Muzio Clementi
(1752-1832)
Sonata in B Flat Major, op.24-2


ピアノ・ソナタ 変ロ長調 作品24−2

作   曲 ムツィオ・クレメンティ
作曲時期 1781年頃
出   版 1789年 オリジナル・ハープシコード集 第2巻
スティーヴン・ストレイス編纂(ロンドン)
Explanation
クレメンティに対する評価は、たとえば《ソナチネ・アルバム》に収められている、《作品36》の6曲のようにピアノの学習用として愛奏されたり、クレメンティ自身によるピアノ教本《グラドゥス・アド・パルナッスム》のように今日でもピアノ教育において重要な役割を持ち続けているが、一方でコンサートなどで演奏される機会となると極めて稀にしか耳にすることが出来ないのも事実である。
その中ではこの作品24−2《ピアノ・ソナタ 変ロ長調》は演奏される機会が比較的多いものである。
1780年夏、クレメンティは欧州演奏旅行に出発し、翌年12月24日にウィーンにおいて、皇帝ヨーゼフ2世の前で御前演奏をする機会を得た。
この時、ヨーゼフ2世は同席していたロシアの公爵夫妻のために、クレメンティとモーツァルトに対し競演をさせた話は有名である。
公爵夫妻は、先ずそれぞれに自作の即興演奏を、その後にパイジェッロの自筆譜(大変読みにくい楽譜)での初見演奏を求めた。
このときの様子をクレメンティの弟子であったベルがーは、モーツァルトは「これまでに聴いたことがないほどの、活気と優雅さに溢れていた。」と評した。
一方、モーツァルトはクレメンティの演奏を「右手に関する限りは上手に演奏したが、演奏そのものは機械的である。」と批判し、この後もクレメンティに対しては「クレメンティは多くのイタリア人と同様に山師だ。」酷評をした。
いずれにしてこの競演でクレメンティが演奏したのが、《トッカータ(作品11)》とこの《ピアノ・ソナタ  変ロ長調 作品24−2》であるといわれている。

構成
Allegro con brio アレグロ・コン・ブリオ 変ロ長調 ソナタ形式
この楽章の主題がモーツァルトの《魔笛》の主題と似ているために、これを想起してモーツァルトが2年後に《魔笛》の主題を書いたのではないかと思われている。
これが唯一の主題で、第二主題はこの主題をヘ長調に転調されただけである。
しかし、イタリア的な颯爽とした快適な疾走感が魅力的な音楽である。
Andante アンダンテ・クアジ・アレグレット ヘ長調 展開部を欠くソナタ形式
表情が豊かな第一主題と分散和音とスタッカートによる第二主題が印象的。
Rondo: Allegro assai アレグロ・アッサイ 変ロ長調 ロンド形式
軽快な主題は4回現れるが、中間部ではへ長調の長い副主題が伸びやかな表現を見せる。
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