登場人物
アンドロメダ (S) エチオピアの王女
ペルセウス (CT) 英雄、ゼウスとアルゴスの王女ダナエの息子
カシオペイア (S) アンドロメダの母
メリソ (Ms) アンドロメダの母
ダリソ (T) アンドロメダを恋する若い異国人

Antonio Vivaldi ,Anonymous
(1678-1741)


Andromeda Liberata

Serenata veneziana
【幕前の物語】
エチオピアの王妃であるカシオペイアは自分が海の精ネーレイデスよりも美しいと言い放ち、ネーレイデスたちを挑発した、それを聞いたネーレイデスたちは怒って海神ポセイドンに復讐を願う。
ポセイドンはその願いを聞きいれ、エチオピアを荒廃させるために海の怪獣を放つ。一方、エチオピアには神託が下り、カシオペイアの娘であるアンドロメダを生贄として捧げれば、怪獣が荒れ狂うのを宥めることができると告げられる。アンドロメダは生贄となって、岩に鎖で縛り付けられる。
そこにゴルゴーネ、メドゥーサを退治したペルセウスがセーリポス島へ帰る途上で立ち寄り、アンドロメダを目にして恋に落ちる。ペルセウスはエチオピア国王夫妻から怪獣を退治すればアンドロメダを娶らせるという約束を取り付け、怪獣に戦いを挑む。ペルセウスはメドゥーサの頭を怪獣に見せて石に変えて、アンドロメダを救出する。
【第1部】
怪獣を倒し、ネーレイデスの復讐を斥けたペルセウスは、アンドロメダを救出しその愛を勝ち得たことを喜ぶ。エチオピアの王室に仕える羊飼いのメリソらはペルセウスを讃えて合唱する。
カシオペイアも娘を救い、国を護ってくれたペルセウスに感謝して、それまでの心痛とそれが彼によって消え去ったことを
《私の人生が苦悩の内に》で歌う。
アンドロメダはペルセウスに向かって、鎖から放たれたからには、彼の愛に従わなければならないと言い、得られた自由は自分の人生を死よりも辛いものにしたと訴える。それを聞いたペルセウスは、アンドロメダが感謝するどころか苦しんでいることを知って悲しみその訳を訊く。アンドロメダは自分は優しいダリソを愛していると告白する。ペルセウスは気分を害し、それならばダリソの元へ行きなさい、但し彼はきっとアンドロメダの愛には無関心だと言う。アンドロメダはそんなことは信じませんと言って、ダリソへの切々とした思いを
《優しい眼差しは》で歌う。絶望したペルセウスはアンドロメダの不実を責めて、もう二度と貴女の前には現れませんと言ってその苦痛を《恋に生きるものは誰しも》で歌う。
ペルセウスの嘆いている様子を見たカシオペイアはその訳を訊く。ペルセウスはアンドロメダが命を救われたにも関わらず、不実を犯し自分を裏切ったと訴える。それを聞いたカシオペイアは、それは誤解だと言って否定するが、ペルセウスはダリソが彼女の心に情熱の炎をかきたてていると言う。娘をペルセウスに与えると約束したカシオペイアは、そんなことを信じてはいけないと言い、ペルセウスに天の幸運がきっとやって来て、喜びが彼の苦悩を終わらせると
《あなたに幸運をもたらす》を歌う。
ダリソが現れて、恋することの苦しみが喜びよりも常に大きいものだと語り、エロス(キューピット)の矢が時には慈悲深い歓びを、時に残忍な苦しみを与えると
《エロスにはただ一つの種類の矢しかなくて》を歌う。
メリソはペルセウスが怪獣を倒した時にあれほどの歓びが、今や復讐を誓ったこととアンドロメダが約束を破ったことによって不幸に包まれ苦痛に塗れていると嘆き、済んだ小川に向かって、
《澄んだ小川たち》を歌う。
カシオペイアはアンドロメダに、元のように鎖によって岩に縛り付けられるか、ペルセウスの妻になるかどちらかを選びなさいと言う。アンドロメダは自分の気持ちを今一度確かめさせて欲しいその後でどりらかを決断しますと答える。カシオペイアは、アンドロメダが恩知にもペルセウスを拒めば自分は誓いを破ることになると彼女を責める。アンドロメダは、確かにペルセウスには感謝しているが、エロスの矢はそれ以上のものだと
《私を救ってくださった英雄は》を歌う。
カシオペイアは理性を持ってことに応じ、ペルセウスを受け入れないとアンドロメダ自身の名誉を失うことになると諭すが、アンドロメダは再び、もう一度自問させてくださいと願う。

【第2部】
アンドロメダは自分の心に向かってその苦しむ為に生まれ、悲しみ為に生きると語り、運命とは残酷なものだと《惨い運命よ》訴える。
ダリソが現れて、酷い運命に自分も涙を流していると訴えるが、アンドロメダはその様に同情するのならば、どうして冷たくするのか?と問う。ダリソは自分はエロスの敵で、恋などしたくないと語り、ペルセウスの愛に応えるように言って立ち去ろうとする。アンドロメダは、彼を引き止めるように自分の愛を切々と訴える。しかし、ダリソは自分の愛を求めてもそれは妄想に終わってしまうと答え、自分は自由の快楽を求めると言う。アンドロメダは侮辱と怒りが燃え盛るのを感じると言い、それを聞いたダリソは
《苦しみたいものには苦しませよ》を歌い、自分は恋から逃れて自由に生きたいと語る。

メリソがアンドロメダとペルセウスの結婚を祝い
《至高なる天空より》を歌う。アンドロメダがペルセウスに向かって、貴方は2度の勝利を得ました。一度目は怪獣から自分を救ってくれた時で、2度目は自分に揺ぎ無い愛を植え付けた今ですと語る。ペルセウスはそれでは以前のようなダリソへの情熱は消えうせたのですねと問う。アンドロメダは、これが自分の復讐で、あれはペルセウスをt試すためだったと答え、自分の運命を喜びなさいと言って《すべての火に不死鳥のような者》を歌う。ペルセウスは太陽の光が世界をもう一度、赤金色に染める前に自分たちの炎が心を燃え上がらせるでしょうと言いアンドロメダもそれに応えて、この日の栄光を宣言する。ペルセウスは不安や悲しみの後にこそ、より大きな希望と歓びがやって来ると《太陽はしばしば》を歌う。
メリソがアンドロメダとペルセウスに神殿の祭壇に感謝を捧げる時が来たと告げる。カシオペイアもさぁ行きましょうと言って、
《やさしくささやきながら》を歌い喜びを表す。ダリソもペルセウスにアンドロメダが苦悩から解放され真の自由を得たことを語り、自分は大変に喜んでいると言って、ペルセウスを促し、アンドロメダもペルセウスの手をとって神殿へ向かいましょうと言う。皆の喜びの内に幕となる。