をいいます。以下同じ。)の拘束時間は13時間以内を基本とし、これを延長する場合であっても16時間が限度です。(ただし、(4)の制限があります。)。
A 1日の休息期間は継続8時間以上とする必要があります。
拘束時間と休息期間は表裏一体のものであり、1日とは始業時刻から起算して24時間をいいますので、結局、1日(24時間=拘束時間(16時間以内)+休息期間(8時間以上)ということです(図2参照)。
(3) 拘束時間・休息期間の計算方法
色をつけた部分は月曜日に始まる勤務の拘束時間と火曜日に始まる勤務の拘束時間が重なる時間帯
@ 1箇月の拘束時間が改善基準告示を満たしているかどうかは、1箇月間の各勤務の拘束時間(始業時刻から終業時刻まで)をそのまま合計してチェックすることになります。
ただし、後述の「ポイント5・特例」の(1)分割休息期間(休息期間を拘束時間の途中及び拘束時間の経過直後に分割して与える場合)、(4)フェリーに乗船する場合の特例(フェリー乗船時間が2時間以上の場合であって、フェリー乗船時間のうち2時間を拘束時間として取り扱い、その他の時間を休息期間として取り扱う場合)は、始業時刻から終業時刻までの間にある休息期間を除いて計算します。
図3に沿って具体的に示すと次のようになります。

※1箇月間の各勤務の拘束時間の合計A時間1箇月の拘束時間の限度であれば、改善基準告示を満たしていることになります。
A 1日の拘束時間が改善基準告示を満たしているかどうかは、始業時刻から起算した24時間以内の拘束時間によりチェックすることになります。
図3に沿って具体的に示すと次のようになります。

※上記ア、イについては、共に改善基準告示を満たしていますが、アのように翌日の始業時刻が早まっている場合(月曜日は始業時刻8:00だが、火曜日は始業時刻6:00)は、月曜日の始業時刻から24時間以内に、火曜日の6:00〜8:00の2時間も入れてカウントされますので、1日の拘束時間は、改善基準告示に定める原則13時間ではなく、15時間になることに注意してください。一方、火曜日は始業時刻が6:00ですので、始業時刻から24時間以内には(当然のことながら)6:00〜8:00の2時間はカウントされます。
(4) 1週間における1日の拘束時間延長の回数の限度
1日の拘束時間を原則13時間から延長する場合であっても、15時間を超える回数は1週間につき2回が限度です。このため、休息期間が9時間未満となる回数も1週間につき2回が限度となります。
したがって、片道拘束15時間を超える長距離の往復運送は1週につき1回しかできず、改善基準告示に違反しないためには一定の工夫をする必要があります。(図4参照)。

※上記「休日」とは、改善基準告示上の休日を示しています((6)参照)。
上の例1及び例2は、1日15時間を超える勤務が月曜日及び火曜日に2回ある例です。
なお、例2の水曜日に始まる勤務の1日の拘束時間は、同日の始業時刻8:00から21:00までの13時間と、木曜日の6:00から8:00までの2時間の合計15時間となり、また、木曜日に始まる勤務の1日の拘束時間は、同日の始業時刻6:00から21:00までの15時間となります。
※上記「休日」とは、改善基準告示上の休日を示しています((6)参照)。
例3及び例4は、1日15時間を超える勤務が月曜日、火曜日及び水曜日に3回ある例です。
なお、例4の水曜日に始まる勤務の1日の拘束時間は、同日の22:00までの14時間と、木曜日の6:00から8:00までの2時間の合計16時間となることに注意してください。
(5) 休息期間の取り扱い
休息期間については、運転者の住所地での休息期間が、それ以外の場所での休息期間より長くなるよう務めなければなりません。
(6) 休日の取扱い
休日は、休息期間+24時間の連続した時間とすることが必要です。ただし、いかなる場合であっても、この時間が30時間を下回ってはなりません(図5参照)。
すなわち、休息期間は原則として8時間確保されなければならないので、休日は、「休息期間8時間+24時間=32時間」以上の連続した時間となります。また、後述の「ポイント5、特例」の(3)隔日勤務の場合、20時間以上の休息期間が確保されなければならないので、休日は、「休息期間20時間+24時間=44時間」以上の連続した時間となります。よって、これらの時間数に達しないものは休日として取り扱われません。
なお、後述の「ポイント5、特例」の(1)分割休息期間、(2)2人乗務の特例、(4)フェリーに乗船する場合の特例については、休息期間に24時間を加算しても30時間に満たない場合がありますが、この場合でも、30時間以上の連続した時間を与えなければ休日として取り扱われません。

なお、2日続けて休日を与える場合は、2日目は連続24時間以上あれば差し支えありません。
ポイント3・運転時間の限度
(1) 1日の運転時間は2日(始業時刻から48時間をいいます。以下同じ。)平均で9時間以内
1日当たりの運転時間の計算に当っては、特定の日を起算日として2日ごとに区切り、その2日間の平均とすることが望ましいですが、この特定日の最大運転時間が改善基準告示に違反するか否かは、

とがともに9時間を超える場合は改善基準告示に違反し、そうでない場合は違反しないことになります。これを図示すると図6のようになります。
(2) 1週間の運転時間は2週間ごとの平均で44時間以内
特定の日を起算日として2週間ごとに区切り、その2週間ごとに計算します。
これを図示すると図7のようになります。
(3) 連続運転時間は4時間以内
運転開始後4時間以内又は4時間経過後に30分以上の休憩等を確保することにより、運転を中断しなければなりません(図8参照)。

ただし、運転開始後4時間以内又は4時間経過直後に運転を中断する場合の休憩等については、少なくとも1回につき10分以上としたうえで分割することもできます。(図9参照)。
ポイント4・時間外労働及び休日労働の限度
(1) 時間外労働及び休日労働は拘束時間の限度まで
時間外労働及び休日労働は1日の最大拘束時間(16時間)、1箇月の拘束時間(原則293時間、労使協定があるときはポイント2(1)の条件の下で320時間まで)の範囲内でしかできません(図10参照)。なお、時間外労働及び休日労働を行う場合には、労働基準法第36条第1項に基づく時間外労働及び休日労働に関する協定届を労働基準監督署へ届け出なければなりません。
※この図は、1箇月の拘束時間が293時間で変形労働時間制がされていない場合のものです。
(2) 休日労働は2週間に1回
休日労働は2週間に1回の頻度でしかできません。
ポイント5・特例
(1) 分割休息期間
業務の必要上、勤務の終了後継続した8時間以上の休息期間を与えることが困難な場合には、当分の間、一定期間(原則として2週間から4週間程度)における全勤務回数の2分の1の回数を限度として、休息期間を拘束時間の途中及び拘束時間の経過直後に分割して与えることができます。
この場合、分割された休息期間は、1日において1回当たり継続4時間以上、合計10時間以上でなければなりません。
(2) 2人乗務の特例
運転者が同時に1台の自動車に2人以上乗務する場合(ただし、車両内に身体を伸ばして休息することができる設備がある場合に限る。)においては、1日の最大拘束時間を20時間まで延長でき、また、休息期間を4時間まで短縮できます。
(3) 隔日勤務の特例
業務の必要上やむを得ない場合には、当分の間、次の条件の下に隔日勤務に就かせることができます。
@ 2暦日における拘束時間は、21時間を超えないこと。
ただし、事業場内仮眠施設又は使用者が確保した同種の施設において、夜間に4時間以上の仮眠時間を与える場合には、2週間について3回を限度に、この2暦日における拘束時間を24時間まで延長することができます。
この場合においても、2週間における総拘束時間は126時間を超えることはできません。
A 勤務終了後、継続20時間以上の休息期間を与えること。
(4) フェリーに乗船する場合の特例
運転者が勤務の中途においてフェリーに乗船する場合には、フェリー乗船時間のうち2時間(フェリー乗船時間が2時間未満の場合には、その時間)については拘束時間として取り扱い、その他の時間については休息期間として取り扱います。
フェリー乗船時間が2時間を超える場合には、上記により休息期間とされた時間を休息期間8時間(2人乗務の場合4時間、隔日勤務の場合20時間)から減じることができます。
ただし、その場合においても、減算後の休息期間は、2人乗務の場合を除き、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの間の時間の2分の1を下回ってはなりません。
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