Days of CLICK

12月1日(土)

ようやく手に入れたヒートウェイヴの5枚組ライヴボックス「No Regrets」。 いろんな人から「素晴らしい」という声を聞いているけれど、簡単には聞けない「何か」が自分の中にある。聞かれるために作られた作品がそこにあると言うのに、自分の中にあるこの10数年間の「思い」と折り合いをつけられるかと考えるとためらってしまう。能書きたれずにいいからさっさと聞け、ボケぇ、と山口Bに怒られそうだけれど。そんな簡単なものじゃないのだ、きっと。今さらながら、ヒートウェイヴと共に歩いた年月を振り返った。何と言うか、ババアな今日このごろ。

12月2日(日)

Dの買い物につきあって、久しぶりにキャナルシティへ行く。オーノー!と言う感じ。人、人、人。クリスマスのイルミネーション。通りにあふれる物欲。キラキラピカピカのブランド品。ブランドだけのレストラン。どっと疲れてしまった。ミーはイヤざんすよー!と、さっさと逃亡。
私の愛する街は最近狂ったように騒がしい。どこへ行ってしまうんだろう、と時々不安になる。

12月5日(水)

今日のニュース。

出産特番、なべ番組に負ける。

各局が皇室の出産関係の特番一色だった中、頑固に自局の旅番組を放映していたテレビ東京。お金がないのか、頑固なのか、ポリシーなのか。ビデオも借りられず、かと言って他に見る番組もなかった人々にとって、一服の清涼剤だったと言えよう。わはは。テレビ東京、何となく好き。

12月7日(金)

根菜たっぷりの鍋を食べられる「猫屋」にて、Kさんたちと早めの忘年会。ニューヨークから帰国したHさんの娘さんをまじえてバカ話。後半は主に、リアップの話と「ハゲたら剃ろう」と言う話だったような。いつも通り、私は一滴も飲まずに。でも、一番うるさかったかも。私が飲めないのは「飲まなくてもハイになれるから酒はいらないのでは」と指摘されて、いたく納得。

12月8日(土)

ミュージシャンが役者になってしまうと、もうこちら(音楽)に戻ってこれない、ような、気がする、今日このごろ(歯切れ悪いな)。トム・ウェイツをのぞいて。

12月10日(月)

意を決して(大袈裟な)エイヤっと「No Regrets」を聞く。ええい、表をあげい。もう泣くのはやめよう。
"beautiful"という言葉を大切に使いたい、蛇口をひねるように簡単にしたくない、と最近思う。このアルバムはまさに"beautiful"としか言えない瞬間の連続だ。誰かが「mostの上を表わす言葉はないのか」と地団駄踏んでいた気持ちがよくわかる。あらゆる醜さと闇をくぐりぬけた"most beautiful"がそこにある。私はこの音楽を埋もれさせたくない。どうしても、どうしても、この音楽のことを伝えたい。

12月11日(火)

スペースシャワーを見ていたら、ワタクシ、驚きでアゴがはずれました。グレイが「Wet Dream」とか言うタイトルの曲をやってるではないですか。ウ、ウ、ウェットドリームですよぉ(動揺して声が上ずるの図)。英語にて(小さい声で)夢精ですよ。な、な、何なんだ、君たちはぁ。確信犯的にやってるにしてはリフで「レボリューション」とか言ってた気がするし。
ジム・キャロルのバンド名はWet Dreamをもじって、"Dry Dream"だった。こういう人をオチョクったセンスは最高だと思う。この人の書いた「バスケットボールダイアリーズ」は大声で笑うほど面白かった。デカプリオ主演の映画はセンチメンタル&ドラマチックで好きじゃなかったけど。
それにしても、驚いた。こんなバンドが日本で一番売れてるだなんて(以下自粛)

12月14日(金)

年末と言えば「忠臣蔵」でしょう。我が家の「ベストオブ忠臣蔵」は里見浩太郎が大石内蔵助を演じた日本テレビの分。ふっふっふ。頭おかしいんとちゃうか、私。

今月からある音楽雑誌のインタビューの翻訳をすることになった。好きなジャンルだと仕事が早い、早い。編集の人からとっても誉められて、心の中でひそかにガッツポーズ。やればできるじゃん。その調子で他の仕事もやんなさい、わたくし。

12月17日(月)

I know the light is fading fast.

ベスト盤がリリースされたからだろうか、あちこちでホール&オーツが再評価されているのを聞く。私とリカクマも突発的にホール&オーツモードになっていて、何の前振れもなく「プライベートアイズ」のフリをするのが最近の流行。当時は「流行りモノ」で「軟派」というイメージがあって、硬派なロックファンには「ケッ」と言われていたけれど、20年たってもこのメロディの美しさは色褪せることがない。ブルーアイドソウル、ロックンソウル、というジャンルを確立したのもこの人達だし。
それにダリル・ホールと言うキャラクターが私にはけっこう面白い。もう50才になると言うのに、ますます艶っぽい声と、ひよわな外見とは程遠い無骨な発言の数々と、歌っている時のまぶしいぐらいに幸せそうな笑顔。そして、ブロンドとアイスブルーの目、というありえないほど少女マンガな風貌で、たった一人の女に振り回される男の歌を歌う。山ほど女を泣かせただろうに、この人の歌のテーマはいつも「来ては去っていく」女への妄執なのだ。不思議な人である。

Everytime you go away, you take a piece of me with you.

12月18日(火)

翻訳ソフトを使ったマニュアルのお仕事。ブヒー。この間誰かと話していたら「翻訳なんてそのうち機械が全部やるようになるんじゃないか」という意味のことを言われた。人間に曖昧さやニュアンスがなくなったらそれも真実かもしれない、と思う。翻訳ソフトを使ってみる限り、しばらく失業の心配はしなくて良さそうな。

12月19日(水)

小冊子を発行している友人から頼まれていた原稿をやっと脱稿。書きたいことは山程あったというのに、頭の中で発酵させすぎて、ヴィンテージどころではなくなっていたカモ。後で聞いてみると、どうやら私待ちだったらしい。あやうく発行に穴をあけるところだった。すまない・・・。
結局、今年はCLICKを出すことはできなかった。この1年は「その時期」じゃなかったような気がした。お、逃げているか。そうではなくて。人を動かす力は巡ってやってくる。今年は走る時期じゃなかったのかもしれない。人を動かす力、モチベーション・・・それはこんな姿をしているそうです。((c)ワタナベコウジ)

12月20日(木)

リカクマ君、この寒いのに京都へ行ってしまう。せっかく痩せたから、とミニをはいていく勢い。風邪ひいて帰ってくる、に1万点賭けたいと思います。

Nといつもの韓国料理の店でミーティング。何のミーティングか私も知らないが。要するに「ケジメをつける時はこの店で焼肉」が二人の暗黙の了解なのだ。私たちの嗜好は笑っちゃうぐらい似ている。彼女が遠いところに嫁に行ってしまったらココに来る事もぐっと少なくなるなあと思ったら、ちょっとしんみりした。表ジュージュー、中しんみり。それにしても、昨今の騒ぎでこの素敵な店がなくなるなんて事がなくて良かった。狂牛病なんて人災以外の何物でもないなあと思う。ヨイデスカ、フシゼンなコトをスルト必ずしっぺ返しが来るのデース。と、なぜ外国人宣教師になっているのかわからないが。抗生物質を大量投入した養殖魚は奇形になるし、身体にシリコンを入れると副作用が出る、みたいに。いや、けして一回ぐらい使ってみたくないわけではないのですが(ある部分にね。フン、うるさいやい)、"Don't fuck the nature"というコトバが頭にコダマする今日この頃。

12月21日(金)

ワールドカップでやってくるフーリガンのため「日本語の罵りコトバ」を掲載したガイドブックがあるそうだ。How to swear in Japaneseとか書いてあるんだろうか。詳細はこちら。外国に行ったら、その国の言葉で罵る。正しい国際交流と言えましょう。しかし、「スシを全部食ったのは誰ダ」と言われたって。あたしたちにどうしろと?皆さん、こんなふうに罵られたら、精一杯怒ったフリをしてあげましょうね。グローバルコミュニケーション!by グレイなのだから(ウソ)。

12月22日(土)

シネテリエ天神に「メメント」を見に行く。凄い人の多さだった。配給が決まった時にはこれほど話題になると思っていなかったのだろう。ミニシアターではさばききれないほどの人が来ていて、丸椅子が出ていた。

久しぶりに焼いたバナナケーキを持って、先日結婚したYちゃん宅に押し掛ける。大濠公園を見渡す超バブリーな夜景が見える新居。みんなで食べて、喋って、人生ゲーム。楽しかった。

12月23日(日)

音楽好きのHさんにプレゼントするために、ケルト音楽のMDを編集する。テーマは「アンチ癒し系」で、アシュレイ・マックアイザック、ボジーバンド、キーラ、シャロン・シャノン、クランその他モロモロを選んだ。アルタンも私の中では「アンチヒーリング」である。ひとにMDをプレゼントする時、何となく緊張する。押し付けがましくないか、と言うのが結構気になってしまうけれど、作った時の思いだけが届けばいいなと思う。

夜、家族でメリー!な宴。グラタンを作った。

12月24日(祝)

クリスマスイブ。カンケーないねっ(by 柴田恭兵)と言いつつ、ダディーズファームのクリスマスイブライヴへ(「こんなところで飲んでてどーするー!クリスマスの夜はSexだー!」がテーマらしい。ホントか)。今回はOさん、無理やりお誘いしたHさん、前回のライヴを見て気に入ったKさんと一緒に。開演まで人でなし風味を加えつつ、楽しくおしゃべり。Nは先日二人で食した生カキがあたったらしいと欠席。全く何ともない私って一体・・・(笑)Yに「やっぱりあなたの胃袋は未確認物質でできている」と言われた。どーよ、この言われよう。

【後日談:生カキによる食中毒か、と思われたN。実は盲腸だったらしい。生カキ、無罪!私の胃袋、無罪勝訴!ほっとひと安心。まっ先に「良かったー、これからもカキが食べられる」と口走ったN。そんなあなたが好きです。】

毎回のことながら、ここのライヴがやっぱり私は好きだ。前回のリベンジとなった無礼者達。ほとんどブチ切れていたトミ&アジ。クロウマは南氏のヴォーカルがいつもより伸びてなかったような気がしたけれど、三者三様に素晴らしかったと思う。
クロウマの歌はいつも、ライヴがハネた後、ふとした瞬間に断片が浮かび上がってくる。今回も帰り道に半月を見上げた時に、南さんのウタが聞こえてきた。

負けつづけることが僕の旅。

12月25日(火)

クリスマスに関係なくお仕事。職場のみんなとケーキを買ってメリー!リカクマ君はミニスカートで京都→京都、もちろん極寒→風邪引き→お休み、と言うはずれなしのクジみたいな結果に。あれだけ周囲の人間が忠告したというのに・・・。右から左、どころではない。「リカクマの耳はただの飾り」が定説となった。リカクマに会ったら「あ、つけ耳だ」と言ってあげましょう。

昨日、Oさんにジャック・マイヨールが自殺したという話を聞き、気になってネットでいろいろ調べてみた。原因はわからないものの、遺書があったことから自殺と断定されたらしい。享年75才。今年知った「死」の中で、ジョージ・ハリソンとこのニュースが一番こたえた。ジャック・マイヨールは海で死ぬべき人じゃなかったのか。もし病気だったとしても、彼ならベッドの上ではなくイルカに囲まれて死ぬ方を選んだんじゃないだろうか。それとも、それは私たちが作り上げた幻想なのだろうか。私の手元には何度も何度も読んだ「イルカと、海へ還る日」がある。彼が還ったのはどこだったのだろう。何だかやりきれない思いがした。

このニュースに附随して、HさんとOさんと「映画の"グランブルー"と"グレートブルー"は違う」と言う話ができたのが、嬉しかった。同じやん、と言う人が多いのだけど、あれは"グレートブルー"(英語版)として作られた映画なのだ。絶対そうだもん。だってそうなんだもん。と小石など蹴ってみる。ラストのジョアンナの"Go and see my love(私の愛を見に行ってきて)"というセリフは、フランス語版のはずの"グランブルー"でもそのままだったし。それに・・・(CIAの圧力により以下自粛。てか、細かい話なので)言い出すとキリがない。要するに、私が好きなのは"グレートブルー"で、"グランブルー"は別の映画に近いのヨという話なのでした。

12月27日(木)

岡山からロックな小冊子「Pieces」が届いた。CLICKが歩みを止めている間に一体何冊のPiecesが手元に届いたのか、数えるのが怖い。いつからかPiecesに加わるようになったコレ氏の文章が面白くて、死ぬほど笑った。原稿からツバが飛んできそうだと思う人ってなかなかいないゾ(笑)

お前もそろそろ飛べ!と自分自身に言ってみた。

12月28日(金)

シネリーブル博多駅で「アメリ」を見る。今年のベストムービー満場一致で(ってどこの会場だ)決定。この満面の笑みを見よ。

こんな幸せな映画を見たというのに、怒りっぽかった1日の後半。帰ってChamber StringsとManu Chaoを聞く。Manu Chaoは素敵なミクスチャー。Chamber Stringsは2000年代のバンドとは思えない。黄昏の匂いがする。

12月29日(土)

取材と称して、ダディーズファームにて山口Bとイロイロ話。途中から渡辺地獄氏参加。この人はホントに頭がいい。いわゆる野性知性。山口命名によると恥性。そして、話はどこまでもどこまでも脱線した。
山口Bが「話すことで伝えられることは限られている」と言うのは、実感としてよくわかる。自分自身も常にそう思っているし。それでも、コトバで聞きたいと思ってしまうこのジレンマ。帰り道、コトバについて何となく考えた。星がとてもきれいな夜でした。

12月31日(月)

昨日は家でお餅をつきました!憂鬱になる暇もなくシェフと運転手を勤め、年の瀬をあわただしく過ごしました。毎年思うけれど、夜中の太宰府のキリっと冷えた空気って好きだな。ココロが透明になっていくような感じがするのです。


littlE mOrE pAst dAys of CLICK(2001.11)

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