Days of CLICK



11月1日(木)

視聴盤で聞いて30秒で「うがー」となって(またかい)「Esperanza」を購入。フラメンコ+ヒップホップ。どーよ、これ。打ち込みの音によって、スパニッシュギターの流す涙が一瞬にして乾いて、そのままジェラルミンの粉に変わってしまうような。メンバーは全員ドロボーヒゲぞろいで、熱いまなざしでバラの花くわえながら「マルガリータ、チョチョリーノ、グラッサボンザー」とか言って、女を口説きそう。いや、知らないんだけど。とにかく、激カッコいいんである。
それから、先日某ラジオ局のディレクターが番組でプッシュしていた「Afro Celt Sound System」。こちらは、ケルトを取り入れたドラムンベースにブレイクビーツ。これがまた、たまらんちんのカッコよさ。
私はこういう「横道にそれてる」音楽が好きなのかもしれない。そこに、ロックの種子が蒔かれているのを感じる。ビバ邪道。

11月2日(金)

毎月定期的に入るマーケティングレポートの翻訳終了。毎月やっていると書く人の癖だとか力の入れ具合がわかってきて面白い。今回は何となくやっつけ仕事的。翻訳の身の丈は原文そのままであるべきなので、当然のことだけれど、足したり引いたりはできない。「こんな唐突に終わるのはモトモトなんですよー。翻訳のせいじゃないですよー」と、心の中で訴えながら納品。

11月4日(日)

初めてコイン洗車という所に行って車を洗う。私が機械デストロイヤーなのをひそかに知っていたのか、車屋のDさんが手伝いに来てくれた。しばし「プロのお仕事」を拝見。職種に関係なく、プロの手さばきというのは美しいと思う。料理人がジャガイモをむく手だとか、ギタリストが弦を張り替える手だとか。でも、私が仕事している時の手さばきなんか人に見せたくないですわよ。たぶん、すごい形相だと思うので。グワシャ、みたいな。

11月5日(月)

車を洗った翌日は雨、はお約束なのです。

家に帰ると、K君の発行するフリーペーパー「Ciname Loves me」7号が届いていた。いつもに増して面白い。自分でも「意識改革」だと言っていたけれど、K君に何かが起こったのかも。雷に打たれたのか、神の啓示を受けたのか。大袈裟な。でも、素敵な脱ぎっぷりだった。自分の感じたことを自分の身の丈にあった言葉で、誠実に伝える。私が信じているのはこういうことだ。「書く」というのは文字を並べるだけのことではないのだよ(って誰に言ってんだ)。

11月6日(火)

リカクマ君、明日からベン・フォールズを見るため東京へ行くのだ。うらやましー。誰が何と言おうとベン・フォールズはパンクだよね、ヘナヘナの。この人が弾くのを聞いていると、ピアノって「打楽器」かも、なんて思ってしまうのアルね。ケンカも弱そうだし、スポーツもできなさそう。でも、ピアノをキックして歌うことはできる。ダメな人の開き直りはダメなままだけど、悪あがきする姿はたまらなく愛おしいものだ。「ほっぺたギュー」の刑。

11月7日(水)

今日の西鉄電車の泣き女。
宮部みゆきの短編集「人質カノン」を読む。「八月の雪」でこらえきれず号泣してしまった。荒んだ世界で失わないたった一つの希望。出会った人に笑って手を振るようなあたたかさ。なぜ、この人の物語はこんなに私の涙腺を破壊するんだろう。困るぜ、まったく。

11月8日(木)

先日こすった所を直してもらうため、車を預けに。引き受けてくれたのが外車専門店なので、代車が何とVOLVOなのですよ。さあ、下唇かんでリピートアフターミー、ヴォルヴォ!みたいな。ただし、右ハンドル。車の機器の説明をしてもらっていたら、サンルーフの開閉のところで「今、こっから頭出したい、って顔してましたよー」とズバリ見抜かれました。小学生かってのよ。
相方、車が大きくなった!!と大喜び。で、中で聞いているのはモーニング娘。なんですけどね。道行く人もこんなえらそうな車の中で「ウッ、ハッ」とか「セクシービーム☆」とかやってるとは思わないでしょう。愉快、愉快。

夜、モーニング娘。出演の「うたばん」を見て盛り上がる。女ばっか13人という怖い図式。女の子の不安や意地や嫉妬や喜びや「栄枯衰退」が、常に人の目にさらされながら進行するストーリィ。残酷だけれど、何だか各メンバーに愛着を覚えてしまうのですよ。不思議。で、こんなんで大丈夫なのか、私。

11月9日(金)

モ娘。評論家の柴田です。
最近はヨッスィー(吉澤ひとみ)について考えています。第四期の中では強烈なメンバーに囲まれて影が薄く、ちょっと昔風のバタ臭い顔(キャロライン洋子とか(古っ))で損していた彼女が新曲で大大ブレイク。その鍵がまさか「男装」だったとわ。人生ってわかりません。ヨッスィー、宝塚へ転向か。でも、こういう「男より男らしい女の子」が出てくる図式って、女子校そのものだなーと思いました。だから、何を熱く語ってるんだ、私。

夜、東京へ転勤が決まったMさん夫妻の送別会へ。Mさんは口数少なくでしゃばらず、でも、しっかり者だったりして、まさに「理想のおヨメさん」なのです。ダンナのAさんは車の改造に命をかけるオモロイ夫婦。おいしい料理を前にしゃべってしゃべって、楽しく過ごしました。

11月10日(土)

神がいないと書く月。神様たちは出雲に出かける準備で忙しいのだろうか。何となく11月という月は神様に見放されているような、「人間のことまでかまっとられんわ」って感じがするような。

この2週間くすぶっていた事がクリアになったので、YとNに報告。Nとは「もしもし」と言った後、笑い声だけでだいたい会話が成立してしまう。怖い。Yは相変わらず愛情深いコメント。

神はいなくても、友情にはあふれた月。

11月11日(日)

風邪がなかなか直らないので薬箱を物色していると「ネオ真治」という名前の風邪薬発見。でも、ネオ真治って一体。これは世の中を「ネオ武田真治化」する政府の陰謀なのか、そうにちがいない。あっちを見ても武田真治、こっちを見ても武田真治、突然トランペット吹いてみたり。嬉しいんだか、気持ち悪いんだか、それでどうするんだか。
で、飲みました、「ネオ真治」。まだ効いてはないようです。

リカクマ君、無事東京から帰還。モンダイのベン・フォールズのライヴはあんまり楽しくなかったそうだ。特に「ピアノを椅子で殴った」という話はおかーさんも感心しませんわよ。山口洋に「きさーん、何しよーとや!」と一回、ボコボコにされてみたまへ。みたまへ、って言われても。楽器虐待禁止キャンペーン続行中。

1年ぶりのふちがみとふなとライヴ、諸事情が重なって行けなかった。しょんぼり。
ライヴ行きたかったワー、とハンカチを噛んで、スネオのママになる夜でした。

11月12日(月)

先日、階段で転倒したので、足に青タンがバッコンとできてしまった。膝の見えるスカートをはいたら、あの西鉄電車O駅階段での痛々しい惨劇の後が丸見えに・・・。「あの人、虐待されてるかもしれません」と通報されたらどうしよう、などと考える。だから、誰にだ。
ビル・ウィザースのCDを入手。最近お昼によく行く「くら重」のマスター(ヒートウェイヴの元マネージャーTさんにソックリ。博多弁にて『ちかっぱ似とう』)に教えてもらったもの。この人の歌は、ゆっくりとくゆらせる煙草の煙のよう。ゆらゆらと立ちのぼりながら、いつしか真昼の光の中に消えていく。たとえようもないほど美しい。目を閉じて、煙の行方に思いをはせる。

11月13日(火)

ここ数週間、書きたいことが浮かんでは消える。今はまだその時ではないような。もつれた糸がほどけるような、堤防が決壊するような、表面張力がこわれてグラスの水がこぼれるような。その時をしずかに待っている。

11月14日(水)

「男よ、闘え」

ダディーズファームの「ボジョレーヌーヴォー解禁パーティ」へ。このイベントが始まってから1年になる。もう1年がたったんだなーと感慨深い。このイベントの面白さについては毎月書いているけれど、本当の「音楽とのつきあい方」を感じさせてくれる時間だ。

本日のライヴはアジさんのジャンベのないトミシゲ氏(トミ&アジ)から。歌を聞いていて、バンドというかユニットって1+1=2以上!なんだと再認識。この人のよく通る艶っぽい声とガットを強く張ったギターの音が私はとても好きだけれど、「組み合わせの妙」と言うものもあることを思った。
無礼者達。いつもは調子が良くて面白いバンドなのに、こんな日もあるサというライヴ。こういうのを「地団駄を踏む」と言うのだという姿を目の前で見たような。
ひさしぶりに見たクロウマは素晴らしかった。南さんのヴォーカルは「ひと粒でモンゴルの風」、繊細で熱いミノルさんのギター、今日はスネアとベースが入ってまた音が厚くて良かった。「男よ、闘え」 なんてシンプルでいい言葉なんだろう。

解散後、K君を送る途中楽しい雑談。家庭教師と生徒ぐらい年齢が違う二人(なんちゅうたとえ)だけれど、解りあえるものがある。たぶん、共通点は「前向きにバカ」ということではないかと。「言い訳って大嫌いなんですよ」 多くを語らなくても、その一言で十分。

11月15日(木)

修理が終わったという連絡が入ったので、車を引き取りに。ヴォルヴォ、アディオス。自分の車に戻ってみたら、ハンドル軽くてオモチャみたいで。人間は順応する動物なのか、それとも欲望が尽きないのか。

11月17日(土)

ヤポネシアン・ボールズ・ファウンデーション岡山公演。遠足前の小学生のように待ちに待ったこの日。二日前から、荷物を何度も入れたり出したりしていた。
3時の新幹線でNと岡山へ向かう。楽しい道中。実はあるスジの人から「シバタのことだから、福山と岡山を聞き間違えて降りるのでは。そして、新幹線が走り去ったホームで呆然とするのでは」と心配されていたらしい。私の習性をよく観察した的確な予測と言えよう。期待を見事に裏切り、我々は無事に岡山に着いたのであった。
岡山の駅で「ピーチプラザ」というショッピング街発見。福岡の「めんたいワイド」とタイのベタさ加減が可愛い。こういうのを見ると「遠くまで来たんだな」と感慨深かったりして。
会場で各地の友人とプチ同窓会とハグ大会。モ娘。の話に花を咲かせていたので、周りの人はさぞうるさかったと思う。て言うか、何のライヴに来てるんだ、私は。

Velvet Undergroundの「We're Gonna Have a Real Good Time Together」で始まったライヴ。ステージに登場した中川敬(アラブのコスプレ)、コーキ、山口洋、そして渡辺圭一。もうすでに私は涙目になっていた(またかい)。その後はほとんど記憶が、ない。
第一部の「荒野の風」が終わった時、今年のベストライヴが決定した、決して揺るがない強さで。まだ11月だけど。こんなに泣いたり笑ったり体が震えたりすることは、もうしばらくないかもしれない、とすら思った。

終演後、くんずほぐれつの楽しい宴。ひさしぶりに会えた今日の主催のNO FEAR/NO MONEY企画の面々。彼らのガッツと誠実さは音楽ファンの宝である。と言いつつ、音楽談義などひとつもせず、おバカな話に終始。笑いすぎてノドがガラガラになった。明日はもんたよしのりになれそうだ。

11月18日(日)

ほとんど眠ることなく、大友康平並に早起きをして、フォルテシモ並にバタバタと新幹線に乗って、ウォウォウォと歌いながら帰路に着く。

ふとした瞬間に、昨日、山口洋と話したことを考えた。一緒にモノを作る人のつながり。ゆるやかで、それでいて深い深い結びつき。それは「友情」とも違うし、「恋愛」とも違う。考えていると、涙がじんわりと出た。4滴ぐらい(それだけかい)。

11月19日(月)

ダイエー、寺原交渉権獲得。でも、ドラフト1位の選手が成功する確率って結構低いような。しかし、あの複雑そうな笑顔はどういうことなのだ。誰だ、入れ知恵したのは。

11月20日(火)

ヤポネシアン・ボールズ・ファウンデーション福岡公演。
2度目になると、随分落ち着いて見れた。今日は号泣ナシ。でも、その分いろんな事がクリアになった。なくしていたパズルのピースが見つかった感じ。これだ。探していたのはこの感じだ。
山口洋の楽しそうな表情と中川敬の意外に甘い声がずっと残った。
それにしても。思えばこの6年間、私は何とまあ未練たらしかったことか。どんなベースを聞いても、このブンブンブイブイな音のカケラを探していたのだ。待たせたね、遠回りだと笑うだろうか〜〜♪ 宇崎竜堂の声が頭にコダマする。

終演後、いつものお店で宴。とんでもないハプニング発生。唖然→動揺→ブルーの後になんだか「ネタにしちゃおう」感がやってきて、笑えた。バカ。

11月27日(火)

まったく文化的でない1週間。ヤポネ去り、私壊れる。アイーン。あのライヴ以来、ぼーっとして過ごしている。東京のライヴも見たかった。こんなにあるバンドの姿を目に焼きつけていたい、と思ったのは本当に久しぶりのことだ。こんなんでこの先、私は大丈夫なのか。ううぬ、どうしてくれよう。

夜、ビデオで「ビューティフルピープル」を見る。温かい映画だった。

11月28日(水)

先日、うっかり「タートルネック」のことを「とっくり」と言ってしまい、大いに笑われた。ババア露呈の図。
でもですね、考えてみて下さい。何かおかしいと思いませんか(自分のことは棚にあげて・・・)、皆さん(だから誰に言ってるんだ)?ヨダレかけのことを「スタイ」とかジーンズは「デニムパンツ」とか、コトバがどんどんスカした方向に行っちゃってると思いませんこと?タートルネックなんて、直訳したら「亀の首」ですよ?亀の首、短いじゃないですか!村上龍かと思っちゃうよ。オラ、とっくりの方がいいと思うわさ。
というわけで(意味不明)バックトゥベーシック。基本に戻りましょう。これからは

タートルネック → とっくり
コーデュロイ → コールテン
ベルベット → べっちん
オーバーオール → サロペット
ティッシュ → チリ紙
ヨロシク → 4649

という表記を推奨します。

皆さんの「バックトゥベーシック」アイテムも募集中(何に使う気)ざんす。

11月29日(木)

ロッド・スチュワートの新譜にマイダーリン、マーク・ノップラーがギターで参加していると聞いて、さっそく手に入れる。ますます色気のあるマーク・ノップラーのギターの音。かつては神経質なまでに研がれていた音が驚くほど柔らかな表情を見せている。そして、深みを増したロッドの声。こんなアルバムを聞くと、いろんなものが「つながっている」と思わずにいられない。

11月30日(金)

「Through the Wind」とタイトルをつけたテープを持っている。ちょうど「Set on You」がヒットした頃、ジョージ・ハリソンの曲を自分で編集したテープだ。何で「Through the Wind」なのかよくわからない。そのころの私には、ジョージが限りなく自由な風に思えたのだと思う。あの奥歯を噛み締めるような独特の発音。いつも震えているようなギターの音。もう一度、ジョージにはアルバムを出してほしかった。ジョンやポールのようなマスターピースと言えるソロアルバムをジョージも作れたと思うのだ。そして、何よりも、私は彼の歌がもう一度聞きたかった。


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