Q サロン名「キルケ」の由来はなに?
A ギリシャ神話の中でも大長編、大河ドラマ「オデュッセウス」の物語に出てくる魔女の一人の名前からいただきました。キルケは自分の島に辿り着いた人間たちにお酒やご馳走をふるまったあと魔法で獣にしてしまう魔女。でも、オデュッセウスは知恵と勇気を持つトロイア戦争の英雄。島の偵察中に獣にされてしまった部下たちを救うため、キルケの城に乗り込もうとしたとき旅の神ヘルメスに獣にならない薬草を食べるようにというご加護を受けます。そして酒宴のあとキルケはオデュッセウスに魔法をかけますが効果なく、命が惜しければ部下たちを人間に戻すようにと彼に剣を向けられます。
キルケはそんなオデュッセウスを気に入り、自分と愛し合うことを条件に部下たちを人間に戻し、疲弊していた彼らに豊かな暮らしを与えます。オデュッセウスが故郷イタカに帰らなければと思ったときはすでにキルケの島での暮らしが一年半も経過していました。彼にとってはまだ三日のつもりだったのに。帰ろうとするオデュッセウスにキルケは彼の子供を宿していることを告げ、航路も分からない出発の無謀さを説きますが「たとえ海の藻屑となり魂だけになろうとも愛する妻のいる国に帰る」という彼の意志の強さに負け旅立ちを許します。冥界に居る預言者テイレシアスに彼がイタカへの航路を尋ねられるように取り計らって。
嫉妬に狂うキルケの姿ももちろん想像できるのですが、私は彼女の懐の深さに注目して物語を読みました。キルケはオデュッセウスの人間性に惹かれ、人間の信念の前に自分のプライドや夢を犠牲にした魔女。そんなキルケの寛容さにあやかりたくてサロン名にいただいたのです。もうひとつ付け加えれば、キルケという音の響きにも何か心地よさを感じたためだろうと思います。