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4月1日(月)

Spring has come. でも、桜はもうすっかり散っている。春はやっぱりどこか残酷だし、桜には狂気めいたものを感じる。桜の樹の下には死体が埋まっている、と言ったのは梶井基次郎だった。最近、彼の小説を読みかえしてみて、圧倒的に正しい感性だと思った。

茅野裕城子の小説を読んでいたら「モノを書くってどうしようもなくブスな仕事なのね。10日間タイプライターに向かってたら、顔は内側に向けて変質してくるの。外側に向けた丁寧にお化粧した顔じゃ文字なんてひとつも書けないのよ」という文章が出てきた。あーわかるなあと膝を叩いたが、足はポーンとあがらなかった。脚気かもしれない、とちょっと不安になる。でも、脚気って何の病気かよく知らないんですけど。
これは、顔の話ではないし、顔の作りの話でもないのだ。文章を書き始めると、自分の中の深海に潜らなくてはいけなくなる。目は内側を向いてしまう。それはつらいつらい作業なのだ。でも、たった一人で深い海に潜らなければ、そこにある文字を拾ってくることはできない。そんな風に思う今日このごろ。

4月2日(火)

1月にWebサイトを閉じて、あっという間に3ヵ月がたった。一度やめてみると、自分がWebというものにどういうスタンスだったかがよくわかった気がする。更新に追い立てられるようなところもあって、自分のペースを見失っていたのかもしれない。なんちゃって。
しばらく再開するつもりはなかったけれど、リカクマ君多忙につきレイアウト作業ができないので、7号をWeb版で出そうということに決定。また面白いことができたらいいと思う。

中国に帰国していたKYさんにお土産に「モンゴルのミルクティー」の粉末をいただく。パッケージには「蒙牛乳並」の文字。もうぎゅうにゅうなみ・・・?見た目はまるで「つよい子のミロ」のようなそれをお湯でといてみると、何と塩味!蒙古族のいやがらせか!?カミカゼの仕返しか!?(何でやねん)と思ったけれど、モンゴルではミルクティーは塩味が普通で、特別なお客さんにふるまうのだそうだ。牛乳の味が濃い。きっと精製しない牛乳はこんな味がするんだろう。そういえば、辺見庸のエッセイにも「バター入りコーヒー」の話が出てきた。「塩」というのに意味があるのかもしれないな。塩だ。

4月3日(水)

Yと楽しみにしていた「大トルコ展」へ行く。世界史を真面目に勉強しなかった私でも、十分面白かった。ただの壷も石のかけらにも、トルコから中国、そして日本へ道がつながっていたんだなーと思える名残りがいくつもあって、遠い時代に思いを馳せた。すると、アタマの中に喜多郎のシンセサイザーがジュワーンと鳴っていた。何と単純な頭の作り。
どちらかが「この時代に自分たちがタイムスリップしてしまったら?」と言い出し、とりあえず手に職がなければ生きていけないね、という話になる。Yはパッチワークや刺繍がプロ並に上手いので、すぐに侍女として雇ってもらえるだろう。私は「英語ができます」と言ったらきっと「異教徒!」と言ってコロされてしまう。あーん、どうしたらいいのだ。とりあえず、料理番になろう、魚でも羊でもさばいてみせるワ!みてらっしゃい!どっからでもかかってらっしゃい!となぜかムキになって考えていた。いつの時代にも生きていける「たった一つのこと」を持ちたいものだ、と思った。

夜は、Nを呼び出して3人+αでいつもの韓国料理の店へ。Nいわく「業密度の高い会合」。何の話をしても「カチッ」と音がしてあう感じ。[気がおけない] の定義を図で表すとこんな感じだろうか。楽しかった。

4月4日(木)

ナンバーガール「ナムアミダブツ」を聞く。ヒサコちゃんのギターは相変わらずカッコいい。向井君って妄想野郎なんだろうなあ。おもろい。岸田繁とはアブナサのベクトルが似ているようで違う。ウィンクがうまくできないコドモみたい、と誰かが言っていたけれど、言い得て妙。

昨日からMとメールのラリーが続いている。私が男だったら親友だったろうなと思う男子の一人。男女の間に友情は成立するのか?なんて、この場合、愚問である。Mも私との間に友情以外考えたくないだろうけどさ(笑)いつまでたっても話が尽きず、朝から夜更けまでギネスブックに挑戦のヒマ人二人。て言うか、つきあっていただいてありがとうございます。

4月6日(土)

カクカクシカジカの理由でモーニング娘。のライヴへ。2年前にはなっちしか知らなかった私。今では声も聞き分けられるわ。思えば成長したものだわ、キラーン☆ 観客のほぼ半分が子供+「え〜モーニング娘。のコンサートぉ?え〜仕方ないなあ。じゃあ、パパが連れていってやるか」とあくまでつきそいを装いつつ、実は自分が一番楽しみにしているであろうお父さんたち。それに、オタク連。会場は5,000人は入ろうかという巨大ホール。カラフルなライトとくるくる変わる衣装と若さと軽やかに動く体。意外に激しいダンス。武富士のCMかモーニング娘。か、ってぐらい(ウソ)
シャ乱Qが出てきた時にも思ったけれど、つんく(変なマーク付)の中には日本の歌謡曲の系譜があるよう。借り物のポップスとか何ちゃってロックではなくて。

何と言うか、凄いものを見た。

4月8日(月)

リカクマがホームページのアイコンその他をそろえてくれた。待ってましたよ。やっぱり違う、プロのお仕事。こうやって、二人でモノを作るのはやっぱり楽しい。ダイエーも阪神も不安になるぐらい強いことだし(意味不明)。何かが始まりそうな気がする。

4月9日(火)

僕の無知な時代に別れを告げるんだ(PEALOUT「Good Byeble」)

最近の私はPEALOUTとニ度目の邂逅を果たしている気がする。3月のイベントがあまりに感動的だったこともあるのだけれど、人は人と何度でも「出会える」んだなあと思う。道がめぐって、季節がめぐって(あんまり季節がめぐると松●千春になるのでご用心)、スピードがズレて見えなかったPEALOUTの景色が私にも見えてきたのかもしれない。何度聞いても、自分とおない年である彼のあまりのみずみずしさに心打たれる。きっと音楽にふたたび出会うまで、彼の感情はどこかで眠っていたんだろう。「空白の海の中、やりすごしてきたTeens Blues」と歌う彼は、今、いろんな感情に気付いているような気がする。何かに気付くのに、遅すぎるなんてない。外が雨だろうと真夜中だろうと構わない。走り出して、きみに会いにいく。そんな「後ろをふりかえらない」決意のようなものを感じさせる。すがすがしくてちょっと涙目。

4月11日(木)

元ちとせに関する「音楽の流れる風景」を脱稿。せっせとWEBデザイン開始。何となく自分の姿が巣作りをする鳥に見える。ピーチクピーチク。ガンバレ、私。

それにしても、阪神もダイエーも強いのな。うぉっほっほっほ。今年はダイエー阪神かな、とちょっとニンマリ(もちろん日本シリーズの話)。野球ファンに夢を。読売に制裁を。(某氏によると、巨人軍をべっ視した差別用語が「読売」なんだそうだ。爆笑)今年は「星野仙一に見る部下のやる気の引き出し方」っていう本が出る、に一万点賭けたいと思います。

4月13日(土)

ホームページビルダーなんか持ってない私。ひたすらタグを打ち込む日々。タグタグ、タグ。何を見てもタグに見える。何を見ても<>と</>で閉じたくなる。タグを打ち込まない人にはわからないと思いますが、バトルロワイヤルの略語「BR」を見ると、反射的に「改行」と思ってしまう。
午後、ようやく7号「Soul Traveller」をWEB版でアップ。ヒデキカンゲキ。おめでとう、私。ありがとう、私。と、盛り上がってもみた、一人で。サミシーッ。

4月15日(月)

先日、PEALOUTのライヴが横道坊主とイベントで「熊本」に来るというライヴ情報を読み、すっかり行くつもりでいたら、それは埼玉の「熊谷」だったのである。愕然。しかも、指摘されるまで気がつかなかった私、ホントに大丈夫なのか。私の生活に校正者がいたら、きっと赤ペンだらけだろう。いやん。

4月16日(火)

メールに感謝する日々。マックのモニターの上に並んだ文字がほこっと暖かい。少しずつ少しずつその人に私をちかづけてくれる。何百キロの距離を超えて。

4月17日(水)

ブームの栃木孝夫様(ドラム)、山川浩正(ベース)、渡辺圭一(ベース)、そして山口洋(ギター)(バンド内ヒエラルキー順に記述(笑))によるお祭りバンド、「栃木祭り」ライヴ。
なぜか、物販のお手伝いをする。私に数やお金を当たらせて大丈夫なのか、というココロの声もサラリとかわしつつ、もくもくとTシャツやとちぴー飴を販売。物販をしていると、お客さんの「顔」が見られるのが好きだ。どんな人がどんな風にこの音楽を好きなのか感じられる。
ライヴ。山口洋の力説する通り、栃木さんのドラムはいい。「音が微笑んでいる」ドラムを叩く人を初めて見た。こんな音がバックにあると、ヴォーカルは全幅の信頼をおいて歌えるだろう。ドラムはバンドの要だ。それに、山ちゃんのベースは相変わらず動じることがなく、繊細だ。「ブーム」というバンドについて何となく考えた。バンドとしての「栃木祭り」の感想はKGBの圧力により自粛。ピロシキとコサックダンスの刑にかけられるので(ウソ)。

4月18日(木)

良好音楽視聴。舞踏開始。頭回転。激楽。頭脳破壊。痴呆的夜。

4月19日(金)

ハシケンインタンビューをアップ。ミュージシャンにとってそれが褒め言葉になるのかどうかわからないけれど、彼ほど「人柄の良さ」が音楽に表われている人も少ないのではないだろうか。誠実な感じが文字にもにじみでている。まだうまく言えないけれど、この人にはいろんな可能性があるような気がする。あの海の風のような声をもっといろんな人が聞くべきだ。そして、この音楽が広がっていけばいいと思う。

不思議な醜い感情を持て余し気味の一日。

4月22日(月)

多言語のパンフレット作成のお仕事。ポルトガル語なんかわかりゃーん!スペイン語なんかわかりゃーん!校正を入れるのにもひと苦労。博多弁にて「オオゴト」でありました。

久しぶりに、タワーでCD購入。M推薦のノラ・ジョーンズ(素敵)、DJ KRUSH「漸」(コトバが痛い)、トム・ジョーンズ「ゴールデンヒッツ」と、食べあわせの悪そうな選択。どれも良かったけれど、特にトム・ジョーンズは素敵だ。こんな人イマドキいないぞ。ギャランドゥもまっさお。帰り道、名曲の数々を熱唱。「Something 'Bout You Baby I Like」という曲はキャンディーズの「年下の男の子」の元ネタであることを発見。もしかしたら、矢沢永吉にも影響を与えているかもしれない。

4月23日(火)

CLICK内バンド名大賞「ハンサム兄弟」のニューアルバムが出ました!『理由なきハンサム』に続く新しいアルバムのタイトルは・・・

『ハンサムジャナカッタ』!!

今頃気付いたのか。爆笑。このセンス、最高。

4月24日(水)

愛しい恋しいポール・ウェスターバーグの新譜を聞く。あまりに素晴らしいので、失語症に陥った。私の解説なんかよりも、内ジャケットに書いてある恐ろしくカッコいいコトバを引用したい。

これは、時間をかけずにプレイし、金をかけずに録音したロックンロールだ−汗まみれの手と 自分でもよくわからない理由に動かされて。

どんなサウンドか
どんなことを歌ってるか
誰が何をやってるか
そんなことは大した問題じゃない

IT FEELS RIGHT.

これが俺に流れる血だ。


このアルバムにおさめられた曲はすべて(ライヴやツアーやインタビューに費やした期間の後)2年間にわたって自宅で録音したものだ。ほとんどのテイクは夜中に一発録りでやった。テープが足りなくなったり、歌詞をトチったり、音程をはずしたり、ノイズが入ったり、というミスに聞こえる部分を直すためにエフェクトを後から入れたりもしなかった。ほとんどの曲はテープを回しながら書かれた(あるいは生まれた)ものだ。


プロらしくない?どっちかって言うと「リアル」って感じだね。誰が何と言おうと。
(ポール・ウェスターバーグ)


日本語ではこの感じを表わし切れないのが何とも悔しいところ。もーカッコいいんだから!と背中をドーンと押した(心の中で)。

4月25日(木)

各方面から、CLICKに対する反応をいただく。「紙でもう一度読みたい」と言ってくれた人が多かったことが心強かった。紙の手ざわりとか。ページをめくる感触とか。目で追う文字とか。そういうものを大切にしたいなと思った。折りしも、幻冬舎の設立者である見城徹氏の本を読んでいたところだった。本、そして表現というものに対する凄まじい執念と情熱。「心が激しく震えるもの。それをみんなに伝えたい」というコトバに激しく勇気が出た。

4月26日(金)

友人より小包が届く。新しい生活のはじめの一歩。小さくて大きな足跡を見せてもらったような気分。遠いけれど近くで、近いけれど寄りかからずに、お互いに頑張っていける。そう信じてる。

大橋にあるオシャレなお店にて、宮崎へ転勤になったOさんを囲む会。なぜかエストロゲンなんかの話をしていたような記憶がうっすらと。いつ会っても自然に溶けこめる楽しい人たち。

4月27日(土)

4月の終わりだと言うのに、肌寒い日々。ちょっとちょっと聞いておくんなさいよ、旅のお方(誰)。私はですね、「ザ・季節感のない女」と呼ばれておりまして、クローゼットの中にセーターの次はもうノースリーブしかないんでございますよ。こんな天気じゃどっちつかずで着るものに困るんでございますよ。どないしましょう。
福岡は南国だと思われているし、夏の暑さも太陽の邪悪さを感じるほどなのだけれど、これが冬になると「だまされた!サギや!」と言いたくなるぐらいにとんでもなく寒い。その名残りをいまだに引きずっている。重たい空。チリチリとつめたい指先。

ミュージックマガジンのくるりのインタビューを読む。「(新しいギターが入ってから)ティーンエイジファンクラブみたいに弾いてくれ、じゃなくて、セーラー服の美少女を思い浮かべながら、というノリになった」というくだりが面白かった。山口洋がインタビューで言っていた「バンドで一緒にやっている相手を信用する」というのは、こういう形で表れるんじゃないかなと思った。「図鑑」は良くも悪くも岸田繁個人のアルバムだったけれど、「TEAM ROCK」からくるりは本当の意味で「バンド」になってきた。ような気がする。

4月29日(月)

CLICKの今年の悪だくみについてリカクマと策を錬る。実現するかどうかまだ全く未定だけれど、楽しくなることには違いない。何となく二人ともニコニコしていた。「何となく笑ってる」って、ちょっとアブナイ人たちみたいだけれど、いい感じなのです。

one thing I've left to do / discover me / discovering you.

ジョン・メイヤーを聞いて過ごす午後。キャッチコピーは「スニーカーをはいた天才メロディーメーカー」・・ヘヘッ、意味不明だぜ、おやっさんよ、と矢吹ジョーなら言うと思うね。てなもんや若干24才。コトバはまだ未熟だし、青臭いところもあるけれど、伸びやかに流れていくメロディには「天賦の才能」認定証をはりつけたくなるほど。ポップだけれどブルースの匂いもすると思ったら、レイヴォーンがヒーローだそうだ。愛い奴。時々聞こえてくるキレのあるギターの音がいい。「生きている限り、僕は誰にも負けない」こんな強気なコトバもまぶしい。
五線譜にしてみると、音符が浮かんだり沈んだり。たったそれだけのことなのに、なぜ音楽はこんなに人の心を震わせるのだろう。


pAst dAys of CLICK(2002.1)
mOrE pAst dAys of CLICK(2001.12)
littlE mOrE pAst dAys of CLICK(2001.11)

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